新・空気の研究82
人は忖度しながら進化してきたのではないか。
他の動物よりも圧倒的に強いのは「共感力」といわれている。
目の奥の皮質のところと、偏桃体という部位が共感に関係している。
自閉症の人は、いくつかの脳の機能の偏りがあるといわれ、
特に、この偏桃体の機能の低下がよくみられる。
しかし、生まれつき脳機能に問題があったとしても、
早期幼少期の育ち方、周囲のかかわり方で脳は発達は変わってくる。
この時期に虐待を受けたり、精神的に強いプレッシャーを与えられたりしていると、
精神病質(サイコパス)になりやすいといわれている。
45年ほど前、精神病質の人が再犯の危険がある場合、罪を犯す前から「保安処分」にするという改正刑法草案が提示されたが、
精神病質というあいまいな概念で、自由や人権を奪うものということで廃案となった。
このときぼくは学生で、大学の新聞会で保安処分反対のメッセージなどを出した。
共感力がないということは、忖度が下手だということだ。
だから、生きるのが不器用になる。
だからといって「サイコパス」というレッテルを貼って、隔離したり、差別したり、分断したりするのは決していいことではない。
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