鎌田劇場へようこそ!(353)
「笑う故郷」
アルゼンチンの映画。
ベネチア国際映画祭の主演男優賞、アルゼンチンアカデミー賞などを受賞。
スペイン在住のノーベル賞受賞作家が、40年ぶりに故郷アルゼンチンに戻る。
架空の町サラスで、繰り広げられるほろ苦い人間関係。
この作家は、サラスを舞台に小説を書き続けてきた。
書いている側は文学だと思っているが、書かれている側は複雑だ。
ときには誇りに思い、ときには傷つけられたリする。
「百年の孤独」を書いたガルシア・マルケスを髣髴させるが、
マルケスはヨーロッパには移住していない。
チリにはぼくの大好きなパブロ・ネルーダという、ノーベル文学賞を受賞した詩人がいる。
アルゼンチンでノーベル文学賞をとった人はいないので、架空の話である。
ぼくは信州に移り住んで、信州のことも書いてきた。
エッセイという手法で、人間の物語を書いてきたつもりだ。
生きるということは、物語と現実のズレや歪みのなかで七転八倒することなのだろう。
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