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2019年7月

2019年7月31日 (水)

信州の夏休み

青森の最短命県脱出委員会に頼まれて、毎年2回、健康講演会をしています。
はやくも、来年は青森市と三沢市で講演会をするように準備中。
こんなふうにぼくが青森に通うようになったのは、青森を健康長寿にしたいという熱い思いをもったハッピードラッグの桜井社長のお陰。
先日、その桜井社長ら4家族が信州にやってきました。
大人8人、子ども8人です。
蓼科高原バラクライングリッシュガーデンを訪ねると、ガーデンデザイナーのケイ山田さんと山田社長が歓待してくれました。
雨が降っていたのですが、ゴールデンアカシアがとてもきれいでした。

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カナディアンファームにも行きました。
子どもたちも大喜び。
おいしいチキンや野菜、石窯のパン、自然に包まれる雰囲気が人気で、特に夏はたくさんのお客さんであふれています。

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2019年7月30日 (火)

オレンジカフェ

諏訪中央病院の玄関前のロビーで「オレンジカフェ」が開かれました。
オレンジカフェとは、認知症の人や家族が集まって、交流したり、情報交換をするカフェ。
ワンポイントレッスンを聞いたあと、介護の専門家にサービスの利用の仕方などを相談し、カフェならではのなごやかな雰囲気でした。

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この日、レクチャーしたのは、副院長で、茅野市の福祉21の代表幹事の高木先生。
茅野市では、子ども・フレイル・認知症をキーワードにまちづくりをすすめています。

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2019年7月29日 (月)

朝採り野菜

東京の記者から、近くまで取材に来たと電話がかかってきました。
それでは、ごはんを食べにいこうということで連れて行ったのが、原村のカナディアンファーム。
カナディアンファームのスタッフは野菜もつくっています。
その朝採りの野菜が山盛り。
石窯で焼いたパン。
遠火の遠赤外線で焼いた、中はジューシー、皮はバリバリのチキン。
大きなハンバーグ。

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一度食べると、カナディアンファームはやみつきになるようです。

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2019年7月28日 (日)

ドネーション目標達成!終了まであと4日

JIM-NET15周年&JIM-NETハウス完成記念
【鎌田實71歳のバースデー ドネーション】

ついに目標額30万円を達成しました!
たくさんの方にご支持・ご協力をいだきありがとうございました。
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「JIM-NETハウス」

イラクで初めて、イラクの国中から注目されるチャイルドハウスができました。
小児がんや白血病の子どもたちが、病気に負けないで、
ここで勉強をしたり、芸術活動をしたり、いきいきと過ごしています。
イラクが、平和へ、一歩、近づいたようにも感じます。

あと残り4日!まだまだ応援を受け付けております。
ご協力お願い致します。

さらに、昨日より、
「鎌田實式『スクワット』と『かかと落とし』」(集英社)
が、Amazon健康法部門で第1位ベストセラーとなりました。
ついに3刷もなくなりそう。大好評です。
こちらもまだお読みでない方は、ぜひ!
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2019年7月27日 (土)

がばい旋風

佐賀北高校が佐賀県大会で優勝し、甲子園出場を決めました。

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佐賀北高校には、今年6月、「教科書にない一回だけの授業」で訪ねました。
甲子園出場、おめでとうございます。

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2019年7月26日 (金)

新しい帯

『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)の帯が変わりました。
以前は、少しふっくらした鎌田の写真が使われていましたが、体重9キロ減、ウエスト9センチ減後の鎌田の写真の写真を撮り直しました。
書店で品薄だったようですが、3刷になり、だいぶ求めやすくなるようです。

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各メディアでも『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』を取り上げられています。
先日は、共同通信の取材を受けました。
「女性自身」や「週刊女性」、さらに「美ST」という鎌田とは縁遠いと思っていた雑誌でも取り上げてくれました。

朝日ホールで、角川書店の「毎日が発見」が鎌田の講演を2回行いましたが、どちらも満員御礼。
「毎日が発見」では、鎌田特集で18ページ、鎌田式の健康法を取り上げてくれることになりました。

鎌田式の健康法はおいしいものを食べたもの勝ちというもの。
運動も毎日続けられるものを提案しています。
ぜひ、『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』をお読みください。

 

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2019年7月25日 (木)

7/27「サワコの朝」出演

阿川佐和子さんの「サワコの朝」(MBS、TBS系列)に鎌田が出演します。
7月27日(土)あさ7時30分~

収録中、爆笑の連続でした。
阿川さんに誘導され、鎌田流の生き方などにも話が及びました。

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阿川さんのすごいところは、カンペやメモをいっさい見ないこと。
一見、行き当たりばったりのようですが、頭のなかで実に巧妙に構成されていることがわかりました。
たしかに「聞く力」のある聞き方名人です。
ラジオで何度もお会いしているし、週刊誌で対談したこともありますが、今回もとても楽しい時間でした。

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阿川佐和子さんにスクワットとかかと落としを教えました。
『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)に詳しく書きましたが、
動画で見ることができるので、覚えてやってみてください。

「サワコの朝」
ぜひ、ご覧ください。

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2019年7月24日 (水)

アルビルで事件

イラク北部にあるアルビルは、JIM-NETやJCFの事務所があるところ。
最近は、JIM-NETハウスもオープンし、病気の子どもや家族を支援する拠点ができました。
アルビルはクルド自治政府内にあり、治安はいいところですが、7/18、トルコの外交官1人とイラク人1人が銃撃され、死亡する事件が起きました。
クルドはトルコと良好な関係にあるといわれていますが、クルドのなかにはトルコと敵対する一派もあり関係は微妙です。
今回の事件は、無差別なテロではなく、外交官を狙った政治的な問題のように思います。

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JIM-NETハウスにも、たくさんの病気の子どもたちがやってくるようになりました。
とても居心地がよさそうで、表情が明るいです。
そんななかでの事件。
日本の領事館からも慎重に行動するようにという指示がありました。
今後も注意しながら、子どもたちの支援を続けたいと思います。

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2019年7月23日 (火)

絵本がむすぶ絆

童話館では、選りすぐりの絵本を選んで毎月送る「童話館ぶっくくらぶ」という事業をしています。
子どもの年齢にあわせた15コースがあり、0~1歳のコース、1~2歳のコース・・・いちばん大きい子は14~15歳の大きいジュニアコースがあり、子どもの成長に合わせた本を届けています。
会員は約5万人。
半分近くは離れて住む祖父母が、孫のために登録。
子どもは自分の名前で贈られてくるだけで、うれしくなるとのことです。
童話館で働いている女性も、小さいときにぶっくくらぶから絵本が送られてくるのをどきどきしながら待っていてたと話してくれました。
絵本を通して、なかなか会えない祖父母と孫がつながったり、いい絆をつくっているように思います。

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今回、0歳から6歳までの子どもに配本している絵本を20冊ほと読みました。
「いないいないばあ」(童心社)は、孫ができたとき、何度も読み聞かせた思い出深い一冊です。
童話館ぶっくくらぶ、とてもいいシステムだと思います。

 

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2019年7月22日 (月)

絵本の美術館と童話館

国宝・大浦天主堂やグラバー園がならぶ長崎市南山手の丘、19世紀、日本で唯一西欧と交流が行われたところです。
その丘にある「祈りの丘絵本美術館」は、国内外の絵本の原画をみることができる美術館。
静かなたたずまいの、美しい美術館です。

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1階は、子どもの本の店、童話館
絵本や子供の本が1万冊あるといいます。
すてきな空間で、ほっとします。
長崎に行かれたときには、ぜひ、訪ねてみてください。

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2019年7月21日 (日)

雨の長崎へ

講演のため、長崎県諫早市を訪ねました。
いつも講演はとんぼ返りですが、今回はずっと行きたかった童話館を訪ねようと前泊をしました。
「長崎は今日も雨だった」という通り、雨にたたられましたが、
稲佐山の中腹から見る夜景はとてもすばらしいものでした。
夜9時過ぎ、お寿司やさんに入り、カウンターでおいしいお寿司をよばれました。
時間が遅いこともあり、お客さんは1組だけ。
静かな雰囲気のなかで、久しぶりにのんびりする時間になりました。

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翌日はいよいよ「童話館」へ。
8/4の「日曜はがんばらない」(文化放送、午前10時~)では、絵本についてお送りする予定です。
「童話館」の絵本選びの名人に出演していただきます。
ぼくも、相方の村上信夫さんも、絵本大好き。
今からどんな絵本談義になるか楽しみです。

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2019年7月20日 (土)

紙芝居の可能性

紙芝居というと、小さな子どもに見せるものと思われがちですが、実は、小学校、中学校、高校でも授業のなかで活用されているということです。
平和や人権、命の大切さなどを扱った紙芝居をみて、みんなで議論したり、メディアを読解・鑑賞する、批判し考える、考えを表現するという「メディア・リテラシー」の授業のなかで、手作り紙芝居が活用されています。

そこで活躍しているのが、紙芝居サークルのボランティアたち。
あるサークルでは、ぼくの「アハメドくんのいのちのリレー」(集英社)の絵をうまく活用して、
紙芝居のように見せながら、子どもたちに読み聞かせているとのこと。
子どもたちの感想文まで見せてもらいました。
ぼくは、この「アハメドくんのいのちのリレー」を大人が読む絵本としてつくりましたが、
こんな活用の仕方があったのかと驚きました。

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各地に紙芝居サークルがあり、中高年の人たちが子どもたちに読んで聞かせるということが広がっているのだそう。
中高年の生きがいづくりにもグッド。
紙芝居、古くて新しいメディアです。

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2019年7月19日 (金)

五山賞特別賞

「かまた先生のアリとキリギリス」(童心社)が、第57回五山賞特別賞に選ばれ、先日、授賞式に出席しました。
五山賞は、1963年に高橋五山の紙芝居の業績を顕彰して設けられ、一年間に出版された紙芝居に贈られる賞です。

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20190719 ←スズキコージさんからのメッセージです

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2019年7月18日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(425)

「命みじかし、恋せよ乙女」

樹木希林の遺作となった作品。
監督は、ドイツのドーリス・デリエ。
日本にかかわるような映画を何本もつくってきた親日家だ。
ドイツでアルコール依存症になり、仕事を失い、家族も離れていった主人公カール。
そこへ、日本人の若い女性ダンサーが訪ねてくる。
リアルな世界と幻想の美しい世界が交錯する。
これぞ映画。

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樹木希林が亡くなる2か月前に撮影している。
樹木希林の存在が大きい。
監督は、小津安二郎を敬愛しているのだろう。
小津が脚本を書くときに滞在していたという茅ケ崎館で撮影が行われた。
ちなみに、小津は蓼科に山荘をもっており、たくさんの作品の構想を練ったといわれている。
茅野市では毎年、小津安二郎記念映画祭が行われている。

黒澤明の「生きる」のシーンを思わせるようなブランコや「ゴンドラの唄」が出てくる。
最後のクライマックスで樹木希林が歌う「命みじかし、恋せよ乙女」は圧巻である。
映画好きにはたまらない映画だと思う。
#命みじかし、恋せよ乙女

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2019年7月17日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(424)

「存在のない子供たち」

レバノンの映画。
ベイルートの下町の、子だくさんの貧困家庭の子どもたち。
自分がいつ生まれたのかわからない。
出生証明書がないために、法的には社会に存在すらしていない。
路上で物売りをするなど、両親に労働を強いられていた。
12歳の少年ゼインは、1歳下の妹が、お金のために無理やり結婚させられるのを機に家を飛び出す。
そして、彼は、両親を訴え裁判を起こした。
罪状は、「こんな世の中にぼくを産んだ罪」。

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エチオピアからやってきた不法移民のシングルマザーが捕まり、1歳半の男の子が残された。
ゼインは、その世話をするようになるのだが、この男の子がとてもいい味を出している。
音楽に合わせて踊り、ミルクを飲み、ゼインと町をさまよう姿には不思議な温かさがある。
子供には愛される権利がある。
ゼインも、いつかだれかを愛し、愛される存在になっていくことを想像させて映画は終わる。
「存在のない子供たち」グッドです。

 

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2019年7月16日 (火)

難民の健康づくり支援

JCFは、イラク難民キャンプで健康づくり運動に取り組んでいます。
健康・命・平和はつながっているということで、平和の議論よりも、まず一人ひとりが健康になっていこうと考えています。
そのための健康づくりのビデオを、古民家で撮影しました。
東北の被災地やチェルノブイリ、イラク難民キャンプなどに同行し撮影してくれた山口さんが、ボランティアで撮影を協力してくれています。

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このビデオは、JCFがイラクにつくった5つのPHC診療所の外来や、ダラシャクランの難民キャンプで流そうということになりました。
イラク全体に、鎌田式スクワットやかかと落としが広まったら、おもしろいと思います。

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2019年7月15日 (月)

JIM-NETハウスの子どもたち

アルビルのJIM-NETハウスから写真が送られてきました。

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子どもたちは大喜び。
スタッフも、アルビルだけでなくイラクから評価を受けていると聞いて、幸せそうです。

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2019年7月14日 (日)

鎌田實の一日一冊(363)

「DEATH「死」とは何か」(シェリー・ケーガン著、柴田裕之訳、文響社)

「イェール大学で23年連続の人気講義」という副題がついている。
著者は、道徳哲学、規範倫理学の専門家。
死を多方向から考える、思索を深めるための手引書ともいえる。
「死とは何か」死への正しい接し方」「不死が人を幸せにしない理由」「死が教える人生の価値の高め方」・・・・。

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いい人生の延長戦上に、いい死がやってくる。
いい死とは、人生の質の問題なのだ。
クオリティー・オブ・ライフとクオリティー・オブ・デスは裏腹の関係にある。
そうは書いていないが、ぼくはそんな気がするのだ。

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2019年7月13日 (土)

鎌田の本

『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』(集英社)は発売一週間で増刷が決まりました。
講演会場でもよく売れています。
体重7~9キロ減、ウエスト9センチ減でキープしている鎌田。
ぼく自身が実践していることを書いています。

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スクワットは5種類あります。
骨盤底筋群を強化して尿漏れを防ぎ、インナーマッスルを鍛えてお尻や腹囲を引き締めるスーパースクワットも図解しています。
ぜひ、一緒にスクワットとかかと落としを続けましょう。

『脱・呪縛』(理論社)が6/30の静岡新聞の書評欄で紹介されました。

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こちらもぜひ、お読みください。

 

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2019年7月12日 (金)

名寄で星空キャンプ

星空キャンプ2019in名寄が、8月2~4日に開催されます。
今年の講師陣は、福島県立医科大学会津医療センターの山中克郎教授、諏訪中央病院の総合診療科の教育担当をしていて、現在フリーランス医師となった奥知久医師、名寄市風連国保診療所の松田好人所長ら。
参加申し込みは定員満員につき締め切りましたが、年々盛り上がりをみせています。

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鎌田は3日13時半から、名寄市立大学図書館で「人生100年時代へのはじめの一歩」と題して講演します。
なかなか攻めているポスターがつくられています。

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2019年7月11日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(423)

「さらば愛しきアウトロー」

ロバート・レットフォードの俳優としての最後の作品。
1980年代に、だれひとり傷つけなかったフォレスト・タッカーという銀行強盗がいた。
初老のメンバーととも行った犯行は、マスコミに「黄昏ギャング」と報道される。
16回の脱獄と銀行強盗を繰り返しながら、人を魅了していく。
そんな紳士強盗のほぼ実話の物語。

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キャストも豪華。
どうやらギャングらしいと知りなから、魅せられていく女性にシシー・スペイシク。
彼を追う刑事にケイシー・アフレック。
7/12からロードショー。

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2019年7月10日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(422)

「新聞記者」

一週間で興行収入1億円を突破、大ヒットだ。
同時に公式サイトが断続的にサーバーダウン。
特定のところから集中的なアクセスがあったという。
なんだか怖い話だ。

映画でも、内閣情報調査室で、SNS上の情報をコントロールしている様子を描いている。
もちろんフィクションなのだが、この国で最近起きた官僚の自殺やレイプ被害者へのバッシングなどが描かれ、どうしても現実とオーバーラップする。
映画をみながら、途中で心臓がパクパクしてきた。

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エリート官僚を演じる松坂桃李がとてもいい演技をしている。
映画の熱さに影響され、大したことはできなくても、勇気を出して、せめて自分の意見を言うことが大事と思った。
自分のためではなく、この国を愛してる人たちの土俵際の闘いのようにみえる作品だ。

 

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2019年7月 9日 (火)

鎌田實の一日一冊(362)

「天井のない監獄 ガザの声を聴け!」(清田明宏著、集英社)

著者は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の保健局長として、ガザや東エルサレムで、パレスチナ難民550万人の命や生活を守る活動をしている。
東日本大震災後、釜石とパレスチナの凧揚げイベントをしたり、世界最悪の失業率44%というガザで、日本の起業家との仲介役などをしたりしている。
世界から称賛される活動をしている医師である。

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ぼく個人にとっても、清田さんはたいへんな恩人だ。
以前、パレスチナを訪ね、「アハメドくんのいのちのリレー」(集英社)を書いたが、
その印税で、アラビア語版、ヘブライ語版、英語版をつくる協力をしてくれたのが清田さんだ。
彼のおかげで、ガザの作家連盟の方々と、あるいはパレスチナ難民が住んでいる東エルサレムやイスラエル側でも
「アハメドくん」の読書会をすることができた。

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この本は、パレスチナ難民の命と健康を守る活動から、そこに生きる市井の人々の声を届ける。
ぜひ、読んでもらいたい。

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2019年7月 8日 (月)

健康と平和

JCFの機関誌「グランドゼロ」で、この数年かけて目指しているヘルスプロモーション(健康増進)とヘルスデモクラシー(健康民主主義)、平和と健康について特集を組みました。
一人ひとりの健康を守ることで、自分の健康の大切さに気付くだけでなく、家族や仲間の健康の大切さにも気づきます。
そうやって理解を広げていくと、宗教や宗派、民族の違いを超えて、ひろく命の大切さがわかってくるのではないか。
JCFは、そういう命の理解者を広げようしと取り組んでいます。
IOM(国際移住機関)は、JCFの活動に注目してれくており、JCFがつくった5つのPHC診療所の一つに、難民や住民が健康についてを学ぶためのビデオ装置と大型テレビを設置してくれました。

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現在、JCFではアラビア語、クルド語、英語での健康と平和のビデオづくりをしています。
世界には7000万人近くの難民がいるといわれていますが、難民たちへの健康づくりはあまり行われていません。
このビデオが、難民支援の発想の転換になればいいと思っています。

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2019年7月 7日 (日)

鎌田實の一日一冊(361)

「共感の時代へ」(フランス・ドゥ・ヴァール著、柴田裕之翻訳、紀伊國屋書店)

著者は動物行動学者。
この本は、軽快な文章で書かれていてとても読みやすい。
共感は人間だけでなく、進化史上哺乳類に共通する特性であるという。
たとえば、母サルが死ぬと、ほかのメスが幼い子ザルの面倒をみることが多い。
大人のオスでさえ、血縁のない孤児を抱いて守り、食べ物を与える。
アルゼンチンでは、メス犬が捨てられた人間の子どもを、自分の子犬と一緒に世話して、命を救った。
オオカミに育てられた人間の子どももいる。
ベンガルトラのメスが、豚の子どもを育てたという話もある。
どの動物も、そして人間も、食べ物や生殖の相手、縄張りをめぐって同じ種の仲間と衝突するが、共感することもできる。

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共感があれば世の中がやさしく、平和になるかというとそうではない。
誤った方向に共感すると、戦争に進んでいくことだってある。
共感の時代へ向かっているからこそ、共感の裏側を知っておく必要があるという点で、
とても刺激的な本である。

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2019年7月 6日 (土)

鎌田實の一日一冊(360)

「モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語」(内田洋子著、方丈社)

久しぶりにウキウキする本に出合った。
本を愛する人たちのたくましい歴史が、この本には詰まっている。
北イタリアの山奥に、人口800人ほどのモンテレッジォという村がある。
この村の一割が本の行商で生計を立て、村のほとんどが本にかかわる仕事をしている。
この村には200年前、活版印刷の会社があった。
権力者が発禁本にした本をそっと隠し持って、行商の形でほしい人のもとに届けた。
行商をしながら、気に入った町で本屋を開いたため、本屋さんにはモンテレッジォの出身者が多い。
露天商賞という、今でいうところの本屋大賞も1950年代に作った。
第一回の受賞がへミングウェイの「老人と海」。
賞金がすごい。
2000部を買い取り、1000部は生活困窮者の支援所や、病院、刑務所に寄贈。
残りの1000部は全国の露天商に配本し、売り広める。
これをきっかけに何十万部も売り上げた受賞作品もあったという。

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ぼくが杉並区の和田に住んでいるとき、ジャン荘を奥さんに任せ、
オートバイで貸本をしていたおやじさんがいた。
売れ筋の月刊誌などは、3日間のレンタルで、次の人にまわしていく。
新刊も、この人なら買うかもしれないというあたりをつけて、持ち歩いて売ったりしていた。
おもしろい商売があるなと思っていた。
それにしても、16世紀ごろから山を越えて、命がけで本を届ける人たちがいたというのは驚いた。
きれいな写真も、想像力を膨らませてくれる。

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2019年7月 5日 (金)

第2JIM-NETハウス建設へ

アルビルに新設したJIM-NETハウスも軌道に乗ってきました。
プレイル―ムでは、現地スタッフが、小児がんや白血病の子どもたちとその兄弟を遊ばせています。
教室を使って、勉強も始まりました。
学校の先生たちが、患者で寛解状態になった子どもやがんサバイバーの子どもたちが勉強をしています。
アートルームでは、子どもたちが絵をかいています。
ここで、将来のチョコ募金のイラストになる作品が生まれるかもしれません。
今年のチョコ募金は14万個を目標にしたいと、六花亭や製缶工場と相談しています。
そういえば、これまでのチョコ募金の子どもたちの絵が、XジャパンのSUGIZO(スギゾウ)さんの舞台衣装に採用されました。
7/8の東京での生誕50周年コンサートで披露されるそう。
JIM-NETのスタッフもご招待いただきました。
この衣装を見て、SUGIZOさんのファンたちが、JIM-NETの活動に注目してくれたらうれしいです。

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JIM-NETハウスでは当直要員や調理係なども採用されて、ボランティアや子どもたち、スタッフが和気藹々と過ごせるようになりました。
今後も、親御さんたちと話合い、病気や戦争で傷ついた子どもたちが生き生きとできるようにしたいと考えています。

このJIM-NETハウスは、イラクで大好評。
日本の外務省とも相談しながら、北部にあるスレイマニアにも、第二ハウスを建設する準備に入りました。

 

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2019年7月 4日 (木)

鎌田まつり

茅野市では「子ども・フレイル・認知症」の3つをキーワードにしながら、新しい町づくりを展開しています。
健康づくり運動の火も再燃し、各地域ではどんなテーマで勉強会をするか議論し、積極的な姿勢を示しています。
40年前、鎌田が年間80回、各地の公民館を巡って健康づくりをしていたときは、医師が情報を一方的に発信するという形でしたが、「ほろ酔い座談会」になってからは、レクチャーの後、参加者みんなで討論する双方向の形になりました。
諏訪中央病院の若手の医師たちがリーダーになり、地域の保健補導員や福祉推進委員と一体となって、自分たちの地域課題に向き合っています。

菊澤地区では7月1日、「鎌田まつり」が開催されました。
「大人も子供もワッショイ」ということで多世代の人に向けて、人生の話や健康づくり、地域の絆などについて話をしました。
ぼくの子ども時代の話や、45年前、諏訪中央病院に赴任し健康づくり運動を始めたころの話、鎌田式スクワットとかかと落としの実演・・・。
50分ほどの講演の後は、みんなで車座になって
「明日からやれることはなんだろう」という質問に答えていきました。
「スクワットとかかと落としをする」「野菜を多く食べる」
「“にもかかわらず”という生き方をする」
・・・など、講演を聞いた後「行動変容」を起こしそうな言葉を述べてくれました。

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車座になって保健補導員が作ったえごまおはぎ、高野豆腐のネギみそ焼き、トマト寒天などを食べました。
菊澤はセロリの名産地。
農家からいただいた新鮮なセロリも味噌マヨで食べました。
おいしかったです。
ぼくからは、公民館に「かまた先生のアリとキリギリス」を寄付しました。

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2019年7月 3日 (水)

運動+牛乳

青森県八戸市で最短名県返上特別講演会があり、講演をしてきました。
パートナーは、八戸学院大学学長で、健康医療学部人間健康学科の水野教授。
筋肉の専門家で、大変興味深い話を聞くことができました。

たとえば、呼吸するときの筋肉。
吸い込むときの筋肉は、内肋間筋や外肋間筋、横隔膜が関係しており、老化しにくいけれど、吐くときの呼息筋は内肋間筋と腹部筋群がかかわるため、腹筋が弱くなると息を吐きだす力が弱くなります。
特に女性は、腹式呼吸が苦手な人が多いので、吐き出す力が弱くなりがち、ということです。
これを防ぐには、おしゃべりをする、歌をうたう、大きな声を出すということが大事です。

筋トレと補助栄養の摂取タイミングについは、ぼくは運動後30分以内をゴールデンタイムと言ってきましたが、水野教授はできるだけ早く運動直後に何らかのタンパク質をとることがいいといいます。
タンパク質補給で手っ取り早いのは、牛乳。
タンパク質が多いだけでなく、カルシウムが含まれているので、骨密度まで上がる可能性があり、そのデータも見せてくれました。
運動だけでは筋肉量も骨密度も上がりにくいですが、その後でタンパク質をとることがキモのようです。

また、運動プラス牛乳で、急性上気道炎の罹患回数が減り、免疫機能が高まる可能性があるという話もありました。
そのほか、運動時に、スポーツ飲料を飲むグループと牛乳を飲むグループで比較したところ、牛乳を飲んでいるグループのほうが認知機能がいいという結果も。
競技スポーツをしている人は、牛乳で判断能力がアップしたり、長期的には認知症予防になる可能性もあります。

最近は、牛乳以外にも、プロテインヨーグルトやプロテインを強化したミルクが売られるようになりましたが、それらでもかまわないということです。

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八戸ではフジツボをいただきました。

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2019年7月 2日 (火)

健康ラジオ

東京エフエム系のJFN PARK「健康ラジオ~ワンポイント・アドバイス~」という番組に
7/3ごろから9回出演します。
パーソナリティは、本郷朋子さん。
『鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」』でも書いた筋活、骨活、たん活、脳活などについてお話します。

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FM GUNMA、FMとやま、エフエム岐阜、FM滋賀、エフエム山陰、広島FM、FM佐賀、FM大分、FM沖縄で放送されます。
ぜひ、お聞きください。

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2019年7月 1日 (月)

買い物サロン

経済同友会の総会の後の記念講演会のため、宇都宮へ。
雑誌の取材もあり、グループホームや宅老所を運営している無量荘を訪ねました。
無量荘では、普通の民家でデイサービスをしていますが、これがなかなかの優れものでした。
週3日開催で、参加者は30人。
デイサービスは10人程度ですが、あとの20人はサロンということで、お金をとっていません。
費用は、食材などの実費のみということです。

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曜日によっては「買い物サロン」を開催し、みんなでここに集まってから駅前に繁華街に買い物に行ったりしています。
また、軽トラを使った「引き売り」もしています。
売り物は、畑を貸してもらって、そこで育てた野菜、お菓子、高齢者が必要そうなもの。
さらに驚くのは、それを引きこもりの青年がやりはじめたことです。
脳卒中で高次機能障害になった男性が、その引き売りの仕事を始めています。
高齢者や障害をもつ人たちが集まるところ、出て行くところがあるというのは、地域包括ケアにとっては大事なこと。
青田さんというお寺の住職さんが理事長でがんばっているが、じつにおもしろいと思いました。

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30分ほど時間があったので、有名な香蘭という店で、水餃子と焼き餃子を食べました。
餃子だけで勝負というのもすごい。
とにかくおいしい餃子でした。

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