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2019年6月 9日 (日)

鎌田實の一日一冊(353)

「田村隆一エッセンス」(田村隆一著、青木健編、河出書房新社)

荒地派の中心的詩人。
ぼくの大好きな詩人のひとりだ。
「1999」という詩がある。
「アリの話をどこかで聞いた
アリは働き者の象徴だと思っていたのに、それがまたく違うのだ」
働かないアリや22時間眠りこけるアリのことを書いている。

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ぼくも、アリのことを働き者だと思っていた。
紙芝居「かまた先生のアリとキリギリス」でも、アリは働き者として登場する。
ぼくたちは思い込みのイキモノである。
ぼく自身は決して働きアリではないと思うが、一日の大半を眠りこけて過ごすのはできそうもない。
意識の上では眠っていられない。
いつも何かしなくちゃいけないと思っている、「気持ちだけの働きアリ」だ。

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