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2017年6月25日 (日)

新・空気の研究40

山本七平は『空気の研究』のなかで、「日本の道徳は差別の道徳」といっている。
自分たちの仲間を守るための道徳であり、仲間ではない人たちは差別することで成り立っている。
今の政権は、道徳を教科に格上げしようとしている。
だが、国が道徳、モラルを教えることは、どこに価値基準を置くか、非常に難しい問題がある。
かつて行われた日本の道徳教育では、国家に従わない者や、国家のために働かない者は「非国民」とされた。
いま権力のヒエラルキーを守るための道徳教育を巧妙に再開しようとするなら、慎重になるべきだ。

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官僚が、大臣や副大臣のために働くのか、国民のために働くのか。
あったことをなかったことにしようとする権力に対して、異議を唱えることができるか。
本当の道徳教育とは、フェイクとファクトを見極めようとする力、
フェイクに染まっているときに毅然と「おかしい」と言える勇気を育てることではないか。

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