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2018年12月11日 (火)

今年も金時みかん

四国から金時みかんが送られてきた。
すぐに犬養兵衛さんからだと思った。
見るだけでも美しい、おいしいみかんは、犬養さんが毎年送ってくれていた。

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1987年、朝日新聞阪神支局が、目だし帽の男に銃撃された。
1人の記者が亡くなり、犬養さんは200以上の散弾銃の弾を被弾した。
弾があと2㎜ずれていたら心臓に当たっていたという状況で、奇跡的に助かった。
右の第4指と第5指はこのとき失った。
その後、彼は復帰して、諏訪支局長として赴任した。
おそらく50発くらいの弾を体内に抱えたまま、記者として仕事をしていた。
ぼくの外来に通うようになり、つきあいが始まった。
教養のある人で、世の中のいろんな動きについて語り合った。
穏やかな人だった。
蓼科が気に入っていたが、年をとり、あたたかいところがいいといって、四国に帰っていった。
犬養さんは、今年1月亡くなったが、理不尽や不条理のなかで、必死にていねいに、やさしく一日一日を生きた。
今年はご家族が送ってくれた金時みかんを食べながら、犬養兵衛さんを思いたい。

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