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2017年6月

2017年6月24日 (土)

お知らせ

明日25日、読売新聞朝刊に『遊行を生きる』(清流出版)の広告が掲載されます。
QRコードをスマートフォンでかざして読み取ると、動画が見れます。
鎌田が、「遊行を生きる」ことの核心について語っています。

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ぜひ、ご覧ください。

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2017年6月23日 (金)

新・空気の研究39

6/15の信濃毎日新聞の「『共謀罪』わたしの視点」、6/18の毎日新聞の連載「さあこれからだ」では、どちらも自由な発言の大切さについて述べた。
自由に発言しにくい空気をつくることで、権力者はやりやすいくなるかもしれない。
しかし、長い目で見たとき、この国のエネルギー、活気はなくなってしまうだろう。
ときには空気を読まないで、汚れてきた空気をかき回さないといけない。
「これはおかしい」と声を挙げた人を守り、声を挙げやすい空気をつくることが大事である。

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国民の発言の自由は憲法で認められている。
なおかつ、公益通報者保護法によっても守られている。
東芝や富士ゼロックスなどの「不正会計」が発覚したのは、内部通報がきっかけである。
そういう自浄作用が働く社会というのはとても大事である。

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2017年6月22日 (木)

鎌田實の一日一冊(314)

「orange」(高野苺著、双葉社)
同級生が自殺し、10年後の自分から手紙が届く。
主人公の高校生たちが自分の未来を変えるために、後悔しないために、努力を始める。
映画にもなった。

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パラレルワールド、もう一つがあるというコミックらしいコミック。
著者が体調を崩したりしてなかなかすすまなかったが、全5巻で完結。

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2017年6月21日 (水)

鎌田實の一日一冊(313)

「成功者K」(羽田圭介著、河出書房新社)
芥川賞作家の最新作。
駄作だなと思った。
このところの芥川賞は、売れてはいるが、時代を変えるような力がないような気がする。

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芥川賞だから読まれているが、果たして賞に値するのかと思ってしまう。
人の心のなかをかきまわすこともないし、社会の空気をかきまわすこともない。
何となくさびしい本だと思ってしまう。

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2017年6月20日 (火)

鎌田實の一日一冊(312)

「十代に共感する奴はみんな嘘つき」(最果タヒ著、文藝春秋)
「四月は君の嘘」(新川直司著、講談社)
「10代への君へ」という本を理論社から頼まれ、10代になった気持ちで読み始めたのが、二作の「嘘」というタイトルがついている作品だ。
一作は、最果タヒさんの作品。
タヒとは、「死」という文字から来ているそうだ。
「夜空はいつでも最高密度の青色だ」という詩集は、映画化されている。
彼女の「グッドモーニング」は、中原中也賞を受賞している。
「感受性が強いのは若い人間だけれど、感受性を尊重したがるのはおとなばかり。
悲しいからなに。
昔思ったことをいつまでも大事にしまい込む、それは何。
そんなものは生命維持には無関係だっていうこと、
忘れちゃんうんだろうな長生きしたら。
老人のつまらなさはそこにあると私は思う」
手厳しいが、けっこうすごい。

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いま読みふけっているのは、コミック「四月は君の嘘」11巻のうち5巻まで来た。
タイトルがいい。
ピアニストを夢見る天才少年。
母が亡くなり、耳が聞こえなくなる。
コミックがこんなに面白いとは思わなかった。
作品に出てくる音楽もユーチューブで聞けるようになっている。
「音楽は自由だ」ということに少年が気づいたとき、ショパンのエチュードが流れている。
若いバイオリニストとの出会いが、少年を変えていく。

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この二つの作品に出てくる「嘘」は、昨今のフェイクニュース、オルタナファクトとは違う。
「想像力」と言い換えてもいい「嘘」には、不思議な感触がある。
            ◇
最新刊『カマタノコトバ』(悟空出版)の二刷が決まりました。
まだ読んでいない方は、ぜひお求めください。

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2017年6月19日 (月)

新・空気の研究38

富士ゼロックスがルール違反をした。
ニュージーランドの子会社で売り上げを水増しする「不正会計」が判明した。
その内容を告発するメールが幹部に届いたが、
副社長らが「まずは問題ないと書け」と部下に指示するなど、隠ぺいをはかった。
一方で、子会社の会長には、退職金など8800万円などを出して解任している。
事実上の口封じだ。
不正会計は、オーストラリアの子会社でも判明した。
富士ゼロックスは、あったことをなかったことにして、水に流そうとした。
せっかく立ち直るチャンスがあったはずなのに、表面だけ取り繕おうとして、市場からの信頼を失った。

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ある文章をなかったことにする政治家や官僚がいる国。
そして、企業では平然と不正会計を隠ぺいし、自らの力を失っていく。
2015年、東芝が長年、利益の水増しをしていることがバレた。
それ以降、東芝は土俵際に追いやられている。
オリンパスの巨額損失隠しも、2013年に明らかになった。
旧カネボウや旧ライブドアもそうだ。
不正を隠ぺいしていいことはない。
その場をしのぎの策は、必ず大きなしっぺ返しを食う。
志なきものは、いつか崩壊する、それが世のならいだ。

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2017年6月18日 (日)

新・空気の研究37

映画「甘き人生」(マルコ・ベロッキオ監督)は、イタリアで140万部売れた大ベストセラー「よい夢を」の映画化。
あるジャーナリストの自伝小説だ。
少年のとき、母親が亡くなる。
心の病だったらしいが、自分を残してなぜ死んだのか、わからない。
ずっと心の重りになっていた。
成人してからも、冷めたものをいつももっている。
ジャーナリストになって、戦場にも行った。
命の瀬戸際を見れば見るほど、母親の死に対する少年の時の悲しみが舞い戻ってくる。

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ぼくも、分かるような気がする。
この年になっても、ぼくを産んでくれた母親はなぜぼくを捨てたのか、と思い続けている。
ぼくを手放さないでいてくれたらな、と思う。
映画のなかで、落ちていくものが暗示的に使われている。
引力があるから、ものも、人も落ちていく。
主人公は人を愛する気持ちを失い、からっぽの少年時代を過ごしてしまう。
そのからっぽの心を満たしていくのに、とても時間がかかる。
愛がどこかに行ってしまうと、そのすき間に虚無が満たされる。
その虚無を追い払うには、やはり愛の力なのだということを教えてくれる映画だ。

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2017年6月17日 (土)

IS拉致の少女が無事、帰還

過激派組織「イスラム国」から3年ぶりに5歳の少女クリスティーナちゃんが解放されたというニュースが、世界中を駆け巡った。
実は、ぼくは2年半前に偶然、アルビルの難民キャンプでこの家族と出会っている。
父親は目が不自由。
母親は泣き叫んでいた。
衰弱しており、おばあさんのように見えたが、当時2歳の自分の娘と聞いて驚いた。

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日本テレビ「ニュースエブリィ」の「ナゼナニっ」というコーナーで、
拉致された当時の映像も含め、クリスティーナちゃんのことを紹介した。
2年半前の映像は、ここだけで見られるもの。
ぜひ、ご覧ください。

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2017年6月16日 (金)

JBPRESS鎌田實のヌーベルバーグ

増え続ける甲状腺がん、意図的隠ぺいかも
私たちは支配されやすい、だからこそ支配されない体質を作ろう

福島の子どもの甲状腺がんが152人になった。
「がん」と「がんの疑い」の両方では、190人近くになる。
「がんの疑い」といわれる人は今までの例ではほとんどが「がん」なので、
190人近くが甲状腺がんということになる。
福島の子どもの甲状腺がんが増えているが、意図的な隠ぺいの可能性があると書いた。
5歳以下の子どもがいない。
ヨウ素131が関係するとき、より小さい子どもが影響を受けやすい。
チェルノブイリでは5歳以下の子どもに甲状腺がんが多発した。
福島では5歳以下の子がいないので、ヨウ素131による被ばくはないといわれた。
今回、4歳の子どもで、報告漏れがあった。
しかも、県民健康調査検討委員会の中心的な役割を担っている福島県立医大で手術をしている例だ。
ほかにも報告漏れがあるかもしれない。
「鎌田實のヌーベルバーグ」無料です
ぜひ、ご覧ください

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2017年6月15日 (木)

新・空気の研究36

母校の都立西高の同窓会から頼まれ「地域医療と国際化」というテーマのパネルディスカッションに出た。
西高の同窓生に、三重県の志摩市民病院の江角院長がいる。
江角院長は34歳で院長になったというから、39歳で院長になったぼくよりさらに早い。
その彼のはからいで、現役西高生たちが研修をしたという。
離島で健康づくりなど、高校生が自立していろいろなことを考えながら、役に立つことを行ってきたと報告があった。

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江角院長は、西高時代、あと少しで退学というところに追い込まれていたそう。
西高の先生がたも来ていた。
不良学生ほど、先生がたにとってかわいいのかもしれない。
西高の先生たちの寛容さがなければ、鎌田も江角先生も今がなかったように思う。
ぼくは西高の後輩たちに、支配されるような人間になるな」と話した。
権力に支配されたり、空気に支配されたり、思い込みに支配されるような人間になるなという意味だ。
パネリストになった同窓生の医師たちは、みんな空気に支配されず、自分流の生き方をしていた。

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2017年6月14日 (水)

新・空気の研究35

福島の子どもの甲状腺検査を管理している「県民健康調査検討委員会」が6月5日、福島市内で開かれた。
現在、三巡目の検査が行われているが、その途中報告である。
二巡目の検査で44人が甲状腺がんと診断されていたが、さらに5人の甲状腺がんと診断され、49人となった。
一巡目では101人。
三巡目では、さらに2人が確定された。
これで合計152人が甲状腺がんと確定されたことになる。
「がんの疑い」は、三巡目では2人。
二巡目でも30数人いる。
検査で異常が見つかり、病院でのフォローになって、甲状腺がんと診断されたものは統計に反映されていないこともわかってきた。
この点を委員会では改善するという。

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検査の受診者は、二巡目では27万人いたが、三巡目では12万人になっている。
受診率が低下していることが心配だ。
甲状腺がんは転移が多いが、早期発見すれば完治できる。
自己判断で受けなくてもいいや、と考えないことが大事である。
進行してから見つけると、大きな手術が必要になる。
原発事故と甲状腺がんとの因果関係を調べることも大切であるが、
いちばん大切なのは、子どもたちを甲状腺がんで亡くさないことである。
そのために検査の受診率を高め、早期発見、早期治療して完治させることだ。
「事なかれ主義」の空気に染まらないことが大事だと思う。

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2017年6月13日 (火)

新・空気の研究34

7月1日から公開される「しあわせな人生の選択」という映画はすてきな映画だ。
スペインで俳優として活躍している男が肺がんになった。
肝臓転移がある、末期である。
離婚し、息子はオランダの大学に行っており、
いまは犬と二人で暮らしている。
そこに昔の親友がカナダからやってくる。
男同士の友情と一匹の犬。
特別な4日間。
抗がん剤治療をすすめられるが、主人公は拒否する。
ターミナルケアの悲しい話になりそうなのに、一度も見る者を悲しませない。
不思議な映画だ。
ほのぼのとしてる。
温かい。
出てくる人間がみんなかっこいいのだ。
別れた妻も、遠くで勉強する息子も、みんな主人公が末期がんであることを知りながら、
特別な会話は何もない。
オランダにいる息子を突然訪ねるが、息子も何も話そうとするわけではない。
でも、しぐさがあたたかいのだ。
「限りある命」からかもしだされる空気に、だれも負けてないのだ。

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離婚の原因は、友人の妻と不倫したことだった。
その男友だちと偶然会う。
主人公が「悪かった」と謝る。
本当は、もっと大事なときに謝らなければならなかった、それができなかったおれはだめな男だというと、
相手の男は「おかげで今、おれは幸せだから気にするな」と若い女性を紹介したりする。
メソメソしていない。
みんな明るい。
最期までその人らしく生きることができる、ということを示してくれる映画。
スペインのアカデミー賞といわれるゴヤ賞の5部門を総ナメにした。
男同士の友情が圧倒的。
この映画は、空気に負けないことが、人生を幸せに生きる秘訣であることを教えてくれた。

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2017年6月12日 (月)

新・空気の研究33

東大の五月祭に講演に行ったとき、聞きにきてくれた方からどこに住みたいですかと聞かれた。
世界中、いい国はたくさんある。
日本もいい国だと思う。
でも問題は、何とかしないといけないと答えた。
右とか左とかではない。
もっとみんなが自由に声を出せる国にしないといけない。
事実を隠蔽したりせず、改善することができる社会になっていくことが大事なのだと思う。
大人がそれを見せなければ、子どもの世界もおかしくなっていく。
保守だろうが、革新だろうが、それぞれ自分の主義をもっていてもいい。
それぞれの考えをもつ自由がある国。
ここが日本のいいところだ。
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ぼくが首相だったら、親友が事業を起こそうとしているとき、
「悪いんだけど、ぼくが首相でいるうちは、お前には何も応援できない。悪いな」
と言うだろう。
官僚たちにも「忖度するな」と言い、「国民のために働いてほしい」と言いたい。
ぼくが電通の社員で、自殺した新入社員の上司だったら、
「働きすぎだぞ、少し休め」
「いい仕事をしているぞ。でも、この企画のここがまずい」
「もう少し変えれば、いい企画になる。ちょっとリフレッシュしてから考え直してみよう」
と言うだろう。
ぼくが仙台で子どもが自殺した中学校の教師だったら、何と言っただろうか。
そんなふうにいつも妄想している。
妄想し、発言する自由がずっと守られる国であってほしいと思い、
この「新・空気の研究」を書いている。

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2017年6月11日 (日)

ほろ酔い勉強会

先月開かれた諏訪中央病院のほろ酔い勉強会では、鎌田が健康づくりの話をした。
「どうしたら脳卒中やがんにならない健康な体を作れるか」
目の前のマシュマロを我慢できるかというマシュマロテストの例を挙げ、我慢することの大切さについても話した。

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新しい院長の吉澤院長は、「これからの諏訪中央病院」と題してあいさつ。
静脈瘤の手術の認定施設になっていることや、尿管結石の破砕装置が諏訪盆地ではここだけ、循環器科は東京女子大のチームと連携して、カテーテルで不整脈を起こしている領域を焼いて、不整脈を予防する治療が安定的に行われているという報告をした。
膝の人工関節の手術は無菌室で手術しているため、この7年間、感染症が一度もないという話があった。
消化器科にある内視鏡下のがん治療、脳外科のカテーテルによる治療、血栓を溶かす治療など、積極的に取り組んでいい成績を出していること、
国際学会で循環器科や整形外科のチームが発表していることも報告された。

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2017年6月10日 (土)

新・空気の研究32

「ありがとう、トニ・エルドマン」は、父と娘の物語。
父は、ブーブー座布団で人を笑わせたり、まじめな場面で、出っ歯のマウスピースをつけてみんなに奇妙がられたり、
とんでもないおふざけだが、グローバル経済のなかで必死に働いている人たちのうそっぱちの人生を笑いでぶち壊していく。
キャリアウーマンの娘は、そんな父のすごさに徐々に気づき、
自分のパーティを裸のパーティにする。
裸になったこととで、硬いハシナしかしなかった人たちが、空気がやさしくなる。
娘のパーティに、父親がナマハゲみたいなものをかぶって登場する。
笑いと涙。
冗談というものがどんなに大事か教えてくる。

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「パトリオット・デイ」は、2013年に発生したポストマラソン爆弾テロ事件を題材にしている。
50万の観衆がにぎわうなかで、おこったローンウルフ型のテロだ。
今、議論されているテロ等準備罪は、このローンウルフ型テロには太刀打ちできない。
テロを抑止するためには、違う方法を国会で議論されるべきである。
そして、一般の国民の人権や自由を冒さないことをきちんと議論すべきだと思う。

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9月にロードショーされる「あさがくるまえに」は美しい映画。
朝のはじまりや夜の闇が、青と黒で映し出されている。
臓器移植をテーマにした映画である。
日本では、臓器移植が拡がらない空気がある。
17歳の脳死状態になった若者の心臓を取り出す。
そのとき、恋人が好きだった歌を耳元で流す。
命はどうあればいいのか。

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2017年6月 9日 (金)

新・空気の研究31

日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」で、作業員5人が被ばくした。
作業中にプルトニウムを保管しているビニール袋が破裂したことで、放射性物質を吸い込んだ。
またまた単純ミスだ。
一番多く被ばくした男性は2万2000ベクレルが検出された。
プルトニウム238か239なのかわからないが、238ならば、半減期は87年。
内部被ばくすると、内部から放射線が出続け、肺がんや骨肉腫などになる可能性がある。
2万2000ベクレルだと、50年間で12シーベルト内部被ばくする計算になる。
100ミリシーベルト以上の被ばくでがんなどのリスクが上がると言われているが、その120倍ということになる。
とても心配だ。

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事故の背景には、空気の緩みがあると思う。
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉もんじゅの点検漏れなどが続いた。
東海村の再処理施設や研究所にはたくさんの高レベル放射性廃液があるが、
それらを処理する能力がないなかで、きちんと管理できるか心配である。
「ずさん」という空気に汚れているとしか思えない。

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2017年6月 8日 (木)

新・空気の研究30

中国人の女子留学生が、留学先のアメリカの大学の式でスピーチをした。
「アメリカは空気が新鮮で、言論の自由がある。
飛行機を降りて空気を吸ったとたん自由を感じた」
留学前、彼女は、政治は権威のある人だけが語る資格があり、事実は政府だけが確定できると信じていたという。
でも、「私も自由に声をあげられることに気づいた」
このスピーチに対して、中国の官製メディアから非難されたという。
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アメリカは、トランプの選挙中のロシアとの関係を調べ直そうとしている。
そういう意味では、中国より100倍くらい「空気がきれい」かもしれない。
一方、日本では、加計学園問題も、森友学園問題も、まともに議論できない。
そんな日本より、アメリカのほうが10倍くらい「空気がきれい」なのかもしれない。

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2017年6月 7日 (水)

新・空気の研究29

仙台市の3つの中学で、いじめが原因で3人の子どもが自ら命を絶った。
1例目は14年9月、2例目は16年2月、そして3例目は今年4月。
当初、仙台市の教育長は「いじめというより、からかい」と表現した。
クラスのなかで「臭い」などと言われていた。
いじめかどうかは微妙なこともあるが、大事なポイントはいじめられている側がどう考えるかである。
その数日後に、教育長は過去にいじめがあったと言い直し、
さらに20日後、口に粘着テープをはったり、2教諭が体罰していることがわかった。
クラスや学校全体に、いじめの空気があったのではないか。

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いじめはどこにもで発生するが、処理の仕方に問題があったように思う。
一例目のとき、生徒の保護者から公表しないように強く言われたとし、
自殺した生徒は転校したことになっていた。
遺族が強く公表を断ったのか、学校側が上手にすすめたのかはわからない。
空気が悪化するのは、臭いものに蓋をしたときなのだと思う、
第二の事例がおきた後も、教育長は「継続したいじめで自殺したものではないだろう」と言った。
今も生徒の父親は、新たな第三者委員会で調査を求めている。
一例目で空気を入れ替えていれば、二例目はおきなかったかもしれない。
二例目でも蓋をしようとし、三例目がおきた。
三例目では、教師もかかわっている。
空気をどう入れ替えるか。
少なくとも、見て見ぬふり、臭いものに蓋という体質では空気は変わらない。

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2017年6月 6日 (火)

新・空気の研究28

教育無償化に改憲が必要と、首相が突然ビデオメッセージを出した。
正々堂々と議論の場に出すべきなのに、こういうやり方は、変な空気を生み出す。
せめて記者会見を開き、質疑応答ができるようにすべき。
ビデオメッセージは一方的である。
意見が分かれる憲法議論にはそぐわない手法である。
改憲がなかなか進まないことに業を煮やしているのだろう。
そして、与党と自分の意見と同じ人たちに、忖度をさせるような空気をつくり出しているのだ。

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自民党は授業料無償化について、「理念なき選挙目当てのばら撒き政策には反対」と言っていた。
その総裁が突然、冒頭のメッセージを言い出した。
こういうのをポピュリズムという。
ご都合主義だ。
憲法を一度変えてしまえば、そのあとは好きに変えられると安倍さんは考えているようだ。
南方熊楠は知性の人だったが、反知性の人が一強になると、この国の未来が不安になる。
もっときちんと自由に議論ができる日本であり続けたと思う。

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2017年6月 5日 (月)

新・空気の研究27

2013年、第266代ローマ法王にフランシスコが就任した。
アルゼンチン出身。
若い頃は、イエズス会に入り日本に宣教に行きたいと希望をもっていたという。
軍事独裁政権の暗黒のなかで、徐々に偉くなっていく彼は、
もっと弱い人のために働けたはずという批判もあるし、
独裁政権に異を唱える過激派学生をかくまったり、市民運動で弾圧されそうな人や貧しい人を助けた見事な人生だ、という人もいる。

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3万人が失踪している。
軍事政権下で闇から闇に葬れた可能性がある。
今でも、共産主義から守るために軍事独裁政権が必要がたったという人と、
軍事独裁政権の闇は二度と許さないという人がいる。
ローマ法王はそんななかで、綱渡りのように、絶望のなかにいる人を助け、
なおかつぎりぎりのところで自分を守りながら、空気をかきまわし続けた人だったように思う。
米大統領選の際トランプが「メキシコとの間に壁を作ると言った」時、
クリスチャンは壁を作らないと水を差した。
この水を差すという行為は勇気のいることだ。
「ロックスター法王」と呼ばれ、今までの法王とは一味違う。
自ら「地の果てアルゼンチンから来た」という。
12億のカトリックの頂点にいるということは大事なことだ。
ぼくはクリスチャンではないが、こういう人を法王に選ぶところがすごい。

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2017年6月 4日 (日)

緩和ケア病棟の結婚式

緩和ケア病棟の回診をした。
Aさんは胃がんが再発し、厳しい状態が続いている。
「おはようございます」と声をかけると、にこにこしている。
「いい顔ですね」と、ぼくは顔を覗き込んだ。
「いい人生だった」とAさんは言った。
事業にも成功した。
「でも、スタッフの教育は十分ではなかったかな」とにこっと笑った。
趣味は写真。
一週間前は、彼が撮ったという大きな紅葉の写真があったが、
この日は6枚に増えている。
自分の撮った写真に囲まれて、満足げだ。

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少し前、娘さんと婚約者から「プレゼント」があった。
なんと、病棟で結婚式をしたという。
ボランティアルームや家族の休憩室を利用して、華やかな結婚式となった。
親戚や友人も集まった。
若い二人のプレゼントを、彼は心から喜んだ。
「一生懸命生きてきてよかった」
彼は病気に負けてない。
自分の人生をしっかりと生きている。

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2017年6月 3日 (土)

鎌田塾

今回の鎌田塾では、地域活動をしている食改さんたちが、研修医たちに山菜や野菜をおいしく食べる方法を教えた。
60人ほどで、みんなで作った料理をいただいた。
嚥下の認定ナースや薬剤師なども参加。
大変盛り上がった。

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医療の現場は緊張感を強いられるが、時々おいしいものを食べて、大笑いする場があることはとても大事なことだ。
そんな鎌田塾を開くことができるのも、食改さんたちのおかげだ。
食改さんは日本中にある組織だが、多くは停滞していると聞く。
だが、この地域ではとても活発に活動している。
住民からも注目され、昨年も7人増加、今年も7人増加した。
地域活動も盛んで、諏訪中央病院にもよく来て、嚥下食の普及などにも力を貸してくれている。
パートナーシップがよくとれている。
鎌田塾も、今年で12年になる。
地域の人たちが、若い医師たちを育てるという文化ができつつある。

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2017年6月 2日 (金)

新・空気の研究26

「セールスマン」という映画がすごい。
69回カンヌ国際映画祭で、脚本賞と男優賞で有名になったが、なんといっても
今年度のアカデミー賞外国語賞を受賞したことで話題になった。
トランプ大統領が、イランを含む中東7か国の入国を一次制限するという大統領令に署名したことに対して、
主演女優のタラネ・アリシュスティとアスガー・ファルハディ監督がアカデミー賞授賞式への参加を拒否した。
ファルハティ監督はこんなメッセージを出した。
「世界を『私たち』と『敵』というカテゴリーに分けることは、恐怖や誤魔化しを生み出します。
映画はカメラを通して国籍や宗教の固定概念を打ち壊すことができます。
これまで以上に共感が必要とされている今、映画は共感を生み出すことができるのです」

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世界に分断と「自分ファースト」が広がっているとき、
映画はその空気を入れ替えることができる。
この「セールスマン」という映画には、アメリカの劇作家アーサー・ミラーの「セールスマンの死」を、
イランの小さな町のホールで、イラン人たちが演じるシーンが何度も出てくる。
イランのなかにあるタブーを壊そうとしている。
芝居や映画を通せば、イランとアメリカがつながることもできるということを暗示している。
ちなみに、主演女優は、鎌田が勝手に「世界でいちばん美しい女優」と思っている。
ぜひ、多くの人に見てもらいたい。

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2017年6月 1日 (木)

6/3サッカーでシリア、イラクの平和を考える

サッカー場がなくても、ボールさえあれば、サッカーに明け暮れる中東の子どもたち。
いよいよ6月7日には、シリアvs日本の親善試合が開催されます。
JIM-NETでは、シリアチームのコーチを務められた屋良充紀さんをお迎えして、
『サッカー』を通してシリア、イラクの平和を考えるイベントを開催します。

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「サッカーで、シリア、イラクの平和を考える」

第1部:映画『それでも僕は帰る~シリア 若者たちが求め続けたふるさと』上映
 14:00~15:00
第2部:トーク『サッカーで、シリア、イラクの平和を考える』
 15:00~16:30
  屋良充紀さん(元シリア代表コーチ)x佐藤真紀(JIM-NET事務局長)

★日時:2017年6月3日(土)14:00開演(13:30開場)       
★場所:渋谷区立千駄ヶ谷区民会館・集会室
 (東京都渋谷区神宮前1-1-10・JR原宿駅竹下口・徒歩8分/地下鉄千代田線明治神宮前駅・徒歩10分)
  アクセス:https://goo.gl/QMyvfJ
★参加費:1000円(JIM-NETサポーターは無料)
★お申込:03-6228-0746/info-jim@jim-net.net 
     申込フォーム:https://goo.gl/y6DDme

詳しくはこちら↓

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