« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »

2017年11月

2017年11月30日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(360)

「ベロニカとの記憶」
日本でもヒットした「めぐり逢わせのお弁当」の監督リテーシュ・バトラーの作品。
原作は、英国のジュリアン・バーンズの「終わりの感覚」(新潮社)。
記憶というものがどういう形でつくられていくのか。
記憶をめぐる感動のミステリーだ。
記憶は、自分に都合よくつくられる。
本人も、どこに事実があるのかわからなくなる。
そんな一筋縄ではいかない「青春の記憶」を描いている。

Photo

学生時代、親友が自殺する。
その親友の日記を、遺品として渡したいと手紙がくる。
40年の時を経て、奇妙な遺品が、初恋の記憶をゆるがせる。
べラテン俳優のシャーロット・ランプリングとジム・ブロードベントがすばらしい。
来年1月20日ロードショー。

|

2017年11月29日 (水)

本日、新刊発売

『忖度バカ』(鎌田實著、小学館新書)

モリカケ問題について、「丁寧に説明した」と安倍一強は言うが、
国会での答弁の様子を見るとまったくそうは思えない。
国民に何も説明されないまま、うやむやにしようとしている。
誤魔化せば誤魔化すほど、この国は「忖度」しだいで、政治を私物化できるという疑念が根づいていく。
タックスヘイブンの新資料パラダイス文書には、プーチン大統領と娘婿、側近らがかかわる国営企業も載っているという。
ロシア政府系天然ガス企業が投資ファンドを通して、バージン諸島にお金が流れている。
ロシア政府系銀行VTBやエネルギー企業が、ツイッターやフェイスブックに出資したという疑念が浮上している。
アメリカの大統領選では、ツイッターとフェイスブックを握ってしまえば思うままだ。
プーチンの意のままにならないCNNや巨大な新聞社は、「フェイク」と呼び、世論を洗脳していく。
とんでもない構造がある。

Photo

忖度も、フェイクも、真実や正義を覆い隠してしまう。
そんな「忖度バカ」がまん延する社会にしないために、ぼくたちはどうしたらいいのか。
新刊ではさまざまな「忖度」のパターンを分析し、支配されない生き方を提案している。

新刊『忖度バカ』をぜひ、お読みください。

|

2017年11月28日 (火)

減塩高野豆腐

健康食品として、高野豆腐をすすめてきた。
レジスタント・タンパクが多く含まれるため、中性脂肪やコレストロールを減らす作用があり、
血糖値の上昇も緩やかにする。
なおかつタンパク質も豊富に含まれているので、
鎌田がこのところずっと主張している「タンパク質をとって、貯筋(ちょきん)しよう」というのにぴったり。

Img_8191

このように高野豆腐は優れた健康食品だが、タンパク質を固定するために、少し塩が使われている。
高野豆腐メーカーの旭松の社長に、「これくらいの塩ならかまいませんか」と聞かれ、
「健康食品だから、知らない間に塩分をとってしまうのはあまりいいことではありません」と答えた。
旭松では、その点を改善し、減塩高野豆腐を開発した。
食塩相当量の95%低減を実現し、その普及活動が評価され、厚生労働省健康局長優良賞を受賞したという。
とてもうれしいことだ。
ぜひ、多くの人に、減塩高野豆腐を食べてもらいたい。

|

2017年11月27日 (月)

忖度ばやり

少し前、「忖度饅頭」という饅頭が話題を呼んだ。
今度は、ファミリーマートで「忖度御膳」が発売されるようだ。
今年、流行した言葉「忖度」と「けものフレンズ」のどちらを商品化してほしいか、アンケートをとったところ、「忖度」に圧倒的多数の票が集まったという。

Img_8193

みんなが正しいことを言わないで、忖度だらけの世の中になったら、
官邸や東芝、データ改ざんの神戸製鋼などのように、組織は腐り、企業は経営危機に陥っていく。
何より、社会も生きにくくなってしまうだろう。
「忖度」の流行は、饅頭やお弁当だけにしてもらいたいものだ。
11/29、『忖度バカ』(鎌田實著、小学館新書)が発売されます。

|

2017年11月26日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(359)

「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」
1787年、天才音楽家モーツァルトは「フィガロの結婚」が話題を呼び、プラハに招待される。
そこで若き歌姫スザンナと出会い、恋に落ちる。
スザンナは、彼女に一目ぼれしたサロカ男爵から結婚を申し込まれる。
しかし、彼女は妻帯者のモーツァルトと恋に落ちるのである。
この三角関係のなかで、スザンナは命を落とす。

Photo_3

モーツァルトは恋に悩みながら、プラハ滞在中「ドン・ジョバンニ」をつくりあげる。
実は「ドン・ジョバンニ」は、ドン・ファンの物語に、自分たちの三角関係を重ねたものであり、
モーツァルトが傷心のなか、スザンナのためにつくった愛のレクイエムであることがわかってくる。
モーツァルトを演じているアナイリン・バーナードがすばらしい。
イギリスを代表するスタッフとキャストが結集し、魅惑的な映画になった。

|

2017年11月25日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(358)

「ルージュの手紙」
フランスを代表する2人のカトリーヌが競演する。
カトリーヌ・ドヌーヴは「シェルブールの雨傘」の大女優。
カトリーヌ・フロは「アメリカの伯父さん」でデビュー、近作の「大統領の料理人」は大ヒットした。
監督は、マルタン・プロヴォ。
「セラフィーヌの庭」という素晴らしい映画を撮っていて、これはかつて「ニュースエブリィ」で激賞したことがある。
今回もしゃれた映画に仕上がっている。

Photo_2

血のつながらない母と娘。
自分に正直に生きる母は突然、姿を消した。
その母が30年ぶりに連絡してくる。
性格のちがう母と娘が、どんなふうにわかりあっていくか、なかなかすごい。
エンディングはこれぞフランス映画。
「シェルブールの雨傘」で感動した人はぜひ、カトリーヌ・ドゥヌーヴがどんな年の取り方をしているかだけでも、一見の価値あり。

|

2017年11月24日 (金)

11/29新刊発売

鎌田實の最新刊が11/29、小学館より発売されます。
タイトルは『忖度バカ』
今年、急速に広がった「忖度」という言葉。
これは、流行語には終わらない、日本社会に深く巣食う病理をあらわす言葉です。
モリカケ問題でクローズアップされた政治家や官僚の「先回りの服従」。
身の回りの会社や学校など、さまざまな場で発生しているしがみつきや足の引っ張り合い。
もともとは、他者とのコミュニケーションを円滑にするために役立つ「忖度」という能力が、
自分たちの自由を奪い、息苦しい社会をつくる方向に作用しています。
忖度によって、相手にしがみつき、相手をコントロールしようとする「忖度バカ」。
本書では、そうした忖度バカのさまざまなパターンを検証し、日本に蔓延する「暗黙の空気」を解き明かします。

Photo

『忖度バカ』(小学館新書、800円+税)

小学館のHP(↓)やアマゾンでは、予約受付を開始しています。
ぜひ、お読みください。

|

2017年11月23日 (木)

9日連チャンの〆は極上の朝日

Img_8284

講演会や雑誌、テレビ、ラジオの取材、あいまに福島へボランティアなど、
9日間連チャンで、ようやく広島にたどり着いた。
夜明け、太陽が上がる海を見ながら、1月出版予定の「だまされない」(KADOKAWA)の原稿を書いている。

Img_8287

Img_8289

Img_8290 広島で食べたお好み焼き

|

2017年11月22日 (水)

タイムスリップ

石見銀山一帯には、古い町並みが残っている。
群言堂というブティックがあった。
たくさんの人が意見を言い合って、一つのものをつくることを「群言」というらしい。
古い町並みにマッチし、感じのいい空間がつくられていた。

Img_8273

Img_8271

Img_8279

住留(ジュール)というカフェに入った。
古いすりガラスと、そこから見える紅葉がとてもいい雰囲気だ。
この小さな町に、中村ブレイスという会社がある。
この会社は、質の高い義肢をつくっており、世界的にいい仕事をしている。
日本中から障害がある人たちが、義肢をつくるためにやってくる。
とても不思議なまちだ。

|

2017年11月21日 (火)

石見銀山

石見銀山に行ってきた。
1500年代から銀が掘られた。
岩と岩の間にすき間ができ、そのすき間に急激な熱が加わったことで、金や銀の鉱脈ができたといわれている。
幕府直轄で掘っていた時代もあるが、自分で銀の鉱脈を探して堀りだす山師も、全国から集まってきたようだ。

Img_8270_2 坑道が奥まで続く龍源寺間歩(まぶ)

あるときは20万人がこの谷一帯に住んでいたことがある、と石碑などに書かれている。
この狭い谷に20万人がいたかどうかは何とも言えない。
しかし、小さな谷あいのまちに、立派なお寺がたくさんあり、銀のおかげで豊かだったのは確かなようだ。
この銀をめぐって、関ヶ原の戦いがあり、大阪城で指揮をとった毛利は石見銀山の支配者になった。
銀山をもっていたことで、毛利は武器を買い、中国地方をひろく支配することができた。
しかし、家康に負けて、石見銀山は徳川幕府のものとなる。
徳川幕府に渡したことで、毛利家は断絶を免れ、今の山口県一帯の領主となった。
幕末、長州が中心になって倒幕をおこなったのは、石見銀山をとられたことの意趣返しともいわれる。
鎖国をしていた日本も、この銀で世界とつながった。
1500年代、世界の銀の3分の1を石見銀山で採っていたという。
なるほど、世界遺産だなと思った。

|

2017年11月20日 (月)

11/22チョコ募金キックオフコンサート

チョコ募金キックオフイベントにぜひ、ご参加ください。
日ごろからJIM-NETを応援して下さっている神野美伽さん(演歌歌手)、
湯川れい子さん(音楽評論家)、斉藤とも子さん(女優)をお迎えし、
鎌田實と佐藤真紀事務局長とともに平和への願いと祈りを込めた音楽とトークの集いを開催いたします。

Flier_hc_fin_omote

神野さんの演歌とジャズが融合したコンサートはすばらしいです。
毎年ニューヨークのライブハウスでライブをしたり、国内でも著名なミュージシャンとジョイントしたり、新しい演歌を発信されています。
来年1月1日には、新しいアルバムが世界同時発売されます。
グラミー賞のジャニス・シーゲルと共演もしています。
また、イベントでは衣装も見もの。
がんで亡くなったイラクの少女・サブリーンがかいた絵を、絵師や染め師の協力でつくった着物も披露してくれます。
あと少し席があります。
ぜひ、みなさまのご参加をお待ちしております。

チョコ募金2018キックオフ
「HAPPYチョコレート」
チャリティトーク&コンサート
◆日時:2017年11月22日(水)19:00開演(開場:18:30)
 ※終演は20:45を予定しております。
◆会場:牛込箪笥ホール(東京都新宿区箪笥町15番地)
 
    都営地下鉄大江戸線 「牛込神楽坂」A1出口より徒歩3分
    東京メトロ東西線「神楽坂」2番出口より徒歩10分
◆入場料:大人2,000円(前売券)/2,500円(当日券)、小中高生1,000円、幼児 無料
    ※全席指定となります。お早めにお申込ください。
       前売券(大人のみ)はクレジットカード決済にてこちらからお申込いただけます。
◆お申込・お問い合わせ:(TEL) 03-6228-0746 / (e-mail) info-jim@jim-net.net
◆主催:特定非営利活動法人 日本イラク医療支援ネットワーク
詳しくはこちら↓

|

神在月の出雲へ

出雲市で地域包括ケアの講演をして、同じ島根県内の大田市へ一両列車で迎った。
出雲は「神在月」。
日本中の神様が出雲に集まり、7日間会議をするらしい。

Img_8203

Img_8201

地域包括ケアについて書いたぼくの『「わがまま」のつながり方』(中央法規出版)を読んで、看護や介護の人たちが講演に呼んでくれることが多くなった。
全国から講演の依頼がある。
浜田市では、教員の方たちに命の話をする。

Photo

|

2017年11月19日 (日)

怒りの梅沢富美男

介護セミナーのスペシャルゲスト、梅沢富美男さんは、とにかく面白い。
ボランティアでご夫婦で郡山にやってきて、鎌田と3人で「わがままのつながり方」というトークショーをした。
鎌田もかなりわがままだけれど、梅沢富美男さんはぶっちぎってわがまま。
それがいい。
「下町の玉三郎」と言われて、「夢芝居」が大ヒット。
多い月には40本、テレビに出ているという。
いちばん大事にしているのは舞台で、「テレビなんていつだめになってもいい」と思っている。
年間100日以上は、梅沢一座の座長として芝居や歌謡ショーをやっている。
休む間もない。

Img_8196

とにかく言いたいことを言う。
おかしいと思うことには、異を唱える。
「震災が福島でよかった」という政治家に対しては、怒りに怒った。
怒りの梅沢富美男だ。
座員への差し入れとして、ハンバーガーやコーラなどを40個ずつ頼んだら、
ショップの店員から「お店で食べていかれますか」と聞かれた。
マネジャーと2人で買いに行ったのに、そんなに食べれるか、とぶちぎれた。
マニュアルどおりに仕事をするな、もっとプロの仕事をしろ、といいたいのだ。
このことを書き込むと、ネットで炎上したという。
静かに黙って、「持ち帰ります」と答えればいい、というのだ。
「ジジイがこういうことを言わなくって、日本はダメになってきた」と梅沢さんは言いたいようだ。
とにかく、言うべきことを言うのが彼のスタイル。
それでいて、とてもやさしい。
梅沢富美男にホレた。

|

2017年11月18日 (土)

福島で地域包括ケアをつくる

11月11日は介護の日。
その前日、がんばらない介護生活を考える会は福島県郡山市で介護セミナーを開いた。
タイトルは、「「わがまま」のつながり方~被災地で地域包括ケアをつくるために」。
鎌田の講演、考える会のメンバーによる介護のお悩み質問会、そして、開演前にも震災後、鎌田がどんなふうに福島とかかわってきたか、30枚くらいのスライドでみてもらった。

Photo スペシャルゲストの梅沢富美男さんと、奥さんで植物療法士の池田明子さんと

会場には、諏訪中央病院に寄付してくれている会津の方も来てくれた。
その方は、目が不自由で、諏訪中央病院の研修に役立ててほしいと多額の寄付をくださっている。
いま東北は医師の足りないが、いつか東北にも地域包括ケアができるやさしい医師を送り込んでください、と頼まれた。

鎌田の講演では、みんなでスクワットをやった。
福島県は心筋梗塞が日本一多く、がんの死亡率も高い。
どうしたら健康になるか、減塩と野菜、タンパク質、運動について話した。
そして、スペシャルゲストは、梅沢富美男さんと、奥さんで植物療法士の池田明子さん。
会場は笑いの渦に包まれ、楽しくて、ためになるセミナーとなった。

|

2017年11月17日 (金)

神野美伽さんがゲスト

11/19の「日曜はがんばらない」(文化放送、10時~)は、歌手の神野美伽さんがゲスト。
新しいアルバムは、ニューヨークで録音したという「夢のカタチ」。
ジャズっぽいアレンジの演歌で、とてもステキだ。
番組でも、神野さんの歌を聞くことができる。

Attachment1_003

11/22の「チョコ募金キックオフイベント」にも、神野さんがミニコンサートをしてくれる。
ぜひ、ラジオを聞いて、イベントにもいらしてください。
お持ちしています。

Flier_hc_fin_omote

チョコ募金キックオフイベントについては、こちら↓

https://www.jim-net.org/2017/10/20/1405/

|

2017年11月16日 (木)

イラクの友たちへ

イラクで大地震があり、
イラクの協力しあっているドクターや、JCFのスタッフへ手紙をおくりました。

イラクの友人たちへ

この度、大地震がイラクを襲ったとニュースが流れました。
私たちは、皆さんの下に被害がなかったか、とても心配しています。
日本では、地震は日常的ですが、イラクではまれな事でしょう。
皆さんが不安な状態に置かれていることに心が痛みます。
加藤さん、リカァ先生から、皆さんがご無事であると聞いて安堵しました。
今後も余震が続くと思われます。
どうぞ、日本から応援できることがありましたら、リクエストしてください。
空港は、国際線の発着が停止していますが、できる限り尽力します。
 
イラクは、次々にいろんな問題が起き、皆さんのお気持ちはいかがでしょうか?
共に活動する仲間として、手を取り、つながっていきましょう。


2017.11.15
日本チェルノブイリ連帯基金
理事長 鎌田 實
------------------------------------------------------------------
From Japan Chernobyl Foundation (JCF) in JAPAN to Friends in IRAQ Dear friends in Iraq
Concerning the news of the big earthquake that had hit Iraq 2 days ago, we JCF are worried about your condition and hope that there was no injury affected you or your beloved people, or any damage in your living places. In Japan, we use to have earthquakes on continuous bases; however, this matter is rare in Iraq. Hope you are all ok!
We feel a bit relieved when Mr. Kato and Dr. Lika'a told us that you are safe. Usually, a series of aftershock earthquakes are expected to occur for a time after then, don't be afraid. If there is anything that Japan can help in, please let us know.
Actually, the suspension of the international flights to/from Erbil International Airport was shocking news for us and we are waiting for its re-operation to resume our activities to support Iraq.
Given that Iraq is a country of wars, how is your feeling after that new experience of the earthquake and the endless complaining of Iraqi people?  Let's join hands and cooperate with you our friends in Iraq to work together supporting Iraq.
 
Best Regard,
 
2017.11.15
Japan Chernobyl Foundation
Chairman Dr. Kamata Minoru

|

2017年11月15日 (水)

ハラブジャで地震

イラクのハラブジャ近郊でM7.3の地震があり、百数十人が死亡したという。
7年前、ハラブジャを訪ねたことがある。
市長ともお会いして、市長直々に町を案内してもらった。
クルド自治区だ。
山の向こうはイラン。
フセインが、イランと連絡とりあっているのではないか、と疑念をもち、
毒ガスを用いた大量虐殺が行われた。
そのとき亡くなった民間人も含めて、特別な墓地が用意されていた。
世界の平和都市宣言をしている市長たちが集まる国際会議が行われたときも、
ぼくたちJIM-NETが来賓として招待された。
そのハラブジャで大変なことが起きている。
すぐにでも支援を出したいのだが、クルド自治区の国際空港はイラク中央政府によって封鎖されている。
ハラブジャに救援に入れるかどうか、模索している。

|

2017年11月14日 (火)

人間の値打ち

日産は、ライセンスがない検査員が検査していたことで出荷停止していたが、
生産出荷を開始するという。
第三者調査でとんでもない失態がわかってきた。
検査員試験で、正解を丸写しさせるということまでしていたというのだ。
不正をやる側の一人ひとりの問題と、それを容認し助長する空気が会社のなかにあったということである。
「人間の値打ち」が問われる。
神戸製鋼のデータ改ざんの不正は、技術系役員が事情を全部知っていたという。
会社組織全体に蔓延していたということだ。
データの改ざんはいけない、正しいデータを出そうと、だれも言わなかったのだろうか。

Photo

権力に支配されていないか。
会社の空気に支配されていないか。
思い込みに支配されていないか。
こんな時代だからこそ、一人ひとりがしっかりしないといけない。
まさに人間の値打ちが問われているように思う。

『人間の値打ち』(集英社新書)好評です。
多くの書店では、平積みをしています。
ぜひ、読んでください。

|

2017年11月13日 (月)

情報の隠ぺい

山口県で昨年7月、高校2年の男子生徒が自殺した。
自殺の原因としていじめがあったかどうか、第三者委員会が報告書をまとめたが、
県教委は 報告書をみせる代わりに、内容を報道機関などに公表しないなどとする誓約書の提出を遺族に求めていたことがわかった。

Img_8171

情報の隠ぺいは、自殺した生徒のプライバシーや、ほかの生徒の心を刺激したくない、などいかにも人権を慮っているふりをしながら、実は、学校や教育委員会側は自分を守っている。
茨城県の中3の生徒が自殺したときも、アンケート調査し「いじめは認められない」と発表したのは、自殺した生徒の同級生が卒業した直後だった。
学校や教育委員会側は、問題を小さくようと姑息なことをする。
いじめ自殺を失くすには、現実を隠すことではなく、どうしたら起こらないかを考えていくことが大事なのに。

|

2017年11月12日 (日)

感動実話

「文藝春秋」12月号の特集は、
「涙が止まらない感動実話 その時、私の心は震えた」

そのなかで、鎌田は「がんで逝ったイラクの少女の絵」と題して語っています。
柳田邦男さんや大沢悠里さん、増田明美さんなどの感動実話も。
そのほか号泣できる映画&ドラマ ベスト10なども載せています。

Photo

おもしろい企画。
ぜひ、読んでください。

|

2017年11月11日 (土)

講演から講演へ

仙台空港から再び、伊丹空港へ。
兵庫県の三田での講演会のためだ。
今年は民生委員制度発足100周年。
東京で、約1万人の会場で講演をした。
それを聞いた人たちが、地元でも話してほしいということで、各地で呼ばれることが多い。
今回も、三田市の民生委員に呼ばれたのだ。

Img_8172 関西はなんといってもお好み焼き。講演の合間に腹ごしらえ

講演が終わると、すぐに京都の日本海側にある久美浜病院の病院祭で講演。
院長の赤木先生は、国保直進医師会の学術出部会の委員長を、ぼくの後、引き継いでくれた。
地域包括ケアの実践者でもある。
地域包括ケア研究所が自治医大で講演したときなど、赤木先生に下準備をしてもらった。
恩義のある先生だ。
とても遠いけれど、感謝の気持ちを込めて講演に行った。

|

2017年11月10日 (金)

熱い友情

京都で講演し、大阪な小さな書店で講演して、花巻空港へ飛んだ。
一関での文化講演会のためだ。
聴衆は約1200人。
なんと、陸前高田から6人、マイクロバスで聞きに来てくれた。
講演が終わって、ご飯をごちそうすることにした。
元酒蔵を使ったしゃれたところでの食事会となった。

Img_8174

陸前高田は、震災以降ずっと交流を深めて来た。
来年2月には、ボランティアで講演会をすることが決まっている。
震災から6年、熱い友情が結ばれている。

|

2017年11月 9日 (木)

街の書店で講演

大阪の隆祥館書店という本屋さんで、5回目の講演をした。
新刊『人間の値打ち』(集英社新書)発刊記念のトークライブだ。
50人くらいでいっぱいになる小さな会場での講演だが、
小さいところは小さいところなりに、お客さんの反応が直に伝わってきて、
話の内容をその都度変えたりしながら、楽しい時間を過ごした。

Img_1703

Img_1701

いま町の本屋さんはピンチ。
アマゾンが一人勝ちし、小さな本屋さんは苦戦を強いられている。
こういう地域の本屋さんを、できるだけ応援しようと思っている。

|

2017年11月 8日 (水)

実体伴う解決策の議論を

共同通信の取材を受け、以下のような鎌田實のコメントが配信された。

衆院選後の暮らし課題をどう考える
実体ともなう解決策の議論を
子どもの教育費と同じくらい高齢者の介護は大きな課題だが、今回の選挙ではあまり議論にならなかった。
財政再建が急務のなか、社会保障や高齢化にどう向き合うかは政治の役割であり、逃げてはならない。
介護離職ゼロの目標が言われて久しいが、実際には1年に10万人が介護を理由に仕事を辞めている。
介護難民の問題もある。
政府は地域包括ケアシステムを日本中につくるというが、人材をきちんと確保しないと解決にならない。
介護職はやり甲斐はあるが、ゆとりがないと心が疲れ、燃え尽きてしまう仕事。
賃金格差も依然起き、キャッチフレーズを躍らせるだけでなく、実体を伴った解決策の議論が必要だ。

|

2017年11月 7日 (火)

ジャズ「リンゴ追分」

先月、都内で、神野美伽さんの秋恒例のライブがあった。
来年はデビュー35周年ということで、来年1月には35周年記念アルバムを世界配信するそうだ。
世界的なジャズシンガー、ジャニス・シーゲルとのデュエット2曲が入っている。
そのひとつである「リンゴ追分」をライブで聞いたが、ぞくぞくするほどすばらしかった。

Flier_hc_fin_omote

11/22のチョコ募金キックオフイベントでは、
神野美伽さんがボランティアでミニコンサートをしてくれる。
楽しいイベントになるので、ぜひ、ご参加ください。
詳しくはこちら↓

|

2017年11月 6日 (月)

スースーの元気な絵

今年のチョコ募金のチョコ缶のイラストは、サブリーン通称スースーがかいてくれた。
スースーは白血病が完治した19歳の女の子。
絵は、まるでアニメの主人公みたいにかわいらしい。
でも、よく見ると、点滴がぶらさがっていたりして、小児がんの子どもたちのことをかいている。
今までの缶のイラストには、ちょっとないようなポップな作風だ。
いまスースーはJIM-NETのスタッフになって、
バスラの小児白血病病棟で子どもたちの「お姉さん」となり、相談にのるなど活躍している。

Flier_hc_fin_omote

11/22、チョコ募金キックオフイベント開催します。
ぜひ、ご参加ください。
詳しくはこちら↓

|

2017年11月 5日 (日)

おしらせ

手塚治虫の名作「ブラック・ジャック」に込められたメッセージを読み解く番組が放送されます。
鎌田實も、ゲストで出演します。

NHK BSプレミアム
アナザーストーリーズ 運命の分岐点
「手塚治虫 ブラック・ジャックからの伝言」
11月7日(火)午後9~10時

1973年「ブラック・ジャック」の連載が始まったとき、手塚治虫は壁がぶつかっていた。
世の中は劇画ブームで、手塚治虫は少し遅れていた感じがあった。
だが、この医療をテーマにした漫画の背景には、日本の医療のある重大事件があった。
68年、日本で初めて心臓移植が行われた。
まもなく、本当に適切な移植だったのか、疑問が起こる。
臓器提供した若者は本当に脳死状態だったのか証拠が残っていない。
提供を受けた患者も心筋症ではなく、弁膜症だった。
人工弁の弁置換術などで慢性心不全を治すことができた可能性がある。
そんな時代背景のなかで、ライセンスをもってない神の手をもつブラック・ジャックが登場する。
臓器移植の話よりも、患者のそばにいて勇気づけていくことの大切さなども語られていく。
「白い巨塔」のような医局というしがらみの世界から解放された自由な医者ブラック・ジャックが、最も大切なものは何かを問うていく。
やがて、この作品は大ヒットし、40年以上たった今も絶大な支持を受けている。
ぜひ、「アナザーストーリー」を見てください。

|

2017年11月 4日 (土)

高齢者を支える

湖山医療福祉グループに講演に行った。
このグループは20年ほど前、諏訪中央病院で半年間、職員が一週間程度、研修に来ている。
病院の近くにアパートを借りて、毎週2、3人が研究に来た。
民間の医療福祉グループが熱心だなと感心していたが、
その後、大きな発展を遂げている。
経営する施設は17都道県、職員は9000人。
年間利用者数は延380万人、ベッド数は7725床。
全国各地で高齢者施設や療養病床を経営している。
小規模多機能居宅介護は42、老健14、特養26、グループホームは63、デイサービスは100。
職員が明るいのがいい。
経営が成り立っていないと、中央本部から厳しい指導が入るが、
経営が成り立っていると自由に勉強にいったり、地域でイベントができるという。

Img_8127

これはグループ代表の湖山泰成さんの人格が大いに影響していると思う。
湖山さんは、100床の銀座菊池病院を、クリニックに転換した。
みんなが大きくなろとするときに、ダウンサイジングして成功。
その後、経営を多角化し、全国に展開していった。
いろんなイベントに前向きで、地域と一体となる、職員が明るく元気、というのは、
諏訪中央病院で学んだと言ってくれた。

|

2017年11月 3日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(357)

「はじまりの街」
人生は「はじまり」であふれている。
生きていると絶望に出合うこともある。
そんなときは次の「はじまり」があることをつい忘れてしまう。
取り返しのつかないような過ちでも、死にたいほどの絶望でも
壊すこともできない分厚い壁でも
飛び越えることができない見えないほど高い壁でも
それでも「はじまる」はあることを思わせてれる映画だ。

北イタリアのトリノ。
秋が深まっている美しい町。
そんなまちに、夫からDVを受ける妻とその暴力を見せられる少年が逃げてくる。

Photo

岩波ホールで上映中。

|

2017年11月 2日 (木)

11/22チョコ募金キックオフコンサート

今年もチョコ募金が始まります。
日ごろからJIM-NETを応援して下さっている神野美伽さん(演歌歌手)、
湯川れい子さん(音楽評論家)、斉藤とも子さん(女優)をお迎えし、
鎌田實と佐藤真紀事務局長とともに平和への願いと祈りを込めた音楽とトークの集いを開催いたします。
以前、チョコ募金をたくさん買い求めてくださる方がいて、
どうも神野美伽さんらしいということがわかり、事務所に電話をしました。
すると、偶然、神野さんがおられた。
作詞家の湯川れい子さんから「チョコ募金というすてきなチョコレートがある」と言われ、
応援してくださっていたことがわかりました。
そのとき、「何でも応援します」と言っていただき、
何度か陸前高田などの被災地に一緒に行っていただきました。
こういう場はたいてい女性のほうが多いのですが、
神野美伽さんの歌を聞きに、漁師のおじさんたちが集まり、2000人のホールにいっぱいに。
なかには、踊りだす人もいて大盛り上がりでした。
今回のチョコ募金キックオフ チャリティトーク&コンサートでは、
癌で亡くなったイラクの少女・サブリーンの絵をデザインした着物を作り、ステージで歌ってくださいます!!
京都の絵師に描いてもらって、染め上げたものということです。
湯川れい子さんもトークショーをしてくださいます。
司会は、女優の斉藤とも子さんです。
ぜひ、みなさまのお申込をお待ちしております。

Flier_hc_fin_omote

チョコ募金2018キックオフ
「HAPPYチョコレート」
チャリティトーク&コンサート
◆日時:2017年11月22日(水)19:00開演(開場:18:30)
 ※終演は20:45を予定しております。
◆会場:牛込箪笥ホール(東京都新宿区箪笥町15番地)
 
    都営地下鉄大江戸線 「牛込神楽坂」A1出口より徒歩3分
    東京メトロ東西線「神楽坂」2番出口より徒歩10分
◆入場料:大人2,000円(前売券)/2,500円(当日券)、小中高生1,000円、幼児 無料
    ※全席指定となります。お早めにお申込ください。
       前売券(大人のみ)はクレジットカード決済にてこちらからお申込いただけます。
◆お申込・お問い合わせ:(TEL) 03-6228-0746 / (e-mail) info-jim@jim-net.net
◆主催:特定非営利活動法人 日本イラク医療支援ネットワーク

|

2017年11月 1日 (水)

青森を健康に

青森市は、悪いほうから数えて全国4位という「不健康市」。
この汚名返上を目指して、42歳の若い市長さんらが健康づくりをはじめた。
この日も1700人の人が台風にもかかわりず集まり、盛り上がった。
青森県は脳梗塞1位、がん死亡率1位、糖尿病が2位
塩分摂取量が日本1、カップ麺の摂取量が1位 喫煙率1位。
この県を健康県に変えたいと思って、4年通っている。
3か月前からは東奥日報で連載も始めた。

Img_8166 青森市のショッカイさんと健康づくりリーダーであるヘルスボランティアたち、小野寺・青森市長と記念写真

今回は津軽三味線の山上進さんに演奏してもらいながら、
父・岩次郎の話を久しぶりにした。
岩次郎は青森出身だったこともあり、青森とは縁があると話した。
なんとか青森を健康県にしたいと思っている。

|

« 2017年10月 | トップページ | 2017年12月 »