アハメド君のメッセージ
イスラエルとパレスチナの間で、、憎しみを超えた心臓移植が行われた。
イスラエル兵に撃ち殺されたパレスチナの12歳の少年アハメド君。
父親は、その心臓の提供に承諾した。
アハメド君の心臓は、イスラエルの重い心筋症の少女サマハさんに移植された。
ぼくは、その物語を「アハメドくんのいのちのリレー」(集英社)という本にかいた。
2011年のことだ。
写真の左端にいるのが、心臓を提供した少年の父親。
その心臓を移植した当時12歳の少女サマハさんは、ぼくがプレゼントした浴衣を着ている。
隣にいる妹は、同じ心筋症を患っており、この少女は亡くなった。
国連パレスチナ難民救済事業機関(URNWA)の清田さんに協力をいただき、「アハメドくんのいのちのリレー」の印税で、ユダヤ人が読めるようにヘブライ語版、パレスチナ人が読めるようにアラビア語版、そして英語版を作った。
ぼくは、この3種類の本をもって、パレスチナ西岸やガザ、イスラエルを訪ね、無料で配りながら、読書会をした。
パレスチナの平和のきっかけにしてほしい、と思ったからである。
パレスチナの平和のきっかけにしてほしい、と思ったからである。
多くの地域では「これはいい本だ、これがパレスチナとイスラエルを平和にする」と称賛されたが、ベツレヘムの若者たちは激しい怒りを表した。
「イスラエルは、パレスチナ人の居住地を奪っただけでなく、
毎年毎年、侵略し、周囲を高い塀で囲って、いい暮らしをしている。
一方、自分たちパレスチナ人は仕事もなく厳しい生活が続いている。
これが平等にならないかぎり、パレスチナに平和はやってこない」と述べていた。
トランプがエルサレムを首都に認定すると言い出したことで、
パレスチナでは激しいデモが続いている。
キリスト誕生の地とされるベツレヘムでも、デモが行われていると聞き、
読書会で怒りを表した若者のことを思い出した。
もともと9割近い西側のエルサレムは、ほとんどイスラエルがコントロールしていたが、東エルサレムはパレスチナ人たちが市場をつくり、生活していた。
もともと9割近い西側のエルサレムは、ほとんどイスラエルがコントロールしていたが、東エルサレムはパレスチナ人たちが市場をつくり、生活していた。
そこも一気にイスラエル化していこうと考えているようだ。
激しい暴動が起こらなければいいと思っている。
穏やかな形で、少しずつ平和をすすめていく必要がある。
今こそ「アハメドくんのいのちのリレー」を読んでもらい、アハメド君のメッセージを受け取ってもらいたいと思う。
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