« お知らせ | トップページ | 政治なんてないほうがいい »

2020年4月23日 (木)

帰属意識

新型コロナウイルスで、中東で最も大きな被害を出しているのはイランです。
8万人が感染し、5000人が亡くなっています。
ようやくピークアウトし、感染者が減りだしているものの、まだ一日1300人ほどの感染者が出ているという状況です。
その隣の国イラクでは対照的に、もうすぐ勝利宣言を出すといいます。

イラクは、イラク戦争で傷つき、その後「イスラム国」でずたずたにされてきました。
そんな国で子どもたちの命を守るため、ぼくは約15年支援活動を続けてきました。
イラクは、感染者約1500人で止めることができました。
現在、一日の感染者数はヒトケタ。
ほぼ、コントロールのなかにあるといいます。
近々バルーンを上げて、勝利宣言をすると聞きました。

現地スタッフからの情報では、勝利の原因は早期の取り組みにあるといいます。
3月9日には公的機関を閉鎖、1週間後の中旬には厳しい自宅待機を実施しています。
JIM-NETハウスのスタッフたちは、白血病の子どもや家族を守るために、
特別に許可されましたが、多くの仕事を持っている人たちは自宅待機が命じられました。
国民も意識が高く、自宅待機を守ったといいます。

イラクらしいなと思うのは、スーパーに無料で食料などを持ち帰れるコーナーができたり、市場でも食料を無料配布したり、という配慮があったこと。
イラクの人たちはやさしいのです。
自宅待機を徹底できた背景には、こうしたやさしさがあり、人に感染させてはいけないという思いがあるからではないかと思います。

ぼくたちも中国や韓国で新型コロナが猛威を振るい始めたときに、すぐに手を打てばこんなふうにならなかったのではないか。
そして、もう少しやさしくなって、困っている人に対して早く手を差し伸べられたらよかったなのに、と思います。
まだ遅くはありません。
政府は困っている人に一刻も早く手を差し伸べること。
それは、一体感と帰属意識を高めるためにとても大事なことなのだと思います。

|

« お知らせ | トップページ | 政治なんてないほうがいい »