« 感染した人を大切にする空気 | トップページ | あたたかな活動を支援 »

2020年5月12日 (火)

命、心、経済を守るために

ぼくはこのところずっと、重症者数と実効再生産数に注目しています。

新型コロナの人工呼吸器装着件数は、
全国ではピーク324から昨日の225、
東京ではピーク88から昨日53へと下がっています。
エクモは全国では63から33へ、
東京では19から7へ。
着実に、重症者数は減少してきています。

実効再生産数はどうでしょうか。
ドイツでは、少し解除したところで1.13になりました。
これが続けば、再び規制を始めるといっています。
イギリスでは1.0以下を明確な目標にしています。

日本の現在の実効再生産数は、Rt-Covid19 Japan都道県別新型コロナウイルスの実効再生産数によると、
北海道0.3
東京0.28
大阪0.47
多くの地域が0.5以下になっています。

重症患者数と実効再生産数の2点だけみると、緊急事態宣言は明らかに効果があったといえるでしょう。
しかし、これだけではまだ十分ではありません。
新型コロナ病床の空き状態と、その地域の介護施設で介護崩壊が起きていないかということを考えることがとても重要です。
ヨーロッパの死亡者の半数は施設入所者といわれています。
介護崩壊はそれほど怖いのです。
東京や石川ではベッド数の確保が難しいということで、もうしばらく自粛が必要でしょう。

医療崩壊や介護崩壊を防ぐには、検査が不可欠です。
いまデイサービスなどは休んでいるところが多いですが、デイサービスは長期的にみて、認知症予防や介護度を進めないためにとても重要です。
介護サービスを利用するときや、新たに施設に入るときには、せめて抗原検査をしたいものです。
できればPCR検査をしたいところですが、日本の現状から考えると恥ずべきことですが、難しい。
国が費用をもつ形で、せめて抗原検査を行い、日本の介護を守ることが必要です。

大学病院ではすでにPCR検査を行っているところもありますが、市中の病院では簡単にはできません。
せめて抗原検査を上手に活用することで、院内感染のリスクを減らすようにしたいものです。
そして、陽性者を見つけたら、施設を充実させて隔離生活を送ってもらうこと。
そうすることで、間違いなく死亡者数も陽性率も低下させることができるでしょう。

今のような厳しい自粛が続くと、うつ病や自殺者が多くなります。
感染の不安だけでなく、経済的な不安、困窮、家庭のなかに一気になだれ込んだ仕事と子育て、オンとオフがなくなったことによるストレス。
命だけでなく、心も、暮らしも疲弊しています。

アメリカではニューヨーク州だけで、重症者数が一日平均600人が新たに出ています。
日本で人工呼吸器やエクモが必要な重症患者は累積でも、ニューヨーク州の半数以下です。
これは欧米に比べて奇跡的数字といわれています。
そのことに自信をもって、
命を守ること、心を壊さないこと、経済を守ることの3つを念頭に、
明確な方針を示してもらいたいと思います。

|

« 感染した人を大切にする空気 | トップページ | あたたかな活動を支援 »