新・空気の研究83
サイコパスのなかには向社会的サイコパスというのがある。
競争心があり、共感能力をオンとオフにすることができるという。
総じて、怖いもの知らずで、みんなが怖がってやらないようなこともやってしまうところがある。
ぼくなんかも少しそういう精神病質の傾向があるように思う。
イラクの難民キャンプに行くときには、ISが制圧している地域から50キロくらいのところで活動するのだが、
「よく活動できますね」と驚かれる。
「なるようにしかならないんですよ。
日本にいても交通事故に遭うかもしれないので同じです」と答えている。
チェルノブイリの放射能の汚染地域に行くときも同じだ。
別に怖いとは思わない。
自分を待っている人がいると勝手に思い込んでしまい、全力投球をしてしまう。
脳には、ミラーニューロンという神経細胞がある。
子どもは、自分にかかわってくる周囲の人たちの様子をみており、
言葉を真似したり、行動のパターンを覚えていく。
子どものなかには、ぼくが次に何を欲しがっているのかわかって、
それをもってきてくれる子がいる。
「ありがとう。よくわかったね、えらいね」
ほめると、さらにぼくの行動を見て、次は何だろうと考える。
おそらくこれは、他者理解が根っこにあるように思う。
人は模倣学習をしているわけだが、その根っこにあるのは他者理解である。
チンパンジーは他者理解がないわけではないが、あまりうまくない。
ボノボはそれを上回っている。
その根底あるものは共感の力だ。
ぼくたちは、人のあくびが伝染したりするが、ボノボにもそういうことがみられる。
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