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「プラータナー 憑依のポートレート」(ウティット・ヘーマムーン著、福冨渉訳、河出書房新社)
政治が混沌としているタイ。人々が分断される暴力的な社会だからこそ、官能が芽生えていく。ある芸術家の性愛遍歴を通して語られる人間と国家の「からだ」の欲望とは。
「憑依のポートレート」という副題がついているが、小説のなかに時々、違う字体の文章が紛れ込んでいる。ポエティックで辻つまが合わない。しかし、大きな真実を述べようとしているようにも思える。不思議な小説だ。
鎌田實 2019年9月26日 (木) 13時53分 | 固定リンク Tweet