鎌田劇場へようこそ!(355)
「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」
ノーベル文学賞を受賞したチリの詩人、パブロ・ネルーダ。
ぼくの大好きな詩人である。
チリ政権がファシストになり、それに対抗するために共産党的発言をしたことで逮捕されそうになる。
逃亡しながら、戦争や平和について考え、南アメリカの不条理、怒り、絶望を感じ、
「大いなる歌」という最高傑作をつくる。
映画のなかでも「二〇の愛の詩と一つの絶望の歌」のフレーズが何度も出てくる。
市民たちに請われて朗読するネルーダ。
それに市民が唱和するシーンが印象的だ。
ふだん詩を読まないような労働者たちがネルーダの詩に共感する。
「夜にはおまえの心臓をおれの心臓とひとつにしておくれ
眠りのなかから暗闇を追い散らすために
ちょうど深い森のなかの二つの太鼓が
濡れた木の葉の厚い壁をやぶって轟くように」
こんなフレーズが次々に続いていく。
ネルーダの詩には力がある。
11/11ロードショー。
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