鎌田實の一日一冊(347)
「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」(畠山理仁著、集英社)
2017年開高健ノンフィクション賞受賞作。
無頼系独立候補の独自の戦いを20年回追い続けた記録だ。
今、この本を読み返したのは、マック赤坂が14回目の選挙でも港区区議に当選したからだ。
マック赤坂は「オレは変えたいんだよ、この国を」と言って選挙に出たものの、
まったく無視され、惨敗を繰り返してきた。
スマイル党という党をつくり、コスプレで選挙に出たり、
5分ちょっとの政見放送にスーパーマンの格好で臨む。
もともと京都大学を出た秀才。
商社マンになって、レアアースを扱う会社を立ち上げる。
本人は言いたがらないようだが、東日本大震災のときには1億円を超す寄付をしていたようだ。
また、町のごみ拾いなどもしている。
しかし、寄付やごみ拾いのことは、選挙戦でアピールすることはない。
不思議なパフォーマンスで、滑りまくっている。
そのマック赤坂が区議としてどう活躍するのか、楽しみにしている。
本書では、マック赤坂以外にも、生活保護を受けながら選挙戦に立つ人などを取り上げている。
民主主義とは何か、この本を読むとわかってくる。
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