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2018年4月

2018年4月20日 (金)

鎌田劇場へようこそ!(376)

「ロンドン、人生はじめます」
ダイアン・キートンとプレンダン・グリーソンのからみがなかなかステキ。
ロンドン郊外の公園に、自然な生き方が好きなホームレスが住み着く。
自然のまま生きていたら、いろんな人が応援してくれ、13年住んでいた場所の所有権をもつことができ、一夜にして資産家になった。

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イギリスであった奇蹟の実話。
人間がより自由に生きていくとはどういうことか、何となく考えさせてくれる楽しい映画だ。

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2018年4月19日 (木)

命と使命

永田英司を支える会とニューミレニアムネットワークが主催する「凛として在りたい」というイベントで、講演した。
恩師・三木成夫が教えてくれた生命進化の38億年の命のバトンタッチ、なぜ人間が生まれてきたのか、心が熱くなる一人ひとりの役割、使命とは何か、自由に話をさせてもらった。

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永田僧侶の日本画に囲まれながら、宮大工や桜守、学者、詩人、演奏家などさまざまな人たちが講演。
それぞれのおもしろい立場で、「凛とした」生の在り方を表現した。
なんだかうれしい気持ちになった。

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2018年4月18日 (水)

台湾人が見た3.11

台湾のジャーナリスト姚巧梅(ようこうばい)さんから本が送られてきた。
「地獄是可以克服的」
日本人が、東日本大震災からどのように立ち上がろうとしてきたか、被災地を回り取材したものだ。
南相馬に住み、本屋さんをつくった芥川賞作家・柳美里さんや、絆診療所の遠藤先生らも登場する。

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台湾と日本のあたたかな関係、著者が大学時代、卒論のテーマにした現南相馬ゆかりの埴谷雄高のことなども書かれている。
台湾ではベストセラーになっているという。
日本語版が出るといいなと思った。

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2018年4月17日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(375)

「蝶の眠り」
アルツハイマー型認知症では、発症リスクを高める遺伝子が発見されている。
その一つが、アポリポ蛋白E4。
ただし、この遺伝子があってもすべての人が認知症を発症するわけではない。
運動したり野菜を食べたりしてメチル化を防げば、認知症にならない人がいる。
そんな科学的な話はさておき、とてもいい映画だ。
中山美穂主演。
監督はチョン・ジェウン。日韓合作。
売れっ子の女性作家が母親と同じ認知症におかされていることがわかる。
韓国からの留学生とともに、口述筆記で最後の小説を書いていく。
小説の世界とリアルな世界が交錯しながら進むストーリーは、透き通るように美しい。

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記憶は落ちていくが、すべてが落ちていくわけではない。
うれしいとか、悲しいとか、怖いとか、感情は残っていることが多い。
そして、最後に残るものは何なのか。
これは、認知症の映画ではなく、愛の映画である。
人生とは何か、生きるとは何かを考えさせてくれる。
タイトルの「蝶の眠り」という意味もわかってくる。
映像と音楽がなかなかしゃれている。

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2018年4月16日 (月)

クリスマスローズ

諏訪中央病院の庭には、クリスマスローズが咲いている。
花屋をしていた末期がんの患者さんが、病院に残してくれたものだ。
彼は、「人生悔いなし」といって、病棟で般若心経を読んでいた。

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この話を、週刊ポストの「ジタバタしない」に書いた。
この記事を、コラムニストで元朝日新聞の冨永格さんが取りあげてくれた。
「終末期の笑顔 鎌田實さんは「人生で大切なのは自由時間」と説く」

クリスマスローズは、入院患者さんやご家族、職員の目を楽しませている。

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2018年4月15日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(374)

「友罪」
「ロクヨン」の瀬々敬久監督の作品。
児童殺人事件を起こした少年Aと、中学時代、友だちの自殺を止められなかった自分。
無免許運転で3人の子どもを殺した息子をもつ父親。

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少年Aを医療少年院で支えるものの、自分の家族を殺してしまった母親。
だまされてAV女優になった女性。
罪を犯した者や間違いをした人間たちは、自分の罪や間違いにどう向き合えばいいのか。
5月25日からロードショー。

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2018年4月14日 (土)

鎌田實の一日一冊(333)

「みちのきち 私の一冊」(國學院大學ブックプロジェクト編、弘文堂)
学生時代にたくさんの本を読んでほしい、そして座右の書となる一冊に出会ってほしいという願いから発足した國學院大學「みちのきち」プロジェクト。
各界の著名人109人が、書き下ろしたブックガイドだ。

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ぼくは、若い人たちに読んでもらいたい一冊として「空気の研究」(山本七平著)を選んだ。
「みちのきち」とは不思議な言葉。
「道の基地」と考えてもいいし、「未知の既知」ともとらえられる。
読み進めていくと徐々に文字が小さくなり、文字量が多くなっていくのも不思議。
作家、ジャーナリスト、俳優、企業のトップ、歌手、学者、アスリートなど各界で活躍する人たちが、
どんな一冊をあげているか魅力的な本だ。

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2018年4月13日 (金)

お知らせ

明日14日の「ザ・ドキュメンタリー」(夜7時~8時45分、BS朝日)は、日野原重明先生を特集する。
「医師・日野原重明105歳 ~自分の死と向き合った最期の瞬間~」
音楽に造詣の深い日野原先生は、病棟で「おはようございます!」と患者さんに挨拶するときには、
「ド」の音ではなく、「ラ」の音で、と語っていた。
ラはオーケストラの音合わせの基準の音で、ドよりも明るい感じがする。
そんなエピソードを語りながら、105歳まで元気で生きた秘訣を、鎌田流に分析した。

Img_9402 例年より1週間早く咲いた諏訪中央病院の桜。ピンクが鮮やかだ

15日は、毎日新聞全国版での連載「さあこれからだ」
今回は、「死の哲学」について書いた。
以前からぼくは「自分の命は自分で決める」ことの大切さを強調してきたが、
自分の死と向き合う「死の哲学」は、自分の生を問い直すことができると思っている。
16日の「クローズアップ現代+」(夜10時から、NHK)にも、コメンテーターとして出演する。
この回は、働き方改革、特に、改革が難しい医師や教員の働き方について考える。
医師の働き方改革は下手をすると、医療崩壊や地域崩壊を招きかねないが、
医師が疲弊せず、成長していけるような改革は必要である。
ぜひ、チェックしてください。

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2018年4月12日 (木)

リビングウィル

日本尊厳死協会から「リビング・ウィル受容協力医師」という認定証が送られてきた。
ぼくは長年、医師として患者さんの死にかかわりながら、
治療の自己決定の大切さを痛感してきた。
「自分の命は自分で決める」ということを、外来や緩和ケア病棟はもちろん、講演や本などいろいろな機会で語ってきた。
死はだれにでもやってくる。
それは避けることができないが、死に方は選ぶことができる。
自分がどんな死に方をしたいのか考える第一歩は、胃瘻や人工呼吸器をつけるかどうか。

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先日、外来に北陸から来た85歳の悪性リンパ腫の男性が、セカンドオピニオンを求めに来た。
主治医から抗がん剤治療をすすめられているが、本人は「痛いことはもういやだ」「手術も抗がん剤治療も受けたくない」という。
付き添いの奥さんと息子さんも、本人の気持ちは理解していたが、本当に治療を受けなくてもいいのか迷っていた。
だが、外来で意思を確認し合うことができ、納得したようだ。
治療をするしないの選択も、あいまいなままするのではなく、きちんと自己決定することが大事なのだ。

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2018年4月11日 (水)

志ある若者たちを応援しています!

さだまさしさんが設立した風に立つライオン基金が、高校生ボランティア・アワード2018の開催費用の調達のためにクラウドファンディングに挑戦しています!
高校生ボランティア・アワードは、日本中で「誰かの役に立ちたい」という「志」を勇気を出して実際の活動に結びつけ、懸命に頑張っている高校生たちを応援するイベントです。
8月に東京国際フォーラムでイベントを開催するための費用の一部である1000万円を目指して挑戦しています。
志ある若者たちを、みんなで応援しませんか。
 
ぜひ、ページをご覧ください。

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2018年4月10日 (火)

忖度している場合じゃない

今頃になって南スーダンの日報だけでなく、イラクの日報も出て来た。
森友問題の決裁文書の改ざん。
働き方改革のずさんデータ。
異常に高い助成金を詐取したというスパコン詐欺、そして、加計問題・・・まっとうでないことが多すぎる。
外交だけはしっかりしていると思っていたら、
トランプは日本の要請をはねつけて、鉄鋼の関税適用を決めた。
金正恩の初訪中でも、中国は韓国とアメリカだけに連絡をとった。
アメリカも日本には情報を流してくれていない。
国内でくだらない忖度をしあっている間に、蚊帳の外に出されてしまっている。

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そんななかで昨年11月末に出した『忖度バカ』(小学館新書)が再び注目を集めているという。
日本人にしみついた「忖度という病」。
今こそ膿を出し切るべきだ。

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2018年4月 9日 (月)

自分の命は自分で決める

多死時代を迎えた今、年間に亡くなる人の数は136万人。
2040年には168万人にも達すると推測されている。
一人ひとりが納得した死を迎えるには、「自分の命は自分で決める」という意識が大事だ。
元気なうちに治療に関する意思表示をどのように考えるかを聞いたところ、
「今は考えていないが必要になったら意思表示したい」62%。
「すでに考えている」21%。

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意思表示の方法については、
「どのようにおこなえばいいのかわからない」15%
「すでにおこなった」という人は5.5%
「そのときの医師などの意見に従いたい」という人の割合は5.1%と少数だった。
こうしてみると、自分の死に主体的にかかわりたいという意識は高いようだ。
延命治療に対する自分の意思を書類に書いておくこと。
せめて家族に伝えておくようにしたいものだ。

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2018年4月 8日 (日)

若き日のカマタ

またまた古いNHKニュースを見ていたら、若いころの鎌田の姿を見たという人から、
連絡をもらった。
その人いわく「ワイルドな鎌田」というのは、ぼくが副院長をしていたころのものだ。
今のままの医療でいいのか、どんな医療の形が必要なのか、必死に考えていた。
このころのぼくの顔を、親友の原田泰治さんは「逆さまにしても同じ」と言う。

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そんなバカなと思っていたが、
やってみると本当だった。

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笑ってください。

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2018年4月 7日 (土)

鎌田實の一日一冊(332)

「酒の渚」(さだまさし著、幻冬舎)
さだまさしさんの新しい本。
あっという間に読み切った。
名酒とすてきな酒場、魅力ある人たちが登場する。
読み切って感じたことは、さだまさしのすごさ。
日本中をコンサートをしてあるくと、そこには行きつけの酒場があり、
さだまさしが来ているということで人々が集まってくる。
ときには朝方まで飲むことも。
名曲「風に立つライオン」はこうやってできたのだということがよくわかった。

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それにしても、次々に新しい歌をつくり、小説を書き、エッセイ集を出し、連載を抱え、
その合間に「風に立つライオン基金」のボランティア活動に飛んでいく。
「カマタはよくやるな」とよく言われるが、さだまさしには負けたと思った。

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2018年4月 6日 (金)

鎌田實の一日一冊(331)

「さよならのかたち」(浅沼絵美著、文芸社)
著者は、地域包括ケア研究所の仲間。
2003年、がん性疼痛看護認定看護師となり、がん看護に携わっている。
この本はあたたかい。
人生の最期が、明るく豊かになることで、その人の人生の価値を再確認することができる。
ぼくたちのの目指している地域包括ケアは、在宅医療を充実させることだけでなく、
地域での看取りも大きな柱になっている。
浅沼さんがかかわった13人の看取りのかたちを、日本中に広めるのがぼくたちの目標だ。

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浅沼さんは今、地域包括ケアのメインメンバーとなって、十勝の本別の病院とまちだ丘の上病院にかかわってもらい、看護や介護にとって働きやすい職場づくりのための相談役をしてもらっている。
まちだ丘の上病院は入院患者が25人だったが、65人に増えた。
地域にジョジョに知れ渡るようになってきた。
東京や神奈川で療養型病院を探しているケースワーカーの方は、ぜひご相談ください。

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2018年4月 5日 (木)

鎌田實の一日一冊(330)

「自力でいどみ、他力にたより 車いす巡礼・可能性への挑戦」(滝口仲秋著、本の泉社)
車いすの人がどんな準備をすれば巡礼の旅ができるか、具体的に書かれている。
だが、この本は実用の書にとどまらない。
著者は、巡礼をしながら大切なものに気づいていく。
これが巡礼の魅力なんだと思う。

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著者のことはよく知っている。
何度も障害者の旅でご一緒した聡明な方だ。
これまでも何冊も本を書いている。
脊髄腫瘍で手術し、命はとりとめたが脊髄損傷となった。
それでも病気にも障害にも負けないで、常に前向きに生きているところがすごい。
滝口さんは煩悩を少しずつ減らし、真理に近づいていこうとする。
タイトルがいい。
自力で挑みながら、弘法大師に身を任せ他力で生きていくことの大切さに気づいてく。
滝口さんの生き方を通して、空海の教えにも触れることができる。

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2018年4月 4日 (水)

鎌田實の一日一冊(329)

「貧困クライシス 国民総「最底辺」社会」(藤田孝典著、毎日新聞出版)
「下流老人」の問題を世に問うた著者が、全世代に広がる貧困について警鐘を鳴らしている。
「下流」で貧困に陥る高学歴。
非正規のまま40代を迎える1000万人。
下流老人が増え続ける理由。
貧困が貧困を生む衝撃の現実が見えてくる。

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「反福祉論-新時代のセーフティーネットを求めて」(金菱清、大澤史伸著、ちくま新書)
福祉は財政的に限界に達している。
そんななかで貧困クライシスをどう乗り切るか。
使いづらく、ひ弱な公助に頼らず、だれもが生きやすい社会を模索する動きが始まっている。

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いまある福祉制度から漏れている人たちをどう救うか、重要な問題である。

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2018年4月 3日 (火)

若者たちに伝えたい

ぼくの本はよく入試問題に使われるが、
今年も鹿児島県公立高校の国語の入試問題に「人間の値打ち」(集英社)が使われた。

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いま、「10代の君たちへ」(仮題)という本を理論社で出すために、原稿を書き始めている。
若い世代に伝えたいことがあり、
若者に向けた本を書いたり、年間10校ほど小中学校に出向いて「命の授業」をしている。

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2018年4月 2日 (月)

日刊スポーツ連載開始

日刊スポーツで、鎌田の「人生100年時代をどう生きるか」という連載が始まりました。
33回、毎日連載します。
ぼくは糖尿病の遺伝傾向がありますが、糖尿病にならないような生活を心がけています。
遺伝的要因というのは決定的なものではなく、生活習慣や環境で変えることができるのです。
遺伝や宿命に負けないで、人生を楽しみながらPPK(ピンピンコロリ)を実現していくこと。
そのためのコツを紹介していきます。
また、やる気にかかわるドーパミンや、男性ホルモンのテストステロンの大事さについても書いています。
人生をチャレンジングにするテストステロンは、男性の10分の1くらいの量ですが、女性も持っています。

Img_9178_2 日刊スポーツ「人生100年時代をどう生きるか」連載スタート

命のリテラシーについても書きました。
だれもが使命をもって生れて来たとすれば、その使命とは何かを考えてもらうきっかけにしてほしいと思います。
「死」の哲学をもっていることも大切です。
「死」を考えることは、逆に「生」が生き生きと強くなっていきます。
そんな健康、命、人生を豊かにする連載の始まりです。
『だまされない』(KADOKAWA)の読者プレゼントもあります。
ぜひ、日刊スポーツをお読みください。

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よりそいホットライン

一般社団法人社会的包摂サポートセンターの「よりそいホットライン」の評価委員を6年間続けてきた。
よりそいホットラインは、国の寄り添い型相談支援事業。
自殺者の減少には、こうした社会的な取り込みが影響していると思う。
自殺者数は、平成15年の3万4427人をピークに、平成29年で2万1321人に減少した。
しかし、まだまだ日本は先進国のなかで自殺の多い国である。

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よりそいホットラインには、昨年4月から今年1月末までの10か月で854万件の電話がかかっている。
7人に1人が、「自殺したい」という気持ちを聞いてほしいと思っている。
「居場所がない」「生きづらい」と思っている人たちが多いということだ。
「相談できる人がいない」が6割、「仕事がない人」が6割、何らかの疾病を抱えている人も多い。
どんな悩みでも、電話をすると専門家へつながることができる。
仲の悪い両親のもとで暮らす20代の女性は、家に居場所がない。
遠距離恋愛の彼氏に会うために100万円近い借金をしてしまった。
彼氏からも生き方や性格を変えろといわれ、どこにもほっとするところがない。
別の例では、兄弟たちから「ブス」と言われ、家族から「死ね」とも言われ、自尊感情が持てないという人もいる。
一人でいくつもの悩みを持っている人たちもいる。
その人たちに前を向いてもらって、生きるきっかけを掴んでもらうにはどうしたらいいか。
一本の電話のつながりは、まさに命綱である。
よりそいホットライン
24時間通話無料
0120-279-338(フリーダイヤル・つなぐ・ささえる)

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2018年4月 1日 (日)

鎌田實の一日一冊(328)

「カンボジア孤児院ビジネス」(岩下明日香著、潮出版)
潮アジア・太平洋ノンフィクション賞を受賞した力作。
孤児院ツーリズムの実態を描く。
多くの日本人が訪れているカンボジアの孤児院。

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子どもたちは観光客のために哀れな子どもを演じさらせれ、寄付を引き出す。
ボランティアと称した観光客が、孤児院の子どもと観光に行ったりもする。
なかには、性的虐待がおこなわれたり、寄付者に売春に近いあっせんをしていたりする。
先進国と途上国、富者と貧者、大人と子ども、その間にある闇と溝を描き出すことに挑んだ。

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