« 遅い、緩い、貧弱 | トップページ | とにかく検査 »

2020年4月11日 (土)

暗い隔離から、明るい隔離へ

東京都では一日の感染者数が10日、最多となる189人となりました。
東京都がPCR検査が一日300人前後。
しぼって、しぼって、しほっているしか思えません。
それで189人ということなので、実態は1000人を超えているのではないかと想像しています。

いつまでも検査をしぼって、隠れ感染者を見逃していれば、知らないうちに院内感染が広がり、
医療崩壊が加速してしまいます。
しかもマスクが足りず、再利用しているという状況のなかで、医療者は神経をすり減らし、疲労困憊しています。
にもかかわらず、政府は休業要請に後ろ向き。
PCR検査もやるやると言っていながら、その気配がいっこうに見えません。
この状況で、感染爆発を少しでも小さくするには、検査と隔離しかありません。
でなればイタリアやアメリカと同じようなことが起きてしまいます。
たった2つ、検査と隔離です。

Img_4229

ぼくは、医療崩壊を起こさないために、陽性だけれど安定している人の隔離場所として、クルーズ船の活用を提案してきました。
東京ではホテルを活用するという方針を出しましたが、東京では地域とあまり密着していないため、実行しやすかったのかもしれません。
その点、地方では近隣の住民から反対が出る可能性があります。
クルーズ船では、陸から離れているので、そうした心配がありません。
隔離というのは、社会を守るために協力してくれているということ。
感謝すべき行為なのだと思い、その間はせめて居心地のよいところで過ごしてもらいたいと思うのです。

大事なのは、しっかりと医療とつながっていること。
最近、テレビ番組「カンブリア宮殿」で紹介されたジャパンハートのドクターたちは、
もしクルーズ船隔離が実現するなら、協力してもいいといってくれています。
症状が変化したらすぐに対応できるし、不安なことは専門家が答えるなど、精神的なサポートもできます。

暗い隔離から、明るい隔離へ。
居心地のよい客室で過ごすことができ、海を見たりするだけでも、気持ちが晴れ晴れします。
甲板などを散歩できるようにすればフレイル予防にもなります。
新型コロナが収まったら、クルーズ船の旅をしよう、というような明るい気持ちも出てくるかもしれません。

以前から、こうした案をクルーズ船の船会社に持ち掛けていますが、時間がかかっていますが、かなり前向きになっています。
一隻で成功すれば、日本にはかなりのクルーズ船があるはずなので、各地で医療崩壊を防ぐことができると思います。

いまは「離れて、つながる」ことが大事ですが、
陸から離れたところにあるクルーズ船隔離は、病院を救う一手になると思います。
クルーズ船も、この体験によって船員が感染症対策を習得し、
コロナ後には堂々と「社会貢献をした船」「安心の船」として胸をはることができるでしょう。

ビヨンド・コロナ。
コロナを超えて、発想の転換をしていく必要があります。

|

« 遅い、緩い、貧弱 | トップページ | とにかく検査 »