PCR検査が出遅れてしまった日本で、少しでも科学的に現状を把握するには、
重症患者数が目安になると、ぼくは考えています。
PCRに代わる“苦肉の策”ですが、延長されることが濃厚な緊急事態宣言がうまくいっているのかどうかも、
この重症患者の数である程度、判断できるのではないでしょうか。
経済活動を再開させていく目安にもなります。
ということを昨日のブログで書きましたが、
その日の夕方のテレビでも、人工呼吸器装着の重症患者数などを扱われようになりました。
1週間ほど前に実効再生産数についても書きました。
これも、テレビで紹介されるようになりました。
東京の実効再生産数は0.5、全国は0.7という数字が出ていました。
この推計値が間違っていなければ、とんでもなくいい結果です。
東京などは、このままいけば5日に半分ずつ指数関数的に下がっていきます。
1か月でヒトケタになる可能性は十分にあるでしょう。
専門家会議は数字だけを示しますが、その数字がなぜ出て来たのか、仮定と理論も説明してくれると、もっと理解しやすいと思います。
人のいないところで、自然に触れあいながらかかと落とし!
もう一つ、重症患者数で思うことは、なぜ日本は欧米に比べて少ないのかということです。
ただし、少ないから日本の病院は楽勝ということではありません。
もともと日本のICUは、欧米より少ない。
その小さなキャパのなかで、神経をすり減らしながら必死に重症患者を診ているのです。
これ以上、重症患者が増えていったら、日本は医療崩壊を加速してしまうでしょう。
しかし、数の問題からみたら、欧米より少ないというのは事実です。
なぜ、日本は重症患者数が欧米より少ないのか。
なぜ、実効再生産数が低いのか。
それは、以前も書きましたが、マスク着用に抵抗がないこと、手洗いをよくする、靴を脱ぐ、あいさつでボディタッチをしない、きれい好き、などの習慣が関係すると思われます。
それに加えて、フィジカル・ディスタンスをとるようにしたことで、さらに数字が下がった。
実効再生産数が1.0を切れば間違いなく収束へ向かいます。
問題は、この状態をどう維持するか、です。
経済活動の再開を進めながら、つねに1.0を切るような生活を続けていけば、
コロナをゼロにはできなくても、コロナとともに生きていくことができます。
ウィズ・コロナです。
日本に重症患者が少ない理由について、あえてもう一つあげるとすれば、BCGも少し関係しているかもしれません。
ここは意見が分かれるところです。
WHOは、BCGの新型コロナへの効果を否定しています。
もちろん、その通りです。
BCGは結核のワクチンなので、新型コロナの抗体を作ることはできません。
獲得免疫には影響は与えないのです。
しかし、BCGだけでなくワクチンのなかには免疫増強剤が入っていて、自然免疫をゆさぶっている可能性があります。
BCGを接種した子どもは、肺の病気にかかる率が4割も少ないというデータが出ています。
目的は結核の予防ですが、それ以外に呼吸器感染症を減らしている可能性があるというのです。
ポルトガルとスペインは、経済力や文化的レベル、習慣などが似ていますが、
新型コロナの致死率はポルトガルが3.2%、
スペインは10.5%
と大きな差があります。
スペインではBCGを止めてしまいましたが、ポルトガルは続けています。
日本だけでなくアジア全体が欧米に比べて致死率が低くすんでいるのも、
アジアの多くの国がBCGを続行しているからという推論もあります。
だからといって、新型コロナ予防のために、中高年がもう一度、BCGを受けるというのは提案してはいません。
PCR検査が少ない、安全な隔離場所の確保ができないという決定的なミスがあったにもかかわらず、
重症患者がこれだけ少ないというのは、自然免疫を賦活化するような生活の仕方があるのだと思います。
自然免疫は獲得免疫ほど大きなパワーがないので、科学的ではないといわれれば反論できないのですが、
ぼく自身は、自粛生活のなかでできるだけ自然免疫力を高めるように心がけています。
・サーカディアンリズムを大切にする
・軽い運動する
・体を温める
・腸にいいものを食べる(発酵食品や食物繊維)
そして、イライラしたり、激しい批判や暴力などの行為はストレスホルモンのステロイドが分泌されます。
ステロイドは免疫抑制に働くので、できるだけ心を穏やかにするようにしています。