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2017年10月10日 (火)

新・空気の研究96

45年ほど前に読んだ吉本隆明の「共同幻想論」をもう一度紐解いてみた。
自己幻想と対幻想と共同幻想を語っている。
人間は一人では生きていけない弱い存在。
コミュティーができ、そこに共同幻想が生まれる。
ある領域を超えると、神隠しにあってしまったりする。
一人ひとりは自分に対する自己幻想をもっている。
自分とは何か、実際はなかなかわからないが、自己幻想をもっている。
その一人ひとりの自己幻想が重なりあったものが、共同幻想である。
カケモリ問題の官僚たちの忖度バカは、自己幻想と共同幻想がからまりあったものと考えるとわかりやすい。
「自分のために」という思いが「国家のために」という思いにつながっていく。

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緩和ケア病棟に、90代の元特攻がいる。
死ぬのは怖くなったかと聞くと、「家族のことを考えると逃げれなかった」と言った。
共同幻想のなかで、ときに喜んで、ときには仕方なく逃げられず、
死を覚悟することもできるのだろう。
国家という共同幻想は、病的な忖度を生み出しやすい幻想空間なのだと思う。

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