« ゲストはSUGIZOさん | トップページ | 笑顔を引き出す回診 »

2020年1月19日 (日)

鎌田實の一日一冊(373)

「弦のないハープ またはイアプラス氏小説を書く。」(エドワード・ゴーリー著、柴田元幸訳、河出書房新社)

エドワード・ゴーリーのデビュー作。
作家の戸惑いや屈折した思いを、不思議な絵で表現している。
モノクロール線画の不思議な味わいだ。
文も、特別な韻を踏んでおり、日本語に訳すのが大変だったと思う。
「趣味奇天烈邸」「つぶれたプディング」などの表現がここかしこにある。

Photo_20200119135901
すっかりと魅了されてしまい、第二作目の「華々しき鼻血」(河出書房新社)も読んだ。
これがまたすごい
副詞が印象的に使われている。
「ぞんざいに」「まがまがしく」「あてどなく」「いたずらに」「せつなげに」
これらの副詞を使い、ひとつの絵を表現している。

Photo_20200119135902
エドワード・ゴーリーは、とんでもなくすごい作家だ。

|

« ゲストはSUGIZOさん | トップページ | 笑顔を引き出す回診 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事