新しい挑戦2
昨年12月、北海道の中士別で講演した後、養老牛温泉に泊まった。
すごくいい温泉だった。
川沿いの露天風呂に入りながら、ぼうっと雪を眺めていると、いろんな思いが去来する。
一昨年、地域包括ケア研究所をつくり、昨年は北海道の十勝地方の本別町などに毎月、通ってきた。
芽室や中士別などいろいろな地域から健康づくりや地域包括ケアづくりの講演を頼まれている。
十勝の国保病院が医師不足で大変ということで、
これから3年かけて応援できないか検討しているところだ。
地域包括ケア研究所では、東京の町田市にある70床の南多摩整形外科病院を買い取って、運営を始めた。
地域包括ケアの一つのモデルをつくりたいと思っている。
金先生が院長を引き受けてくれた。
もともと脳性麻痺の患者の特別な整形外科の手術をするために、国内だけでなく世界からも患者がやってくる病院だった。
主に九州医大の医師たちが来ていたが、引き継ぐことができず、廃院を余儀なくされていた。
しかし、職員は熱い気持ちをもっており、新しいスタイルで病院を存続したいと考えていたようだ。
ぼくが初めてこの病院を訪ねたときには、拍手で迎えてくれた。
そして、開院して初めて、金院長と2人で、地域の人たちを招待して講演会を開くと、
入りきれないほどの人が来てくれた。
金先生は鳥取大学医学部を卒業し、九州大学の外科で研鑽を積み、肝臓移植の専門医になった。
一時、韓国の大学の医学部で教授を務め、日本に戻ってきた。
ぼくたちは三顧の礼で、新病院の院長として迎えた。
あたたかな優れた医師で、教育力もある。
この金先生を中心に、地域包括ケアを行うために「まちだ丘の上病院」と名前を変え、新しいスタートを切った。
新しい挑戦だ。
新しい挑戦だ。
病院が軌道に乗るまでは赤字が続くので、しばらくは借金を背負うことになるが、
何とか職員の希望を叶え、地域の人の役に立つ病院をつくろうと思っている。
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