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2019年5月

2019年5月31日 (金)

弘前で講演

最短命県脱出委員会の依頼で、弘前市で健康講演をしてきました。
青森は糖尿病が多く、子どもの肥満率もたいへん高く、がん全体も多い地域。
特に胃がんは多い県になっています。
今回は、弘前大学副学長で脳の病理を研究している若林教授が、認知症について、脳の細胞や大脳皮質のスライドをふんだんに見せてくれながら、認知症ではどういう脳の変化があるのかをわかりやすく教えてくれました。

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講演の後、若林先生に質問しました。
「アルツハイマー病は慢性炎症が一つのきっかけになると言い切っていいでしょうか」
若林先生は、間違いなくそうだ、と答えました。
「慢性炎症を防ぐためには、運動と野菜が大事と言っていいでしょうか」
この質問にも、その通り、とお墨付きをもらいました。
これまで、野菜をたくさん食べて、運動して、貯筋をしようと呼び掛けてきましたが、
さらに自信をもって話すことができます。

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青森では、さまざまな取り組みがされており、健康な県へと少しずつ改善してきています。
保育園や幼稚園の子どもにも野菜の大切さを教えるようになりました。
中年の死亡率も改善してきています。
近い将来、青森は「最短命県」からきっと脱出していくことでしょう。

最短命県脱出委員会は、青森県でいちばんのドラッグチェーン、ハッピードラッグの桜井社長が中心になっている取り組みです。
ぼくは5年前から毎年、青森に講演に来ています。
桜井社長とはとても気が合って、友だちのようになりました。
この人が夢をもって、青森を健康にしようと思っているかぎり、通い続けようと思っています。
来月は、八戸に行く予定です。

 

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2019年5月30日 (木)

スタッフ増員

JIM-NETハウスの現地の責任者である斉藤君から毎日、連絡が入ります。
先日の連絡では、ナナカリ病院から、国内避難民の子どもの治療を開始したいのでファミリールームを使わせてほしいという依頼があったそうです。
当初、3週間後に宿泊者を迎える予定でしたが、現地スタッフも病院の依頼に対応するためにあわただしく動き出しています。
現在、現地スタッフはイラク人5人、シリア人1人ですが、夜間のパートを2人雇うことに決めました。

さっそく、JIM-NETハウスの役割が求められています。

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5/25の信濃毎日新聞に、JIM-NETハウスのことが大きく取り上げられました。

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2019年5月29日 (水)

お知らせ

久しぶりに「大竹まことゴールデンラジオ!」(文化放送)に出演します。
イラクに行ってきたこと、新刊の『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)、骨活、筋活、脳活、たん活などについて話します。
鎌田の出演は、14時25分から。
ぜひ、聞いてください。

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2019年5月28日 (火)

令和初のほろ酔い勉強会

諏訪中央病院で、ほろ酔い勉強会が開かれました。
鎌田は、健康増進やフレイル予防の話をし、スクワットやかかと落としを実演しました。
茅野市では、福祉21茅野で「子ども・フレイル・認知症で町をつくる」(案)というスローガンをもとに、子どもを大切にしながら、フレイルや認知症を予防し、弱い人がいきいきとできるように、その人たちの声を反映したまちづくりをしていこう計画を立てています。
その話も受けて、たん活や筋活の大切さ、社会的フレイルにならないことが身体的フレイルの予防になる、などの話をしました。

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その後は、新任の耳鼻咽喉科部長、増山先生が「のど、鼻、耳の老化」について語ってくれました。
増山先生は、山梨大学医学部教授で、年間400例のがんの手術など最先端医療から、アレルギー性鼻炎や睡眠時無呼吸症候群など幅広い分野を得意にしています。

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その先生が、口腔フレイルの予防についてわかりやすく教えてくれました。
山梨大学医学部の学生らが選んだベストティーチャーというだけあって、聴く人の心をつかみ、わかりやすく話すのはお手の物。
講堂には150人近くが集まり、とてもいい話を聞けた、と喜んで帰っていきました。

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2019年5月27日 (月)

口から食べる喜び

まちだ丘の上病院の回診をするようになり、
患者さんたちの奇跡的な回復を時々目にするようになりました。
この方も、寝たきりで胃瘻が置かれた状態で入院してきました。
看護や介護のスタッフ、理学療法室のPT、ST、栄養士らがかかわるようになり、
胃瘻を使わずに口から食事がとれるようになりました。
本人も、とても喜んでいます。

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胃瘻を置くときには、手間がかかるという理由で安易に置かれていないか、
ほかに方法がないのか、慎重に検討する必要があります。

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2019年5月26日 (日)

新刊発売

『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(鎌田實著、集英社)

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長年、健康づくりをテーマにした講演会を続けてきたなかで、
「スクワット」と「かかと落とし」を紹介し、実演してきました。
3年前、体重が80キロまで増え(身長は171センチ)、同時に体力の衰えを感じるようになったことをきっかけに、
ぼく自身も「スクワット」と「かかと落とし」を毎日ていねいに行うように心がけたところ、
3年たって、体重は9キロ減、ウエストは9センチ減。改めて、効果を実感しました。
さらに、血糖値や血圧、コレステロール値などが正常になったのです。
毎日続ける中で、より効果的に筋肉に刺激を与えるように工夫を加えた、鎌田式の「スクワット」と「かかと落とし」を考案。
70歳の今、以前よりも太りにくく、疲れにくい体になりました。

Img_2763t 新刊の新聞広告

健康づくりのお供に、ぜひ、お読みください。

 

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2019年5月25日 (土)

鎌田實の一日一冊(349)

「100年未来の家族へ ぼくらがつくる“弁当の日”5.7.5」(竹下和男著・写真、宝肖和美写真、自然食通信社


著者の竹下先生とは何度もお会いしたことがある。
元校長先生で、「弁当の日」というのをつくり、食の大事さや作る人、食べる人の身になることの大切さを教えてきた。
その弁当の日は全国に広がった。
本書は、18年間撮りためた写真と子どもたちの残した言葉からすくいあげた川柳で構成している。

竹下先生の言葉はやさしくて、あたたかい。
目玉焼きがごはんの上にのっているだけの弁当に添えられた川柳は、
「自立度にあふれたおかずのある弁当」
病弱だったぼくの母がよく作ってくれた、ごはんの上にコロッケが一個のっているだけの弁当を思い出した。
この人の置かれた状況で、精いっぱい作っている弁当だと感じた。

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肉、ナス、玉ねぎの焦がしすぎた焼肉弁当には
「失敗する権利、子どもにあるのです」とある。
いいなあと思う。
これこそ教育なんだと思った。

弁当の日に、みんなの弁当を並べて撮った写真には
「並べたらみんなちがってみんないい」
弁当づくりを通して発見すること、成長することのなんと多いことか。
子どもたちにとって初めての弁当づくりの日は、革命の日だと思った。

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2019年5月24日 (金)

鎌田實の一日一冊(348)

「お別れホスピタル2」(沖田×華、小学館)

週刊スピリッツに連載中のコミックの第2巻。
主人公は、がんの患者さんだけでなく、老衰に近い人もいる終末期病棟で働く若い看護師。
一話読み切りの物語だ。
その中のひとつ、若い主人公の担当患者が飛び降り自殺をしてしまう。
大きなショックを受けた彼女は、自分の人生や仕事を見つめ直しながら、拒食症で自傷行為を繰り返している妹のことも考える。

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命とは何か。
最近、『DEATH 「死」とは何か』(文響社)とい本を読んだ。
イェール大学で道徳哲学を教える著者は、自殺について哲学的に、倫理的に、道徳的に分析していく。
多くのページは自殺に対して否定的な論調だが、ときには同意せざるを得ないときがあるとしている。
日本人は死についてあいまいだというが、この「お別れホスピタル」は死について考えるきっかけをくれると思う。

頼まれて帯を書きました。
「躓き、絶望、死を語っているのに、面白くて、優しくて、深くて、切なくて、泣けてくる、不思議な物語」

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2019年5月23日 (木)

行動変容は一歩ずつ

JIM-NETの現地スタッフのバンさんの家庭に、モスルからの国内避難民の人たちが集まりました。
この人たちはクリスチャンのため、ISがいた時期にはかなりの迫害を受けました。
そのためもあって、チームワークがとてもよく、明るく、みんなで助け合おうとしています。
ぼくは難民キャンプでヘルスプロモーションの話をしていますが、
この人たちにも健康と食の話をしてほしいということで、バンさんの家庭で小さな集まりを持ったのです。

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1時間ほど、パワーポイントを使って、健康の話をしました。
食事は野菜たっぷりで、たんぱく質が大事、という話です。
その後、バンさんと打ち合わせをして作ってもらった野菜たっぷりの料理を、実際に食べてもらいました。
イラクの料理は油を多く使うので、油をどれだけ減らせるか。
どうやって減塩するか、が大きなポイントになってきます。

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そして、日本の講演でもやっているように、みんなでスクワットやかかと落としをやってみました。
みんな話の内容に納得したようで、ぼくも大満足です。
しかし、最後に、ショックで絶句してまう出来事が。
終わって別室に集まると、そこには大量のスイーツがあり、これを食べきってしまったのです。
基本的にお酒を飲まない国なので、甘党が多いのです。
この日も各自体重を測りましたが、女性でも80㎏以上でBMIが30を超えている人が何人もいました。
でも、あきらめてはいけません。
ぼくのレクチャーを受けた32人のうち28人で、大きな効果が出ています。
バンさんの娘さんは12キロ痩せました。

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「太って当たり前」という意識を変えることから始まります。
これから、イラクでヘルスプロモーションが根ざし、
イラクでもスクワットやかかと落としのブームがやってくると面白いと思いました。

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2019年5月22日 (水)

ケーキでお祝い

ボランティアをしている若い女性たちに、一緒に写真を撮ってほしいといわれました。
JIM-NETハウスのような場ができると、ますますボランティア活動をしやすくなる、と言っていました。
地元のNPOとつながりながら、JIM-NETハウスが有効に使われるといいと思っています。

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イラクでは、甘いものがよく食べられます。
JIM-NETハウスのオープンを記念して、特注で美しいケーキを作ってもらいました。
子どもも女性も、そして男性もケーキ大好きです。
白血病の子どもたちとその親御さんたちが集まって、JIM-NETハウスのオープンを祝いました。

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イラクの料理は鶏肉と羊が多いのですが、基本的に野菜がたっぷりです。
今後は、日本食のいい点を取り入れて、ヘルスプロモーションをしたいと思っています。

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2019年5月21日 (火)

トヨタ、ニッサン、あたたかい人柄

赤いドレスの女の子は、シリアから来ました。
急性リンパ性白血病で治療を続けていましたが、今は寛解状態になりました。
親御さんも、ひと安心というところです。
JIM-NETハウスのオープニングセレモニーで、女の子のお父さんがぼくのところにあいさつにやってきました。
親子は、シリアが戦乱状態になり、家族で逃げてきました。
その途中で、娘さんが白血病であることがわかったのです。
「苦しく、絶望の時間が長く続きました。
でも、たくさんの人たちに支えられて今日まで生きてこられました」とお父さん。

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これからは、生活費を抑えるためダラシャクランの難民キャンプへ移るといいます。
そこからナナカリ病院に通い、抗がん剤治療などを受けるときには、
JIM-NETハウスを利用できれば安心して治療を受けることができる、といいます。
そして、お父さんは、ぼくの手を握り、こう言いました。
「日本のことで知っているのは、トヨタとニッサンでした。
でも、もう一つある。あたたかな人柄、これがいちばんです」
うれしい言葉です。

Img_2570 急性リンパ性白血病が寛解状態になった男の子

15年JIM-NETで活動してきて、日本の人たちからたくさんの支援があり、ここまで来ることができました。
その支えがあるからこそ、日本政府もJIM-NETハウスの事業に補助をくださったのだと思います。
かかわってくれた多くの人たちに心から感謝したいと思います。
そして、これからもご支援をお願いいたします。

JIM-NETへの寄付はこちら↓

https://www.jim-net.org/donate/

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2019年5月20日 (月)

ご挨拶

JIM-NETハウスのオープニングセレモニーで、鎌田は次のように挨拶しました。

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本日は、イラク政府高官、県知事、日本政府関係者、アルビル保健局、医療関係者、ポランティアの皆様他、たくさんの方々にご列席頂き、心から感謝いたします。
 JIM-NETは、イラクの病気の子ども達や、戦争に傷ついた子ども達を助けたいと思い、15年間、日本で募金活動をしながら、アルビル、バグダッド、モスル、バスラの小児病院へ、抗がん剤や診断機器などを支援してきました。
その中で、病気を抱えた子ども達とその家族の大変さを目の当たりにしてきました。
遠隔地からこのナナカリ病院へ通う子どもと家族の「家」があったらいいと考え、まずはモーテルを2部屋借り、白血病や小児がんの子どもとその家族が無償で使えるようにしました。
イラクではまだまだ数少ないケースワーカーの研修ができるフィールドがあったらいいと考え、治療や生活の相談ができる事務所を作りました。小さいながらプレイルームも備え、宿泊施設と、遊びや勉強の場を提供することで、がんサバイバーの子ども達やその家族を、精神的にも支えてあげたいと考えてきました。
このたび日本政府から多大な理解と協力を得て、総事業費約5,700万円の後押しをして頂き、「JIM-NETハウス」が完成しました。
より多くの子ども達が、家族とともに過ごしながら、治療し、学び、遊び、相談を受けることができるようになりました。
JIM-NETのスタッフはチョコ募金を通して、イラクの白血病の子どもたちの抗がん剤が買えるよう努力してきました。
毎年15万個程のチョコを売り、毎年数千万円の薬を支援してきました。
ざっと15万人の日本人が毎年賛同してくれていることになります。
たくさんの日本の仲間が、イラクの子どもを支えているのです。
今回このJIM-NETハウスが、イラクと日本、アルビルとJIM-NETの、「信頼」と「友情」の大きな懸け橋となり、さらに絆を深めていくことと信じています。
長い間のご支援・ご協力に、心より感謝申し上げます。

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Kurdish government officials,Erbil governors, Japanese government officials, DOH,Kurdistan save the children, medical staff, I’d like to thank you for coming to this opening ceremony today.

JIM-NET has been fundraising in Japan for 15 years to support children suffering from Childhood cancer and war and donated anticancer drug and diagnostic equipment. Through our activity, we have witnessed the difficulties of sick children and their families.
 We thought accommodation facility for cancer children and family could be a great help for families coming from distant place to Nanakaly Hospital to get treatment, so we rented two motel rooms and offered families having children with childhood cancer for free. We also built facility called JIM-NET house where these family could talk and consult about treatment for their children or their life. This facility has small playroom where kids can play and study, and it mentally help childhood cancer survivors and their families.
We received great understanding and support from Japanese government and also project cost of approximately about 34000USD, and the "JIM-NET House" was completed. From now on, more children can get not only treatment with their family but also learn, play and get consultation.
JIM-NET has been making effort to buy anticancer drug for children suffering from leukemia through chocolate found. We sell about 150,000 chocolates and donate medicine every year. It means about 150,000 Japanese support this project and children in Iraq.
We strongly believe that this JIM-NET house become the big bridge of trust and friendship between Iraq and Japan, Iraq and JIM-NET and make our relationship much stronger. We deeply appreciate your continual support and cooperation. Thank you very much.

 

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JIM-NETハウス

JIM-NETハウスのオープニングセレモニーが行われました。
県知事をはじめ、多数のテレビ局や新聞社が取材にやってきて、たいへん高い評価をもらいました。
外務省関係者も列席してくれました。
テープカットの後、みなさんに美しいジムネットハウスを見ていただきました。

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今までは、遠くから治療に来た親子を支える拠点がありませんでした。
子どもは入院できても、親は病院の外来の長いすで寝泊まりしたり、
家族によっては、病院の建設に使っていたトレーラーハウスに住まわてもらったり、
大変状況のなかで、子どもに治療をさせていたのです。
ジムネットハウスでは、そうした親子が安心して治療を続けられるよう、ファミリールームなどに泊まることができます。
子どもが勉強し、遊び、また生活相談もできる場所でもあります。

隣にはナナカリ病院という小児がんセンターがあります。
その院長と、10人ほど教師を雇い、子どもの勉強が遅れないようにしようという計画を立てています。
実現すれば、イラクで初めての院内学級ということになります。

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2019年5月19日 (日)

お知らせ

ニューヨークのスターシェフ、デービッド・ブーレイが、なぜか店を畳み、日本に武者修業にやってきた!
沖縄、長野、能登、大阪、北海道を巡り、かつてない極上の健康料理作りに挑む!
異色の美食ムービー!
「ひと皿の魔法 NY天才シェフ日本修行の旅」(NHKBSプレミアム)
以前放送された番組の30分版が放送されます。

20日(月)午後4時10分~「沖縄・九州編」

22日(水)午後6時~「信州・北陸編」
29日(水)午後6時~「究極のひと皿編」

2日目の「信州・北陸編」では、長野の寒天や食改さんも登場します。
ぜひ、ご覧ください。

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新刊発売

『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(鎌田實著、集英社)
40年以上健康づくり運動をやってきた70歳のカマタがたどり着いた『最強の筋活』についてお伝えしながら、
ぼく自身が実際にやっているとてもシンプルな方法だけを紹介しています。

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amazonで、予約ができます。
24日には書店にも並びますので、ぜひ、お買い求めください。

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2019年5月18日 (土)

診療所でヘルスプロモーション

JCFは5つの診療所をつくってきました。
その一つ、イラク、アルビルの北側にあるフクサワのPHC診療所を訪ねました。
以前、建設中に訪ねたことがありましたが、すでに完成し、小児科、産婦人科、歯科もあります。

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患者さんは、高血圧者も多く、薬を使わなければならない人も多いが、はじめはできるだけ生活指導をするといいます。
プライマリヘルスケアなので、積極的に予防をしようと話すと、賛同してくれました。
予防の方法として、まず食の改善があります。
アラブ料理は塩分や油が多く、チャイには大量の砂糖を入れますが、
これらを改善するだけでも健康度は上がるだろう、という意見で一致しました。
歯科でも、患者さんに口腔ケアの指導をしているものの、住民に向けてはしていません。
これから、高血圧や口腔ケアのヘルスプロモーションをしていこうという話になりました。

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JCFが寄付した体重計は、BMIが出ることもあり、とても好評。
今回、2人が測定しましたが、一人はBMI32の超肥満、もう一人は26.6と、やや肥満という状態でした。
これからは、肥満を予防するための食事や運動も広めながら、ヘルスプロモーションからヘルスデモクラシーへ、
そして、→いのち、→平和という流れを作っていきたいと思っています。

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2019年5月17日 (金)

アルビルに到着

イラクのアルビルに着きました。
夜の町に、あかあかと明かりがついて、治安もよいようです。

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道路工事も行われ、景気もまあまあ。
国内では治安がいいほうなので、外国のお店も出店しています。

大好きな塩味の飲むヨーグルトと豆スープ、パンです。

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鎌田劇場へようこそ!(419)

「コレット」

フランス映画。
シガニー=ガブリエル・コレットは、「クロディーヌ」シリーズで知られる20世紀初頭の女性作家。
晩年に書いた著作「ジジ」が舞台化される際、無名だったオードリー・ヘップバーンを主役に大抜擢。
「恋の手ほどき」というタイトルの映画にもなり、アカデミー賞を受賞している。
3回の結婚など、激しく生きている。

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はじめは夫のゴーストライターだったが、次々とベストセラーをつくり、同性愛者の女性と数年にわたってパントマイムの芝居をしたりしながら、
作家として傑作を送り出していく。
才能があっただけでなく、自分に正直に生きている。
それが、書き続ける力になったのではないか。
なかなかおもしろい映画。

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2019年5月16日 (木)

夜更けのイスタンブール空港

14日の夜、成田を発って12時間、イスタンブール空港に着きました。
新しい空港は、ただっ広いです。
しかも、明け方の4時ということもあって、人が少なく、ガランとしています。

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茅野から成田、成田からイスタンブールと、長時間移動してくると、さすがに乗り物疲れが。
目が死んでいます(笑)。
2時間ほどの待ち時間で、これからアルビルに向かいます。

 

 

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2019年5月15日 (水)

木曽村で講演

木曽村は、古き良き木曽路の宿場町が点在しており、とても美しいまち。
先日、その木曽村に、開村130周年の記念講演会に行ってきました。

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人口は約2900人。
新健康体操などをつくって、地域の人たちの健康寿命を延ばそうとしています。
一時期、長寿県長野のなかでは、木曽村の健康度は最下位でした。
現在は努力の甲斐があって、30位くらいに改善しています。
みんなの意識が変われば、必ず変わるのです。
このときもたくさんの村民が集まり、明るい雰囲気でした。

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NPOの女性たちが弁当屋さんをしています。高野豆腐や野菜たっぷりのお弁当をいただきました。
ショッカイさんたちも元気です。
歴史ある美しい村が、いつまでも元気でいられるといいと思いました。

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2019年5月14日 (火)

再々放送

「あしたも晴れ! 人生レシピ」で鎌田實が取り上げられましたが、
反響が大きかったということで再々放送が決まりました。

5月18日(土) 14時から
「あしたも晴れ!人生レシピ」(NHK Eテレ)
にもかかわらず~鎌田實~


鎌田は、今夜14日からイラクへ行きます。
JIM-NETのチャイルドハウスのオープニングセレモニーに出るためです。
18日は、鎌田は日本におりませんが、ぜひ、番組を見てください。

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2019年5月13日 (月)

寿司、芝居、医療

諏訪中央病院にいた山中先生が、福島医大の教授になったので、
山中先生と奥先生と3人で、東京のおけいすしでお祝いしました。
おすしの概念を覆すような、創造的なおすしを出してくれる大将の世界に、2人は感嘆した様子。

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話題も、福島の医療をどうお手伝いできるか、ということで盛り上がりました。
奥先生は、西会津でヘルスプロモーションに取り掛かっています。
山中先生も西会津に行き、会津全体の底上げと、福島県全体の地域医療の底上げを課題と考えているようです。
その後、劇団唐組の「ジャガーの眼」を見に行きました。

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Attachment1 奥先生とカマタ、山中先生(左から)


医療、哲学、芸術など盛沢山のとてもいい時間になりました。

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2019年5月12日 (日)

新種の乳酸菌

アルソア化粧品が、新種の乳酸菌「ラクトバチルス コウソイ」を発見しました。
次世代シークエンサーで野菜黒糖発酵液の発酵過程で出現、消失する微生物を解析したところ、
いろいろな乳酸菌が入れ替わるなかで、優勢な菌として発見したのです。
善玉菌としての働きが強いという特徴があるそうです。

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野菜黒糖発酵液の酵素は、佐久の工場で、無農薬の野菜を原料に作られています。
ぼくは毎日、この酵素を飲んでいます。

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2019年5月11日 (土)

鎌田實の一日一冊(347)

「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」(畠山理仁著、集英社)

2017年開高健ノンフィクション賞受賞作。
無頼系独立候補の独自の戦いを20年回追い続けた記録だ。
今、この本を読み返したのは、マック赤坂が14回目の選挙でも港区区議に当選したからだ。
マック赤坂は「オレは変えたいんだよ、この国を」と言って選挙に出たものの、
まったく無視され、惨敗を繰り返してきた。
スマイル党という党をつくり、コスプレで選挙に出たり、
5分ちょっとの政見放送にスーパーマンの格好で臨む。

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もともと京都大学を出た秀才。
商社マンになって、レアアースを扱う会社を立ち上げる。
本人は言いたがらないようだが、東日本大震災のときには1億円を超す寄付をしていたようだ。
また、町のごみ拾いなどもしている。
しかし、寄付やごみ拾いのことは、選挙戦でアピールすることはない。
不思議なパフォーマンスで、滑りまくっている。
そのマック赤坂が区議としてどう活躍するのか、楽しみにしている。

本書では、マック赤坂以外にも、生活保護を受けながら選挙戦に立つ人などを取り上げている。
民主主義とは何か、この本を読むとわかってくる。

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2019年5月10日 (金)

鎌田實の一日一冊(346)

「入門! 自宅で大往生」(中村伸一著、中公新書ラクレ)

著者は、福井県のおおい町名田庄地区にある診療所長。
高齢化率34%、2300人の地域でかれこれ30年近く、家族に看取られて家で死にたいという患者さんの願いをかなえている。
NHKBSで「ドロクター ある日、ボクは村でたった一人の医者になった」というドラマにもなっている。

この本では、自宅で大往生を阻むものは何か、分析されている。
同居家族がいてもいなくても、「家逝き」はできる、心づもりチェックシートから始まる逝き方準備、など内容も充実。

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ぼくはこんな帯を描いた。
「中村伸一の「家逝き」の極意はすごい!
この本で「死」が身近になり、簡単に乗り越えられそうになる」

同感、同感と思うのは、「孤独死、孤立死は悲劇じゃない」というくだりだ。
とても役に立つ本、ぜひお読みください。

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2019年5月 9日 (木)

整形外科の先生たちとカレー会

東京医科歯科大学の整形外科のチームは、諏訪中央病院の整形外科を担ってくれています。
ぼくが、半月板を損傷しているにもかかわらずスキーができるのは、彼らのお陰です。

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新任の先生の歓迎会を兼ねて、蓼科にある「ナマステ」というカレー屋さんで、カレー会を開きました。
ナマステのシェフは、インドの首相が来日したりすると、日本のホテルに呼ばれて料理をつくるというインドでは有名なシェフです。
この日も、おいしいカレーに大満足でした。

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2019年5月 8日 (水)

チャレンジの20年

佐藤雅彦さんから「65年記念自分史 認知症発病から20年」という冊子が送られてきました。
彼は45歳で若年性アルツハイマー病と診断。
不便になっていく生活を手探りで工夫しながら、今も前向きに生きています。

「私の生きる指針」として、以下のことが挙げらていました。
1、自分には無限の可能性があると信じる
2、人と比べることなく、自分の人生を歩む
3、できないことには目をつむり、できることに着目して生きる
「人のために時間を使う」なんていう項目もあります。

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毎日6000歩を目標に歩いていますが、実際には平均9000歩になるとか。
喫茶店やファミレスなどくつろぎやすい場所で過ごし、
本を読んで何事にも興味をもつなど、時間を大切に生きています。

認知症の物忘れなどがあっても、iPadなどを使ってカバーしています。
文字が書けなくても、iPadを使えば文章を書くことができます。
日記をつけておけば、昨日のことを忘れて不安になったときも読み返すことができます。
食事をしたことを忘れるので、食事の前にiPadで写真を撮っておきます。
洗濯の終了時間には、タイマーもかけています。
こうやって機器を上手に活用しながら、今も一人くらしを続けています。

彼はいつも前向き。
「心がけていること」は、
自分に誇りをもつこと、人任せにせず、自分で考えて行動すること。
たまにはおしゃれをして町に出ること。
そして、新たなことに挑戦することを忘れないようにしているといいます。

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彼は、すてきな絵を描き、賞ももらいました。
初めてピアノも習い、一曲弾けるようになったところで、ピアノの会も開いています。
絵をかき、本を出し、ピアノを弾いて感謝を忘れず前向きに生きている佐藤雅彦さん。
すごいなと思います。

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「認知症になって生活は不便になったけれど、私は幸せです」
そんなふうに言い切る佐藤さんと知り合って、10年近くになります。
2014年、日本テレビの「深層NEWS」にも一緒に出演しました。
先日、突然、佐藤さんから電話をもらいました。
うっかり失念して「どちらの佐藤さんですか」とぼくが尋ねると、
「先生、ボケないで」と冗談を返されました。
彼の65歳の誕生日に招待されましたが、都合が合わず行けないため、
花束を贈ることにしました。

「認知症だから何もできない」なんてことはない。
佐藤雅彦さんの生き方を見ていると、生きることの可能性を感じます。

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2019年5月 7日 (火)

新連載「ピンピンコロリ健康法」

ニッカンスポーツで、明日8日から36回、新連載がスタートします。
題して「鎌田實のピンピンコロリ健康法」

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鎌田式のかかと落としやスクワットの方法や効果、たんぱく質いっぱいの生活「たん活」
骨を丈夫にする「骨活」、あたまの回転をよくするための「脳活」・・・など、
長年の健康づくり運動のノウハウと、ぼく自身が実戦している健康法をわかりやすく紹介しています。
ぜひ、読んでください。

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2019年5月 6日 (月)

沖縄の基地負担を考える

「通販生活」はおもしろい商品や信頼できる商品が紹介されていて、毎回楽しみに読んでいます。
読み物も、ユニークです。
夏号の「普天間米軍基地を沖縄県から本土に引き取るための4つの案」というのは、とてもおもしろく読みました。

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作家の池澤夏樹さんは、普天間基地は鹿児島県の馬毛島に移転するのが最も現実的な解決策としています。
池澤さんは北海道に住んでいますが、防衛審議官が東部の苫小牧への移転案をアメリカに提案したが、消えてしまったということも述べています。
「月刊日本」の中村友哉編集長は、佐賀空港への移転であれば日米両政府が受け入れる可能性があると書いています。
沖縄だけに基地負担がのしかからないようにしようということで、
通販生活では「くじ引き案」というのを出しています。
米軍・自衛隊基地の負担割合の少ない22府県を対象に、くじ引きで決めませんか、という提案です。
東大教授の高橋哲哉さんは、本土への基地引き取り運動をする市民運動が出て来ましたが、
こうした空気がゆっくり醸成されることが大事といいます。
〇〇県に引き取るというと、その地域で反対運動が起こります。
まずは「本土に引き取る」ということを日本全体が考えることから始まるというのです。
どれも、けっこう納得できることが書かれていました。

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2019年5月 5日 (日)

鎌田實の一日一冊(345)

「濃霧の中の方向感覚」(鷲田清一著、晶文社)

危機の時代、先の見えない時代において、本当に必要とされ、本当に信じられる知性、教養とは何か。
鷲田さんの臨床哲学がやわらかく、わかりやすく、思索のきっかけをつくってくれる。
「忘れない」というのは知性だというのは、いい言葉だなと思った。

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自由についての思索では、「リバティ」という言葉をひも解く。
束縛を解くという意味の「リバティ」は自分にかかってくる強制や拘束からの解放を意味している。
他人の自由を認めることは、自分の自由を制限できることを含む。
「リバティ」を英語の辞書で引くと、たいていの場合「気前の良さ」が第一の意味として出てくる。
この「気前の良さ」は、自分の自由より、まず他者の自由を擁護するということである。
とすれば、そういう相互扶助の精神が充満しているところにしか、おそらく本当の自由はない、と鷲田さんは書いている。
これは大事なところだ。
自分がかかわるコミュニティーや組織では、こういう「気前の良さ」を持ち続けたいと思った。

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2019年5月 4日 (土)

チャイルドハウス

全国を講演してあるいていますが、その合間に、ココイチのカレーでエネルギーの補給。
チキンカレーにチキンカツを頼みました。

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このところ、JIM-NETに毎日顔を出して、スタッフと今後の活動について議論しています。
5月14日から、イラクのアルビルに行きます。
小児がん病院の機能のあるナナカリ病院の敷地内に、チャイルドハウスがオープンするためです。
県知事や保健省の高官、日本外務省の方々が列席し、オーブニングカットをする予定。
ラマダンの時期でもあるので、式典は夜になりそうです。
チャイルドハウスは、イラクでたいへん注目されているということです。

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2019年5月 3日 (金)

新しい家

ぼくが陸前高田に通うきっかけになった看護師さんの、新しい家を訪ねました。
津波でご主人が亡くなり、家も流されましたが、
新しい家はご主人との思い出の家にそっくりとか。
最愛の夫を亡くし、悲しみのなかで途方に暮れていたとき、
心の支えになったのはさださんの歌。
本棚には、さだまさしさんのコーナーと鎌田實のコーナーがありました。

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彼女と初めて会ったのは、広島で開かれたケアマネ学会。
楽屋を訪ねてきて、「仕事を辞めたい」という彼女に、ぼくは「看護師として一生懸命働いていれば、応援にいくよ」と約束しました。
それ以来、陸前高田に通うようになったのです。
今回、初めて家を訪ね、ご主人の仏壇に手を合わせることができました。

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とんぼ返りのことが多いのですが、今回は2日間滞在。
帰りに一関の駅の立ち食いソバで、大好きなカレーそばを食べました。
ぼくは、カレーうどんより、カレーそばが好き。
大満足でした。

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孤立を防ぐ

陸前高田の復興住宅は、マンションになっています。
マンションは、物理的にプライバシーは保てるものの、住人が孤立しやすいおそれがあります。
住人のお年寄りに話を聞くと、もちろん、いい点はいっぱいあるのだが、
人とのつながりは、仮設住宅のほうが感じられたという話でした。

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そこで、住人の孤立を防ぐため、健康相談や生活相談などに応じるサロンが開かれています。
「はまってけらいん、かだってけらいん」とは、
仲間に入ってください、語り合ってください、という呼びかけの言葉。
麻雀クラブやお茶のみ会、ひなたぼっこの会などが催されています。
復興住宅の集会場に顔を出すと、20人くらいの人たちがフレイル予防で体操したり、カラオケをしたり。
孤立を防ぐために、いろいろな取り組みが始まっています。

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漂流ポスト

陸前高田の森の中に、漂流ポストのあるカフェがあります。
ここには、亡くなった人に宛てた手紙が全国から寄せられています。
ぼくが訪ねた日も、郵便屋さんから2通届けられました。
これまで寄せられた手紙は約500通。
震災関連で亡くなった人への手紙が4割、納得できない離別をした人を思う手紙などで、
公開していい手紙だけが公開されていて、ぼくも読ませていただきました。

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毎月のように、母親から亡くなった娘さんに当てられた手紙は、
まるで娘さんがこの陸前高田の広田半島に住んでいるみたいに、
「風邪をひかないように」などと書かれていました。
きっと手紙を書くことで、癒されているのだと思います。

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被災地は、復興しています。
特に、建物の復興には勢いがつき始めています。
でも、人と人との関係や、心や魂の復興はまだまだこれからでしょう。
「漂流ポスト」は、心や魂の復興に役立っているように思います。

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2019年5月 2日 (木)

記憶を語り継ぐ

陸前高田の語り部から、東日本大震災当時の状況を聞きました。
高田一中の避難所には、約1000人が避難してきましたが、
数日のうちにリーダーや副リーダーを決め、食糧班や広報など分業体制を作り上げたといいます。
必要な救援物質などは、マスコミを通じて呼びかけ、
自分たちの健康を守るために、みんなでラジオ体操もはじめています。

Img_2323 津波に巻き込まれたタンクローリー。運転手は亡くなったが、捜索に来た仲間に確認された

また、マスコミの取材は一日3回と決めて、被災者が落ち着いて過ごせるようにしています。
停電になり、冷蔵庫の大量の魚が寄付されたときには、
調理ができる避難所と協力し、分け合いました。
語り部の釘子さんは、経験したことを次の世代に役立てたいと、必死に語り部活動をしています。
「平成」から「令和」になっても、忘れてはいけない記憶があります。

夜は、陸前高田の地域包括ケアに取り組んでいる仲間と慰労会をしました。

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人と人とのつながりによって、地域の復興を担っている人たちです。

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2019年5月 1日 (水)

五山賞特別賞

2019年紙芝居賞 第57回五山賞の特別賞を「かまた先生のアリとキリギリス」(鎌田實脚本 スズキコージ絵、童心社)が受賞することになりました。
教育紙芝居の生みの親・高橋五山の業績を記念して設けられた賞です。

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「近年、刊行される紙芝居が幼年向けであるのに対して、対象年齢の幅を広げたこと」
「時代に即した多角的な視点から、イソップの寓話を読み替え、既成概念を超えた絵画表現で、共生時代にふさわしい寛容と愛にあふれるメッセージの発信を試みた意義ある作品となっていること」
・・・などが評価されました。

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