テレビでは聞けない話
テレビはよく頑張っています。
はじめは、政府や専門家会議の話を分かりやすく伝える努力をしていました。
その後、PCR検査の抑制に疑問を持ち、検査拡大を求めるなど新しい動きを作ったことは評価できると思います。
この1週間ほどのテレビのトレンドは「陽性率」と「死亡数」でした。
ただ、どの局も同じような内容になると新味に欠け、かえって見ている人に届きにくいような感じがします。
視点を変えることが大事です。
昨日のブログで、重症者数に注目することについて書きました。
感染爆発をしているイタリアやアメリカに比べて、重症者数がとても少ないことが日本の大きな特徴です。
重症者数に注目することで、経済活動再開のバランスをとることができるのではないかとぼくは考えています。
医療崩壊を起こすか起こさないかも、重傷者数が関係しています。
感染者数の動向だけでは流行の実態がわからない、これがPCR検査の少ない日本の落とし穴です。
緊急事態宣言の出口は、感染者数が全国で100を切るのが目標だといわれますが、
PCR検査を今の10倍に増やした場合、感染者数が100を切るとはとても思えません。
専門家たちの考え方も、少しこの「落とし穴」にはまっているような気がしてなりません。
テレビでは死亡数に注目していますが、日本で本当に死亡数に注目していいのでしょうか。
超過死亡数でみると、日本は2月からインフルエンザは沈静化しています。
にもかかわらず、過去数年と比べても、死亡数は決して下がっていません。
おそらくこの中には、PCR検査をしていないだけで、実際には新型コロナで死亡した人が紛れ込んでいる可能性もあります。
ニューヨークのクオモ州知事も、アメリカの死亡数は6万人と公表されていますが、
実際にはもっと多い可能性があると言っています。
重症者数について、日本集中治療医学会が数字を公表しています。
4月30日の、人工呼吸器装着数を東京と北海道で比較してみると、一目瞭然です。
東京は4/26をピークに少し減ってきましたが、北海道では4/20から急激に伸びています。
新型コロナ患者の人工呼吸器装着数の推移。東京(左)と北海道のグラフ(日本集中治療医学会のHPより)
日本集中治療医学会
5月3日(日)の「日曜はがんばらない」(文化放送、朝6.20~)は
ゲストに免疫学者の宮坂昌之先生をお迎えします。
新型コロナと闘うには、かかった後やワクチン接種でできる抗体の話、つまり獲得免疫の話が注目されていますが、
宮坂先生は、もう一つの免疫、自然免疫も重要といいます。
自然免疫は、獲得免疫ほど大きな力はありませんが、それでもウイルスの侵入を防ぐための力をもっています。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには、治療薬やワクチンの開発、自粛要請といった政治の力が大切です。
しかし、そういう外部にすべて委ねるのではなく、健康や生活、社会を守るために自分は何ができるのかを考えることが重要だと思います。
コロナの真っただ中の今、そのことにきちんと向き合うことが、その後の生き方にもつながる。
ビヨンド・コロナを考えて、今を大切に過ごしていきたいと思います。
| 固定リンク