鎌田實の一日一冊(369)
「いまこそ読みたい哲学の名著 自分を変える思索のたのしみ」(長谷川宏著、光文社文庫)
哲学者、長谷川宏の本をウォッチしている。
アランから始まってマックスウェーバー、パスカル、デカルト、メルロポンティなどを分析し、
自分を変える思索の楽しみという戦略のもとにおもしろい展開をしていく。
プラトンの「饗宴」は、酒の席でエロスについて6人が勝手なことを語っていくのだが、男と男の恋や少年愛について語っている。
まるで、おっさんずラブ。
笑ってしまう。
ボードレールの「悪の華」は何度もトライしたが、なかなか理解できなかった。
わからないながらも、読んできた。
ぼくが大好きな唐十郎の芝居と同じ。
わからなくていいと納得しながら、言葉の上で遊ぶのである。
それを長谷川宏は解き明かし、少しわからせてくれたように思う。
ボードレールは「悪の華」で美の王国を構築しようとしているという。
もう一度、「悪の華」にチャレンジしてみようと思う。
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