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2018年3月24日 (土)

鎌田實の一日一冊(327)

「10万個の子宮」(村中璃子著、平凡社)
科学誌ネイチャーが主催するジョン・マドックス賞受賞。
副題の「あの激しいけいれんは子宮頸がんワクチンの副反応なのか」の通り、
子宮頸がんワクチン問題に鋭く切り込んだノンフィクションだ。
著者は、北海道大学医学部を卒業した現役の医師で、ジャーナリスト。
子宮頸がんワクチンを受けた少女たちに、けいれんや記憶力の低下などの症状が起こったとされたが、それは本当にワクチンが原因なのか、一つひとつ洗い直していく。
「けいれん」「漢字が書けなくなった」「記憶力が落ちた」というのは、ワクチン実施の以前からあった若い女性特有の症状なのではないか。

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「予防接種嫌い」は常にいる。
本人が受けるか受けないかを判断するのはいいが、
エビデンスのない理由をこじつけて、ワクチンそのものの普及を阻むのは問題というのが著者の考えのようだ。
子宮頸がんワクチンは今も見合わせが継続されたまま。
毎年、多くの人が子宮頸がんを発症し、年間3000人が亡くなっている。
子宮摘出者も多い。
パンチ力の強い科学ノンフィクションである。

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