« 鎌田劇場へようこそ!(463) | トップページ | 鎌田劇場へようこそ!(465) »

2020年3月24日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(464)

「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」

1970年代初頭、ソ連の「停滞」の時代を息苦しく生きた詩人や文学者、アーティストたちの姿を描いている。
後に、ブロツキーはアメリカに亡命し、87年にノーベル文学賞を受賞した。
ドブラートフもアメリカに脱出し、ロシア語の小説を次々と発表、ロシアで最も愛される作家になっていく。

しかし、その青春時代は苦悩に満ちていた。
60年代、言論に自由の風が少しだけ吹き始めた「雪解け」を経て、再び、共産党のしめつけが厳しくなった「凍てつき」の時代。
作家協会に入れないドヴラートフやブロツキーらは、作品を発表する場を与えられなかった。
2人とも反権力を訴える作品を書いていたわけではないが、共産主義を賛美しない文学は冷遇された。
映画は、その時代の6日間を切り取った群像劇だ。
生き方や主張を曲げない若者たちの、激動のなかに希望を見出そうとする姿が描かれる。

Photo_20200323162001

晩年、夏になると蓼科にこもっていた堀田善衛さんと少しだけ交流があったが、
彼の「若き日の詩人たちの肖像」を彷彿させる。

ドブラートフの有名な言葉がある。
「世界は狂気に覆われ、狂気が正常になりつつある」
70年代の言葉だが、50年近く経った今、この言葉がリアルに感じられる。

|

« 鎌田劇場へようこそ!(463) | トップページ | 鎌田劇場へようこそ!(465) »

映画・テレビ」カテゴリの記事