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2020年4月 4日 (土)

神風は吹かない

ブラジルのボルソナーロ大統領は、今頃になって集団免疫説を唱えています。
人口の6割程度がウイルスに感染することで抗体をもつ人が増えるという考え方ですが、
ワクチンがない現状でこれを実行するのは大きなリスクを伴います。
イギリスは当初、この考え方で進めようとして、1週間対応が遅れ、いま窮地に陥っていることを忘れてはなりません。

イタリアやスペイン、アメリカという世界の状況のみると、日本だけがそうした状況に陥らない、とは到底考えられません。
政治家は批判を恐れず、勇気をもって、今すぐ緊急事態宣言を出すべきです。
日本の緊急事態宣言は、今の法律では完全な都市封鎖にはなりません。
自重しながら、どうしても必要な場合は、最低限の移動ができます。
だからこそ、逆に早く発令したほうがいいのです。
早く緊急事態宣言を出し、そのうえでそれぞれの自治体の長が、各地域をどうすればいいか考えればいいのです。
それでも防げない場合は、与野党が協力し、罰則のある都市封鎖の法律を緊急に時限立法でつくる、という方法もあるでしょう。

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このまま緊急事態宣言を出さないでいると、人は移動し、感染は広がるばかりです。
関西の警察官が、剣道の稽古をしていて、10人が感染。
剣道は大きな声を出すので、飛沫感染の危険性が高いスポーツの一つです。
公務員がこれでは、示しがつきません。
飛行機の中で感染し、帰宅した後、沖縄と岡山でそれぞれ二次感染を起こした例もあります。
3月20日の渋谷のライブハウス「ロフトヘブン」では、有名人も、福島の50代男性も感染しました。
もう感染は市中に広がっているということです。

こうした状況が、穏やかに収まるなんてことは考えられません。
日本だけ“神風”が吹くということはないのです。
ウイルスは忖度もしてくれません。

一つだけいい情報があります。
いちばん猛威を振るっていたイタリアで、都市封鎖を徹底したことで、ピークが終わりかけている可能性があります。

一週間前に日本でも緊急事態宣言を出していれば、2~3週間の勝負で勢いを抑えられた可能性がありますが、
ここまで遅れてしまうと、1か月ほど続ける必要があると思います。
それでも、やらないよりはずっといいはず。
“神風”を信じるのではなく、緊急事態宣言で人の動きをとめて、ソーシャル・ディスタンシングを徹底することが今すべきことなのです。
神風は吹かない。神風を信じるな。

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