« お知らせ | トップページ | 新・空気の研究65 »

2017年7月30日 (日)

新・空気の研究64

宮城観光PR動画が物議をかもしている。
「あっという間にイケちゃう」とか、亀に「乗ってもいいですか」と壇蜜がささやくというもの。
くだらないPR動画だと思う。
東京から90分、竜宮城ならぬ「涼宮城」の涼しい宮城へどうぞ、と言っているだけなのだが、
「肉汁トロトロ」とか「鼻血ブー」とか、全編ぐちゃぐちゃしている印象だ。
メリハリがなくだらだらしていて、失敗作だと思う。
「気持ちが悪い」という人がいてもしかたない。
でも、村井知事の言葉はけっこういけている。
「賛否両論あることは逆に成功」
自治体の広報は失敗や批判を恐れて、角のない先品をつくりがち。
フックのないものになってしまうことが多い。
そういう意味では、この壇蜜のPR動画は失敗だけれど成功といってもいいだろう。
みんなが批判を恐れてまあまあでいいと思いだすと、地域はますます活力をなくしていく。
ときには跳ねることも大切なのだ。

Img_6926_2

BSで壇蜜と対談したことがあるが、実に頭のいい人だった。
本をよく読んでいる。
ぼくの本にも付箋をいっぱいつけて読んでいた。
壇蜜を起用して全編ねっちりした作品にするのではなく、みんなが意外に思うようなさわやかさを出しながら、
一か所だけ壇蜜らしいところをつくれば、もっといい作品になったと思う。
所詮、失敗作。
止めるほどの過激さも、時代をかきまわすような力もないように思う。
ネットで炎上しても、止めないほうがいい。
この程度の空気の圧力に負けないほうがいいと思う。
賛成、反対という意見がいっぱい出ていていいのだ。
宮城に行かない人は、この動画を見ても見なくても行かない。
割り切ることが大事だ。

|

« お知らせ | トップページ | 新・空気の研究65 »