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2018年7月11日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(388)

「母という名の女」
ミシェル・フランコ監督。
メキシコの映画だ。
カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞作。
「母」という言葉には、いつも「海」のように大きな器を感じる。
その一方で、「母という病」や「母源病」という側面が語られるようになった。
母はいつも大きな愛をもつパーフェクトな存在だと考えがちだが、
「海」だって寛容な海と、人を拒絶する激しい嵐のときもある。
津波のようにすべてを破壊することもある。

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この映画は、人間の心のなかを暴いていく。
傑作ミステリーだ。
17歳の娘が出産する。
母親として娘を助けていくうちに、嫉妬や欲望が生まれてくる。
「母」が「女」に変身していくのだ。
フランコ監督は、「母」と「女」の両方をまだら状にもつ生身の人間を映し出していく。
別れた夫に「娘を助けて」といいに行くが、冷たくあしらわれる。
その夫と同じように、自分も冷たい母になっていく。
人間という生きものがいかに厄介なものかわかる映画だ。

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