鎌田實の一日一冊(373)
「弦のないハープ またはイアプラス氏小説を書く。」(エドワード・ゴーリー著、柴田元幸訳、河出書房新社)
エドワード・ゴーリーのデビュー作。
作家の戸惑いや屈折した思いを、不思議な絵で表現している。
モノクロール線画の不思議な味わいだ。
文も、特別な韻を踏んでおり、日本語に訳すのが大変だったと思う。
「趣味奇天烈邸」「つぶれたプディング」などの表現がここかしこにある。
すっかりと魅了されてしまい、第二作目の「華々しき鼻血」(河出書房新社)も読んだ。
これがまたすごい
副詞が印象的に使われている。
「ぞんざいに」「まがまがしく」「あてどなく」「いたずらに」「せつなげに」
これらの副詞を使い、ひとつの絵を表現している。
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