鎌田劇場へようこそ!(425)
「命みじかし、恋せよ乙女」
樹木希林の遺作となった作品。
監督は、ドイツのドーリス・デリエ。
日本にかかわるような映画を何本もつくってきた親日家だ。
ドイツでアルコール依存症になり、仕事を失い、家族も離れていった主人公カール。
そこへ、日本人の若い女性ダンサーが訪ねてくる。
リアルな世界と幻想の美しい世界が交錯する。
これぞ映画。
樹木希林が亡くなる2か月前に撮影している。
樹木希林の存在が大きい。
監督は、小津安二郎を敬愛しているのだろう。
小津が脚本を書くときに滞在していたという茅ケ崎館で撮影が行われた。
ちなみに、小津は蓼科に山荘をもっており、たくさんの作品の構想を練ったといわれている。
茅野市では毎年、小津安二郎記念映画祭が行われている。
黒澤明の「生きる」のシーンを思わせるようなブランコや「ゴンドラの唄」が出てくる。
最後のクライマックスで樹木希林が歌う「命みじかし、恋せよ乙女」は圧巻である。
映画好きにはたまらない映画だと思う。
#命みじかし、恋せよ乙女
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