鎌田實の一日一冊(374)
「ウィーン包囲 オスマン・トルコと神聖ローマ帝国の激闘」(菊池良生著、河出書房新社)
著者は、小学校時代の親友。
中学の野球部ではバッテリーを組んだ。
菊池君がピッチャー、鎌田がキャッチャー。
昨年春、明治大学での教授退官最終講義に招待されたが、そのときの話がウィーン包囲だった。
あふれる教養と、日本の時代物小説の愛好家でもある菊池君の講義は、講談を聞いているようだった。
この本も、その勢いが止まっていない。
「命運は託された」「神の名の下、世紀の闘いの火蓋が切って落とされた」
ときどきポンポンッと叩きながら、オスマン・トルコと神聖ローマ帝国の激闘を展開。
東西対立の原点ともなった第一次ウィーン包囲と第二次ウィーン包囲を、まるで見て来たように語っている。
3月、佐賀市に「鎌田文庫」がオープンするが、この菊池良生君の「ウィーン包囲」をおすすめの一冊として展示しようと思っている。
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