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2018年9月21日 (金)

樹木希林的生き方③生きていく意味

2004年12月、タイで撮影する映画の話があった。
その撮影の後、孫たちを連れてタイのプーケットでリフレッシュしようと考えていた。
しかし、乳がんが見つかったので、旅行を取りやめ、年明けに手術をしよう決めた。
そうしたら、12月26日、スマトラ沖大地震で大津波が起きた。
「がんがわかってなかったら、自分はどうでもいいが、孫の命も危なかったかもしれない。
がんが見つかってよかった」
樹木希林さんは笑いながら言った。

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乳房の全摘手術をするか、温存療法にするか主治医に聞かれた。
彼女は「どちらが手術がしやすいですか」と聞き返したという。
「全摘のほうがやりやすい」と言われると、「じゃあ、そうしてください」
技術的なことに関しては、あっけらかんとしている。
心の問題、哲学的な問題に関してはけっこうこだわりがある。
「私は手術を体験して生きていく意味を考えた。
がんがなかったら、私自身がつまらなく生きて、つまらなく死んでいったでしょう。
そこそこの人生で終わった。そうならなかったと確信がもてるくらい、迫力のある病気でした」
がんとの距離の取り方は、とても見事なものだ。

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