鎌田劇場へようこそ!(451)
「家族を想うとき」
名匠ケン・ローチ監督の映画。
この監督の作品では、「わたしは、ダニエル・ブレイク」もよかったが、けっこう好きだったのが2012年の「天使の分け前」だ。
底辺を生きる人をうまく掬い取りながら、人間の誇りを見事な映像で映し出している。
この作品は、マイホーム購入の資金を得るため、フランチャイズの宅配ドライバーになった男とその家族の物語。
借金で車を買い、まったく休むことができない。
とんでもなく悪辣なシステムで、労働者が退職金も有給休暇もまったくなく、あんたは「個人事業主なんだろう」と、無理な働き方をさせらる。
そして、家族は壊れていく。
原題の「Sorry,We Missed You」(ごめん、私たちはあなたのことを忘れていた)というのは、格差社会のなかで底辺で生きる人のことを忘れてはいけないという意味があるのだろう。
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