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2020年5月16日 (土)

悲観と楽観

一部解除にひっぱられ、日本全体が楽観的になるのが心配です。
まだまだ警戒が必要な東京、大阪。
特に、北海道は医療現場と介護現場が逼迫しています。

そんななかで2つの大国が、悲観的な数字なのに、楽観的な方針を出そうとしています。
どちらも、経済のために、国民の命をかけて危険をおかそうとしているような感じがします。
一つは、アメリカ。
アメリカは、136万9000人が感染し、8万2000人の死者を出しています。
もう一つはロシア。
ロシアは、イギリス、スペイン、イタリアを抜いて、世界2位の感染者24万人を出しています。

アメリカでは、感染対策の指揮をとっているファウチ博士が早期に経済活動を再開すれば感染が再び拡大するとして、反対しているにもかかわらず、トランプ大統領は解除に持ち込もうとしています。
そして、ロシアでは5/11、プーチン大統領が緩和宣言をしました。

日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)の現地スタッフに聞くと、モスクワの感染の勢いは衰えず、医療関係者の死亡者も多い、防護服が少ないために院内感染を起こしている、とのこと。
また、今後はモスクワの大都市から、医療レベルが違う地方へと広がることを心配するドクターの声も聞かれました。

日本とロシアで共通することがあります。
それは、死亡者数の少なさです。
日本の死亡者は660人、世界の不思議といわれています。
PCR検査が少ないために、見落としがある可能性もありますが、重症者も少数に抑えられていることから、本当に死亡者が少ないと推測できるというのが、このところぼくがずっと言ってきたことです。

一方、ロシアの死亡者数は2200人。
これは、政府が少なく発表しているだけと国民は思っているが証拠がない、と前述の現地スタッフはいいます。
確かにその可能性も否定できませんが、日本も、ロシアも、死亡者数が少ないという現実は認めてもいいように思います。
なぜ、死亡者が少ないのか、理由はわかりません。

ロシアでは6週間厳しいロックダウンをしています。
日本では、人との接触機会8割減を目標にしましたが、実際には65%程度の減に留まりました。
より科学的で効果のある方法をきめ細かく行うことができれば、大きな副作用を伴うロックダウンはしなくてもいいのではないかと考えます。

たとえば、新型コロナの感染の大きな要因は、接触と飛沫といわれていますが、多くの呼吸器感染症のように、せきやくしゃみに注意すればいいというわけではありません。
通常のおしゃべりや大声で歌うことなどによって、唾液が飛ばされて感染が広がることにも、もっと注意すべきだと思います。
イギリスでは、感染者につばをはきかけられた駅員が亡くなりました。
感染を防ぐために、手洗い、3密を避けること、換気をすること、そして、もう一つ、おしゃべりをしないことも重要だと思います。

岩手県のドクターに、感染者ゼロを守り続けている理由をどう考えるか訪ねると、
「岩手県の人は口が堅い、おしゃべりしないんだ」とのこと。
2人で大笑いしました。
もちろん、ジョークですが、おしゃべりが一つの感染ルートになっている可能性は無視できません。

人とおしゃべりするときには十分、距離をとること。
そして、しゃべることと、食べることを一緒にしないこと。
人間にとって楽しい時間を制限させるのは残念ですが、コロナ時代には必要な生活様式になっていくと思います。

今後、飲食店も再開されるなかで、飛沫が飛ばないようにアクリル板などで仕切る、席の並びを工夫するというお店が出てきています。
換気も重要なので、オープンテラスなどで飲食するスタイルも積極的に取り入れて、感染予防をしていくことが大切です。

悲観的な現実を、ただ楽観視するだけでは必ず、感染は再燃します。
緊急事態を2度、3度繰り返すようなことになれば、経済もたいへんな状況に陥っていくでしょう。
そんな事態を避けるためにも、みんなで知恵を絞っていくことが大事だと思います。

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