感染した人を大切にする空気
コロナ自粛が長引くなか、「我慢するのに疲れた」などという正直な声が聞かれます。
専門家は、現在の感染の波が収まった後も、第二波、第三波が来ることを想定しています。
その波を小さく抑えるには、しばらく感染予防を心掛けた生活を続けなければなりませんが、罰則規定のない自粛要請、しかも、接触を80%減らすという今のような自粛は何度もできないと思います。
でも、人との接触を50%にする、という程度ならできるような気がします。
そのために、やはり検査と隔離がカギになります。
陽性者をすべて見つけることはできなくても、かぜ様の症状や発熱があったら、すぐにPCR検査か抗原検査を行うこと。
そして、陽性者は居心地のよい、病院以外のところで過ごしてもらうように“隔離”を徹底すること。
この2つによって、陰性の人たちは経済活動を再会させていくことができます。
抗原検査は安定しないと否定する人がいますが、PCR検査ですら3割は陽性者を判断できず、陰性という結果が出てしまうといいます。
今後は、PCR検査と抗原検査を組み合わせて判断していくと専門家は話しています。
ぼくはずっと介護崩壊を心配してきました。
東京で24時間体制の在宅ケアをしているグループは、4人の陽性者をみているそうです。頭が下がります。
介護施設でも、陽性者の受け入れ病院が決まらず、全国で147人が施設内で療養しています。
施設内感染を広げないためには、命がけで働いている介護士や看護師、さらには同じ施設のグリーンゾーンで生活している入所者が検査を受けられるようにすることが大切です。
抗原検査をして陰性だと分かれば、介護士や看護師は自分たちの介護に自信をもつことができるでしょう。
もう一つ大事なことは、自宅で療養する陽性者が全国で約2000人にいるということです。
国は、症状の軽い人はできるだけ宿泊施設に入ってほしいとしていますが、なぜ、自宅に留まるのか、きちんと検討したほうがいいと思います。
ぼくは以前から、軽症の人は居心地がいい場所を用意したほうがいいと述べてきました。
リモートで医師や看護師とコミュニケーションがとれるというのが最大の魅力です。
東京医科歯科大学で、中等症で主治医から軽い運動を許可されている人に、
リハビリの専門医や理学療法士がかかと落としなどの運動を指導しているというニュースを見ました。
症状が安定し、ホテルなどの施設で“隔離”生活をしている人に、前向きになってもらえるようなお手伝いができたらいいなと思っています。
風に立つライオン基金では、まず東京医科歯科大学の中等症の人たちに運動のビデオを見てもらい、反応がよれれば、ビデオを作ろうと、さだまさしさんと話しています。
2週間の生活が耐えられるように、食事の工夫なども考えていく必要があるでしょう。
もっとも大切なのは、陽性になった人を批判したり差別したりしない空気です。
社会を感染から守るために、法律ではなく、自主的に隔離してくれることに感謝できるようになればいいなと思います。
この緊急事態で人との接触を抑制してきたぼくたちは、これからも50%くらいの抑制ならできると思います。
自由な経済活動をするためにも、PCR検査と抗原検査、抗体検査をしながら、隔離を徹底していくことが大事だと思います。
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