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2020年6月

2020年6月30日 (火)

コロナで何が変わるか1

高齢者も自粛要請中にリモート購買をし始めています。
それにともなってITリテラシーも上がり始めています。
IT担当大臣がはんこ議連の会長をしていたなんていう笑い話がありますが、政府が一番遅れているのかもしれません。
ITリテラシーが上がると、政治意識もむしろアップしていくのではないか。
一人一人が自分の意見を持つというのは、とてもいいことだと思います。

もったいない精神が広がって、洋服を買わなくなったり、
サスティナブルなファッションが流行ったりするようになるのではないかと思います。

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グリーンリカバリーも広がっていくでしょう。
政府も前向きになったほうがいいと思います。
経済政策でお金をジャバジャバ使うならば、環境を改善していく方向に使ったほうがいいと考える人も増えていくと考えます。
グリーンニューディールです。

最大の変化は、地方分散改革。
東京一極集中は、新型コロナの感染予防が難しいことがわかりました。
リモートワークをしているうちに、これならばもっと環境の良い地方で生活したほうがいいと、多くの人が思いはじめています。
移住したい県3年連続日本一の長野県は、空き家を紹介したり、仕事を探したり、
必死で移住をすすめています。
コロナを超えながら、価値観がどう変わっていくのかを考え続けています。
・・・続く

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2020年6月29日 (月)

コロナと価値観の転換

72歳の誕生日に、佐賀県の溝上薬局の溝上さんから72本のバラをいただきました。
溝上さんは、鎌田塾を開き、塾生1000人と健康づくりをしたり、まちかど図書館鎌田文庫を作ったり、佐賀を健康長寿にする活動を一緒に取り組んでいます。

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ビヨンド・コロナで価値観が変わると考えてきました。
たとえば、葬儀は簡略化され、オンライン葬などというものも定着していく可能性があります。
医療では、オンライン診療が行われはじめていますが、病院へ行かない患者さんが増えてくる可能性があります。
今まで「病院へ行く」ことが、先進国のなかで突出して多いといわれていましたが、オンラインで診療を受け薬を出してもらい、検査のときだけ病院に行くという形が当たり前になるかもしれません。
自殺者は、前年比20%減っていますが、このまま減っていく可能性もあります。
何よりも変わるのは時間感覚の変容。
自粛要請中の生活リズムが体に変化を与え、時間感覚が変化していく可能性があるように思います。

価値観の大転換が起こるなかで、どう生きたらいいのかを考え続けています。

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2020年6月28日 (日)

コロナ後は心の時代

古い本を読み直しています。
自分の人生を作ったような、特に高校時代から大学時代にかけて読んだ本。
マガジンハウスから「鎌田實の人生図書館」を書かないかと頼まれ、しかも、絵本や映画にも触れてほしいといわれ、グッと来てやる気になってしまいました。
宮沢賢治を読み出したら面白くて面白くて。
三島由紀夫を読んで、ガルシア・マルケスを読んで・・・・。
大江健三郎は難解で面倒だなあと思っていましたが、『万延元年のフットボール』(講談社)などはやっぱり物語としてよく出来ているなぁと感動してしまいました。

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コロナ後には、心の時代がやってくると思っています。
ビヨンド・コロナを生き抜くために、72歳になったぼくの心と体にどれだけ良い刺激を与え続けられるか。
本のおもしろさを堪能しています。

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2020年6月27日 (土)

コロナと口の堅さ

陸前高田の友人からウニが送られてきました。
お礼に、スクワットのDVD と『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)を送ろうと思っています。

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岩手県では一人も新型コロナの感染者が出ていません。
潜在的に感染者がいるのかどうかは抗体検査で推測できます。
抗体検査1000人の結果でも、やはり抗体陽性者は一人もいなかったということです。

以前、なぜ岩手県では感染者がいないのかというと、口が堅いからという冗談を書きましたが、
しゃべったり、歌ったりするときに口腔内の唾液を飛ばすことが、感染リスクを高めることがだいぶわかってきました。

プロ野球は、観客を入れることを決定したといいます。よいことだと思います。
応援の仕方を少し変えて、みんながマスクをして、できるだけ歓声は上げず、拍手と足踏みなど、体で表現すればいいのです。
コンサートだって、そう。
声を出さないことを守り、マスクをして、しっかり手洗いをすれば感染リスクは下がります。
ウイルスは100個や200個では感染しません。
100万個くらいのウイルスが侵入しなければ、感染しないのです。

鎖国をしてるわけではないので、岩手県にも他の地域から人が入っています。
ウイルスが持ち込まれても、他の人に広がらないようにすればいいのです。
それゆえに、感染者がゼロといっても、マスク着用や手洗いは必要。
そして、話すとき、歌うときには感染リスクが高いことをよく理解して振る舞うことです。
食事をするときには、黙って食べることも守りたいものです。

こうしたルールを徹底することで、芝居も、コンサートも、会場の定員を50%にできるのではないかと思います。
みんながルールを守りさえすれば、もっと自由にいろんなところへ行って楽しむことができるでしょう。
リスクの高いバーやクラブなど、接待を伴う飲食店は、PCR 検査を徹底することを前提にして、
商売が続けられるようにすることが大事です。
感染者ゼロを目指さず、柔軟な方針のもとに、みんながルールを守ること。
そうすることで、コロナ疲れから脱却し、経済活動も止めずにすむと思います。

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2020年6月26日 (金)

コロナと介護崩壊

#コロナと介護崩壊 を防ぎ入りたいと思っています。
風に立つライオン基金では、感染症対策を支援するために、40近くの介護施設に医師や看護師を派遣したり、オンラインでつながったりして支援してきました。
感染症対策のレクチャーや、ガウン、マスクなどの資材も提供してきました。
この活動が評価され、新型コロナウイルス拡大防止活動基金から約1300万円の支援を受けることが決定しました。
ありがたいことです。
これから第二波に備え、全国250の介護施設に感染対策の普及をしていきます。
手袋やアルコール消毒液、ガウンなどの資材の支援もしていきます。
資材が足りないという介護施設は、風に立つライオン基金にSOS を出してください。

https://lion.or.jp/

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札幌の介護老人保健施設茨戸アカシアハイツの看護師さんから、陽性者がゼロになり、現地の対策本部も解散したとメールをもらいました。
この施設では利用者、スタッフに92人が感染し、17人が亡くなりました。
スタッフが自宅待機になるなど人手が不足し、介護が立ち行かなくなるなか、被災地の看護師派遣などで活躍しているキャンナスが支援に入りました。
後でわかりましたが、アカシアハイツに支援に入った看護師さんは、偶然にもJIM-NETで働いていた人でした。

風に立つライオン基金では、この看護師さんを勉強会に迎え、
今後、第二波でも介護施設でクラスターを出さないために、体験談をレクチャーをしてもらおうと思っています。
介護崩壊をすると、新型コロナに感染した要介護者を病院でみることになります。
それは、病院の負担も増やし、医療崩壊にもつながります。
こうした事態を防ぐために、引き続き全力投球していこうと思っています。

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2020年6月25日 (木)

コロナとジャズ

山形県のシベールアリーナは、山形出身の作家・井上ひさしの芝居を上演できるような劇場として、地元のお菓子屋さんのシベールが作りました。
芝居や、落語、ジャズのコンサートなどを行う、芸術、文化の発信拠点として多くの人に愛されてきました。
近くには、井上ひさしの寄贈本を収めた遅筆堂文庫もあります。

しかし、そのシベールが民事再生法で倒産。
東ソー株式会社が命名権を得て、現在は「東ソーアリーナ」として引き継がれることになりました。
東ソーアリーナそよ風基金がクラウドファンディングを行い、たくさんの応援者から586万円の寄付が集まりました。

ぼくは、シベールアリーナ時代に、加藤登紀子さんからすばらしい劇場なので応援してあげてほしいと言われており、
昨年、鎌田實・坂田明のトーク&ジャズコンサートを行いました。
大好評でした。

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今年は、7月24日に鎌田實・中本マリのトーク&ジャズコンサートを行います。
コロナに負けない健康法や、コロナ時代を生きるヒントを講演する予定。
中本マリさんは、ピアノの加納新吾さん、ベースの米木康志さんとともにすてきなライブを聞かせてくれます。
「スイングジャーナル」でボーカル部門8年連続人気第一位という歌姫の中本マリさん。
ぼくも大ファンで、「日曜はがんばらない」にも、ゲスト出演もしていただきました。

もちろん、ホールは密を避け、定員を50%に。
近くには、かみのやま温泉があり、古窯に泊まります。
ぜひ、温泉に入りながらコロナ疲れを癒し、最高のジャズを聴いてみませんか。

音楽、芸術、文化は、不急だけれど、不要ではありません。
音楽や芸術、文化を大事にしたいものです。

 

東ソーアリーナのホームページはこちら↓

http://www.gen.or.jp/

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2020年6月24日 (水)

#イラクにマスクを

イラクの3か所の病院にマスクや消毒用アルコールなどを送るため、JIM-NETとJCFはクラウドファンディングを開始しました。

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イラクでは、このところ感染爆発が起こり、1日の陽性者が1800人近くになりました。
4、5月はロックダウンが成功し、非常に少ない数で推移していましたが、ラマダンによって崩れてしまいました。
ラマダンは、太陽が上っている間は絶食しますが、太陽が沈むと皆が集まって食事をするという習慣があります。
これが、感染爆発につながったようです。

もともとイラクはイラク戦争によって医療が疲弊していたところに、テロ組織ISが台頭。
ISに病院を乗っ取られるなど、病院は困難な時期を過ごしてきました。
特に、モスルのイブン・アル=アシール病院などは余力が全くありません。
プライマリーヘルスケア診療所も、難民キャンプにありますので、感染者が一人出れば、クラスターになり、
クラスターが広がれば、日本のように緻密に追跡して防ぐことができず、すぐに大火になってしまいます。
首都バグダードの病院も、戦争の爪痕は大きく、コロナ対策が十分とは言えません。
消毒用のアルコールも、ガウンも、マスクもないないづくしです。

ぜひ、白血病の子どもや、難民キャンプの子どもの命を守るために、ご協力をお願いいたします。

JIM-NETのホームページ

https://www.jim-net.org/2020/06/19/5735/

寄付はこちら↓

https://syncable.biz/campaign/1115/

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2020年6月23日 (火)

コロナと認知症

『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)の3刷が決定しました。
絶好調です。
台湾での翻訳出版も決まりました。

いろいろなメディアの取材が入っています。
近々、「婦人公論」にインタビュー記事が掲載される予定。
6月26日の信濃毎日新聞朝刊にも、大きく取り上げられます。
ありがたいことです。

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日刊スポーツで、51回の連載をしましたが、大好評につき小冊子になります。
新聞社がプレゼント用にするそうです。
ちょうど自粛期間中で、認知機能を低下させないためにどうしたらいいか書きました。
この内容は、インターネットでも読むことができます。

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2020年6月22日 (月)

コロナとリテラシー

諏訪中央病院の若手医師たちが、住民に新型コロナについて理解してもらおうと、茅野市と諏訪中央病院のホームページで情報をわかりやすく更新しています。
さいわい、この地域では大きな感染の発生はありませんでしたが、第二波には十分に注意して備えておく必要があります。

茅野市では、必要に応じて、諏訪中央病院の駐車場の一角にプレハブを建て、発熱外来をつくることを検討しています。
ここで、医師が問診、診察、PCR検査を行えるようにするということです。
とてもいいことです。

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新型コロナのリテラシーを高め、恐れすぎず、侮らず、最善の準備をしておくこと。
そして、感染した人をバッシングしたりすることなく、人権が守られるようにすることが大事です。

感染しても、安心して自主隔離できるようなサポートと、
人に感染させる期間を過ぎたら、地域も職場もあたたかく迎えることができる社会になることを願っています。

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2020年6月21日 (日)

感謝状

東京医科歯科大学病院では、新型コロナ感染症患者の治療に一丸となって取り組んできました。
中等症や重症の患者さんにリハビリをし、中等症の患者さんにはかかと落としをしていると聞き、患者さんや病院スタッフに向けてDVDをつくって送りました。
鎌田は、スクワットとかかと落としを実演し、
さだまさしさんは患者さんと病院スタッフのために「いのちの理由」を歌っています。

その感謝状を、東京医科歯科大学の学長と病院長からいただきました。

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「わたしが生まれてきたわけは、どこかのだれかに救われて
わたしが生まれてきたわけは、どこかのだれかを救うため」

「いのちの理由」には、そんな歌詞がありますが、大学病院で働く人たちの心をわしづかみにしたみたいです。

ぼくは毎年1回、臨床教授として授業をしています。
ふだんなら今頃授業するところですが、なかなか予定が立たない状況が続いています。

Photo_20200621120401 東京医科歯科大学病院で、回復した新型コロナ感染症患者さんを囲んで

スタッフや学生からのメッセージが書かれた色紙もいただき、それぞれの立場でがんばっている姿が伝わってきました。

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2020年6月20日 (土)

発症10日後に退院

アメリカ疾病対策センター(CDC)やWHOは、入院期間を発症後10日としました。
日本もそれにならうといいます。
いいことです。

このブログでも、台湾のデータでは発症後6日、ドイツのデータでは8日で、ほとんどウイルスが出なくなったり、PCR検査陽性でもほとんど感染させていないということがわかった、と書きました。
大事をとって入院2週間という気持ちもわかりますが、コロナ疲れもあるので、できるだけ短いほうがいいと考えています。
短い期間なら、自主隔離しようという集中力が続きますが、長くなると逃げたくなってしまうからです。
そういう意味で発症後10日で退院というのはいい判断です。
しかもPCR検査をしなくていいということです。
ほかの人に感染させる確率が低いのに、PCR検査陰性になるので1か月近くかかる人がいました。
本人の精神的ストレスも大きく、病院も負担も大きい、いいことはありません。

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人に感染させる危険性が高いのは、発症前後の4日間。
発症前に気づくのは難しいので、いつもマスク着用、手洗い、3密を避けるといった感染予防習慣を身につけることが大事です。
新型コロナの感染の特徴がだいぶわかってきました。
専門家や自治体は何から何まで縛るのではなく、どうしても守るべきことを明確に示してもらいたいと思います。

              ◇

来週22~26日の「生島ヒロシのおはよう定食」(TBSラジオ、朝5時~)に5日間連続で出演します。
新刊『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)をひも解きながら、コロナ時代に認知機能や健康を守るコツについてお話します。
ぜひ、お聞きください。

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2020年6月19日 (金)

コロナとデイサービス

新型コロナは、介護の世界にも大きな影響を与えています。
特に、デイサービスは経営の危機に瀕しています。
緊急事態宣言で多くの人が利用を控え、ケアマネジャーも家庭訪問ができず、新規利用者をサービスにつなげることもできませんでした。
このような状態が続けば、経営を維持するのが難しく、すでに7施設が倒産しています。

利用できなかった高齢者も、厳しい状態が追い込まれています。
デイサービスの入浴介助を受けられず、2か月も入浴できない人がいたり、歩けていた人が、自粛生活で歩けなくなったり。

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負の形ではありますが、デイサービスやデイケアの存在価値がより明確になりました。
これから来る感染の第二波、第三波に備えながら、どうしたらデイサービスやデイケアを続けていくことができるのか。
国は、事業所の経営を補助することも含めて、安全に介護サービスを提供するための方針を出さなければいけないと思います。

 

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2020年6月18日 (木)

スウェーデンから学ぶ

スウェーデンでは、新型コロナの感染者が一日で1474人、過去最高になりました。
世界からは集団免疫理論の失敗と呼ばれています。
死亡者数も、4874人に達しています。
北欧の隣国ノルウェーに比べても、人口100万人当たりの死亡者は10倍近くになります。
ジョンズホプキンス大学は、スウェーデンの感染者の死亡率は10%とかなり高い数字を出しています。
そういう意味では「失敗」と言われても仕方ないでしょう。

4月の「ニューズウィーク」の記事では、スウェーデンの専門家が5月中にはストックホルムで集団免疫ができ、
感染者が激減していくと語っていましたが、実際には集団免疫はできていません。
スウェーデンでの抗体保有率はいろいろなデータがありますが、おおむね7.3%です。
人口の60%までにはまだまだ先が長く、すでに5000人弱の死亡者が出ています。
生活、行動を自由にしても、思いのほか感染していないのです。

スウェーデンでは、ロックダウンをせず、自由な経済活動をして通常の生活をしてきた結果、人口100万人あたりの死亡者数は400人前後。
なのに、厳しいロックダウンをしてきたスペインやイタリア、イギリスでは500人前後とむしろ高いのです。
アメリカもロックダウンをしましたが、それほど感染の勢いを止められませんでした。
ロックダウンに意味があるのか、これから専門家が検証していかなければならないと思います。
日本の緊急事態宣言も効果はあったとされていますが、実際には1週間前にピークを迎えていました。

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以前、このブログで、ロックダウンとスウェーデン方式の間にヒントがあるのではないかと書きました。

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-cc45ad.html

スウェーデンのコロナ対策の最高責任者は、次第に新型コロナ感染症の感染の特徴がわかってきたので、ロックダウンとスウェーデン方式の中間にしたらいいと述べています。
妙を得ています。

感染拡大を防ぐには、全国一律に規制をするのではなく、クラスターが発生した地域では、より注意する、というような迅速かつ柔軟な対応が求められます。
そして、感染者が出たら、その周りのより広い範囲の人にPCR検査をして、陽性と出たら、人に感染させるリスクが高い期間だけ早期隔離するようにする。これしかありません。
また、経済活動だけだなく、高齢者や障害者が、安心して介護サービスを受けられるようにすることが大事です。

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2020年6月17日 (水)

tenbo×JIM-NETコラボ第2弾

千葉そごうで16~22日まで、ファッションデザイナーのtenboさんのポップアップショップが開催されています。

tenbo×JIM-NET コラボレーション第2弾
「CAT BLESS YOU 猫のご加護がありますように」

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イラクの白血病を克服した女の子ハウラちゃんの絵をtenboさんがデザイン。
すてきなTシャツやマスクができました。

tenboさんは、チョコ募金のチョコ缶をモチーフに、SUGIZOさんのステージ衣装をデザイン。
この衣装も展示されています。

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ぼくは、イラクの子どもがかいた絵のtenboさんTシャツがお気に入り。
『認知症にならない29の習慣』(朝日出版)では、このTシャツを着てコグニサイズをしています。

お近くの方は、ぜひ訪ねてみてください。

 

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2020年6月16日 (火)

コロナとNPO経営危機

JCFの理事会と総会がありました。
現地スタッフとzoomでつなぎ、現地の状況を理事や総会メンバーに説明してもらいました。

30年、JCFの代表をしてきましたが、今年は最も厳しい年です。
昨年10月からデモや政情不安で、渡航を見合わせ、
今年になってからは新型コロナ感染拡大で現地に赴くことができませんでした。
経営も厳しく、2300万円の赤字が出ました。
これが2年ほど続くと、活動は立ち行かなくなってしまいます。

新年度の予算は9300万円。
すでに外務省の補助金をもらい、イラクの血液バンクの充実や、ISによって崩壊されたモスルの病院の集中治療室の充実を行う予定です。
ここへ来て、コロナ感染症が増えているために、感染予防のために、クラウドファンディングなどをする必要がありそうです。
4つの診療所はとてもうまくいっており、イラク国内でも高い評価を受けています。
これからも、チェルノブイリの支援や福島の支援、そして、JIM-NETとともにイラクの支援を行っていこうと思っています。

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JIM-NETでも、約830万円の赤字です。
来年度の予算案は1億5000万円。
大変好評をいただいているJIM-NETハウスの第二号を作ろうということで、やはり外務省と補助金の相談をしているところです。
新型コロナでNPOの運営は非常に厳しくなっています。
企業から支援も少なくなりました。

2つのNPOは、現地で精力的に活動しています。
日本人スタッフは渡航できないものの、現地スタッフががんばっていい形ができています。
早く新型コロナが収束し、イベントなどでたくさんの人に理解していただき、活動の幅を広げていきたいと思います。
ぜひ、ぼくたちの活動にご支援をお願いいたします。

・・・・と、NPOの経営の厳しさを書いているところに、たった今、朗報が!
JIM-NETにある方から1000万円の寄付があったというのです。
“神様”は、見ていてくれるんですね。
感謝です。

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2020年6月15日 (月)

コロナと朝食と「脳出血」

新型コロナに感染すると重症肺炎が心配といれていますが、
もう一つ大きな心配は、血管に炎症が起きて、脳梗塞や脳出血を起こしやすくなることです。
ACE2(アンジオテンシン変換酵素)が口腔内に多いだけてなく、血管の壁にも多くなることがかわっています。
血管炎が起こると、全身で脳卒中や、肝臓の障害、腎臓の障害も起こしやすくなっていきます。

昨日は、朝食を抜くと肥満につながるというラットの実験について書きましたが、朝食は脳出血にもかかわりがあります。
国立がん研究センターを中心にした研究チームが、8万人の追跡調査した結果、
朝食を食べない人は食べる人より脳出血の発症率が36%高く、虚血性心疾患の発症リスクが27%高いことがわかりました。

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高血圧にもかかわりがあります。
朝、血圧は上昇しますが、朝食をとると、ストレスホルモンのコルチゾールを抑制し、血圧が下がるといわれています。
朝食を食べないと、脂質異常症や糖尿病のリスクも上げます。
さらに論文を探してみると、鳥取大学は朝食抜くと、死亡リスクが1.3倍になると発表しています。

もちろん、一日のエネルギー摂取量が多すぎると肥満になりますが、
朝食を抜くことは、健康にとって決定的に間違いということを覚えておいてください。

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2020年6月14日 (日)

コロナと朝食と「肥満」

運動不足で、#コロナ肥満 になったという人いませんか。
体重を落とそうと、一食抜こうとする人がいますが、これは逆効果。

そもそも朝食を抜くと、肥満やメタボになりやすいと感じていましたが、それを裏付けるな実験があります。
名古屋大学のラットの研究では、朝食を4時間遅らせたところ、ラットの体重が増加したとか。
体内時計にずれが生じ、エネルギーの消費が悪くなったためと推測されています。

以前、このブログで自然免疫を高めるために、サーカディアンリズムを整えることが大事と書きました。
サーカディアンリズムを整えるには、朝太陽に当たることと、朝食をとること。
朝食をとらないと、リズムが乱れてしまい、自然免疫力が低下するだけでなく、肥満にもつながるということです。

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ヨーグルトや牛乳をとるだけでなく、しっかりと食事をとると、細胞のなかにある時計遺伝子に刺激を与えます。
体温も上がり、代謝もよくなります。

肥満を解消したい人は、朝食は1割くらい減らす程度で、あとは運動で体重を落としましょう!
スクワットなどで筋肉をつけると、太りにくい体になります。
ぼくは食べること大好き人間ですが、貯筋をしてからは大きな体重増はありません。

太りたくないなら、朝食を忘れないように!

 

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2020年6月13日 (土)

はがきでつながる

数年前、がんばっている書店で、年20店舗ほどミニ講演をしていた時期があります。
応援の意味を込めて、できるだけ小さな書店を選びました。
大阪の隆祥館書店には、4回行きました。

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尼崎市の小林書店もその一つ。
5月中旬に放送されたNHK総合テレビの「集まれないけど、つながる」という番組を見て、はがきをくれました。
このことは以前、このブログで紹介しました。

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-059921.html


物理的距離をとりながら、社会とつながる、人とつながる方法をもつことは、
#コロナに負けない生き方 につながります。
「ニューノーマル」になっても、はがきや電話は人とつながるうえで大事な手段です。

                  ◇

現在発売中の「週刊文春」は、文春砲がさく裂し、あるお笑いタレントのスキャンダルが暴かれました。
その号の「阿川佐和子のこの人に会いたい」では、鎌田實が紹介されています。
今回は二度目。

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新刊『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)を題材にしながら、サワコさんの激しい突込みで、おもしろい対談になりました。
さすがに「聞く力」のある人です。
どうぞ、お読みください。

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2020年6月12日 (金)

コロナと在宅ケア

「中央公論」7月号の特集「コロナ・文明・日本」で、
ぼくは介護崩壊を防ぐことの重要性を語りました。

介護崩壊を防ぐことは、医療崩壊を防ぐことにもつながり、日本を土俵際で守ることになります。
そのために、風に立つライオン基金では、介護施設にマスクやガウンを送るなどの活動を続けています。
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また、介護施設だけでなく、在宅ケアのサポートも重要になってきます。
在宅療養をしている高齢者や障害者のなかには、新型コロナに感染した場合、入院したくない、人工呼吸器をつけたくない、と希望する人が多くいます。

日本では、死に方についてあいまいにしている人が多いと考えていましたが、新型コロナ感染が広がるなかで、自分の命のことをどうするか、具体的に考えるか人が増えてきているのではないかと感じます。

本人がきちんと自己決定した場合、その希望にこたえて、在宅ケアを展開していこうという医療者もいます。
都内で在宅ケアを展開するグループでは半数近くの医師が、希望にこたえたいとしています。
そうした気概のある医療者に感動し、医師や看護師だけでなく、ヘルパーや家族の分も含めて、身を守るためのガウンやマスクを送るなど、応援したいと思っています。

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#コロナ時代の在宅ケア は変化を求められます。
まずは、第二波、第三波が来たときの準備として、介護施設や在宅ケアを応援していくことが重要だと考えています。

 

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2020年6月11日 (木)

ついに1位へ

『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)の増刷が出来上がりました。
新聞や週刊誌、ラジオなどでも紹介され、好評いただいています。

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三省堂神保町本店4階「趣味・生活コーナー」では、
今週のベストセラーランキング第1位になりました。
巻頭には、ぼくが実践している新型コロナに負けない7つの習慣も、特別収録しており、いままさに役立つ内容です。

ぜひ、お読みください。

6月14日(日)の「日曜はがんばらない」(文化放送、朝6時20分~)では、
この本をリスナーにプレゼントいたします。
番組を聞いて、応募してください。

関東圏以外の方は、ラジコか、後日、番組HPから聞くことができます。

http://www.joqr.co.jp/kamata/

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2020年6月10日 (水)

マスク熱中症

アベノマスクがまだ届いていません。
マスクはどこへ行ってしまったのでしょう。
もう忘れてしまいそうです。

なぜマスクが必要なのか、もう一度考えてみたいと思います。
このところ東京でクラスターが発生しているのは、ホストクラブなどの「夜の街」。
密着、密接もありますが、換気の悪いところでおしゃべりをすることで唾液が飛び交い、感染リスクを高めている可能性があります。

孫正義さんのソフトバンクグループでは、4万4000人の抗体検査をしました。
コールセンターは0.41%と、ほかの職種に比べると高い結果になりました。
しゃべるという行為が感染リスクが高いと考えると、やはり、夏でもマスクは必要と考えたほうがいいでしょう。

新型コロナは、無症候性の感染者が5%、軽症の人が45%といわれています。
1週間もすれば、人に感染する力はほぼなくなるといわれています。
その1週間を、本人が気づいていなくても、人に感染させないようにするには、マスクが必要です。
マスクは、飛沫が周囲に飛び散るのを防ぎます。
周囲に飛び散った飛沫を触ったときには、手洗いをして感染を防ぎます。
つまり、マスクと手洗いは、感染予防の基本なのです。
日本で感染者や死亡者、重症者が圧倒的に少ないのは、このマスクと手洗いのお陰だと思います。

しかし、これからの季節、マスクをしていると熱中症の心配があります。
マスクをしていると、体の表面温度が3度ほど上がることが確認されています。
これにより呼吸数や心拍数も上がります。

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#マスク熱中症 を防ぐには、次のことに注意しましょう。

①水分を多めに補給
マスクをしていると口の周りだけ湿気を感じるので、のどの渇きを感じにくくなります。
こまめに水分を補給しましょう。
コーヒーやお茶など利尿効果のある飲み物を飲んだときには、さらに多めの水分をとるようにします。

②ときにはマスクを外す
人が密ではなく、換気されているところでは、マスクを外してよいでしょう。
人が多くても、十分に距離が保てる場合、マスクを取って熱苦しさを解消してもいい。
ただし、おしゃべりが感染リスクが高いので、人とおしゃベりをするときにはきちんとマスクをします。
パチンコや満員電車で思ったほどクラスターが出ていないのは、どちらもあまりしゃべらないからだと思います。

③貯筋しよう
筋肉は水分を貯蓄するタンクです。
筋肉が少ない人ほど熱中症になりやすいので、本格的に暑くなる前からスクワットなどで筋肉を鍛えるようにしましょう。

④汗をかく練習をする
汗をかくことは体温調節の大事なしくみ。
スクワットや壁立て伏せ、腹筋、以前紹介したコグニサイズなどをして、汗をかきましょう。

熱中症になって救急車で病院に運ばれること自体が、感染リスクを高めます。
できるだけ病院に負担をかけないように、自分で体調管理をすることも、コロナ時代には大事です。

 

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2020年6月 9日 (火)

コロナ時代を生きるヒント

新型コロナ感染が広がるなかで、映画監督の大林宣彦さんががんで亡くなりました。
大林監督は、「余命半年と言われた。ものづくりをする人間は何でもプラスにするんだ」と言って、死の告知を受けた後も、新作の映画作りに命を懸けました。
最後まで自分の人生を全うされたように思います。
監督の生き方、死に方は見事でした。

新型コロナに感染した志村けんさんは、一人で逝ってしまいました。
家族は最期にも立ち会えませんでした。
お兄さんは「本人はまだ死んでいないのではないか」と言っていましたが、本当にそう思います。

コロナ時代の死は「さよなら」が言えません。
感染症になった人だけでなく、今、多くの病院や施設で面会を断っています。
諏訪中央病院では、チェックをしたうえで、できるだけ面会できるようにしてきました。
茅野市では感染が発生していないことや、諏訪中央病院の玉井先生が「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」を書くなど、若手医師らが市民のリテラシーを高める取り組みをしていることもあって、お別れの場に立ち会うことができています。

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月刊誌「潮」で、約2年、全国を取材をして歩きました。
東日本大震災の被災地で「幽霊」がでる場所とでない場所があるのはなぜかと思い、東北を訪ねました。
「幽霊」が癒しになっていることがわかりました。
沖縄にも行きました。
シャーマンのユタやノロがいま、なぜか注目されています。
「あの世」について研究している学者とも語り合いました。
生命倫理のカール・ベッカー教授ともお会いしました。
「死」を少しでもわかりたい、そこから「生」が見えてくると思ったのです。
生と死の間にある「クッション」にも興味を持ちました。

7月4日、『コロナ時代を生きるヒント』(潮出版)が発売されます。
『がんばらない』(集英社)からちょうど20年。
『がんばらない』は、死についてたくさん書いています。
今も、緩和ケア病棟の回診をしながら、クオリティー・オブ・デス、死の質を上げることで、もっと生きることが楽になるのではないかと思っています。

死を通して、生を見つめた『コロナ時代を生きるヒント』
ぜひ、読んでいただければと思います。

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2020年6月 8日 (月)

ゼロリスクを目指さない

日本で、新型コロナで亡くなった人は約920人。
PCR検査の実施数が少ないので、世界はこの数字をあまり信じていないようです。
もちろん、ぼくも信じていません。
その代わり、重症者数は嘘はないと思います。
日本の医療レベルから、重症患者を見逃すことは考えられません。
現在、人工呼吸器やエクモにつながっている患者さんは120人。
ピークの3分の1程度に下がりました。
非常に少ない数字です。
重症者数がこれくらいに抑えられているということは、死亡者数も大きくは間違っていないと思われます。

2018年の統計では、インフルエンザで亡くなった人は3325人。
同年、肺炎で亡くなった人は9万5000人でした。
この事実のなかで、新型コロナの重症肺炎で亡くなった人は920人というのは、
今後、ぼくたちの国が命と心、経済の3つをどうハンドリングしていったらいいのか考えていくうえでの基本だと思います。
だから、新型コロナに対して楽観的でいいのだと言っているわけではありません。
このウイルスは、とんでもなく厄介です。

一歩間違えれば、イギリスのように4万人の死者を出していたでしょう。
ぼくは次の3点について、イギリスを他山の石としたいと思います。
第一は、ロックダウンが遅かった。
イギリスは3月23日にロックダウンが行われましたが、3月12日に実施されていれば、
1万3000人の命が助かった可能性があるといいます。
第二は、PCR検査が少なったこと。
現在は、1日20万人超に拡充されていますが、日本はいまだに恥ずかしい状態です。
第三は、介護施設での失敗。
これは、ぼくがいちばん言いたいところです。
イギリスの死亡者の半数は、福祉施設で出ているといわれています。
一つの施設で5人以上の感染者が出たら、すでに感染が広がっているとして、検査をしませんでした。
これはとんでもない失敗であったと思います。
日本では、陽性者と陰性者のゾーンを明確に分けなかったため、千歳市の老健では70人以上の感染者を出し、10人以上が死亡しました。
感染を広げないためには、明確にゾーンを分けて、接点をつくらないようにすることが大事なのです。
医療崩壊を防ぐことに注視し、防護服やマスクなどPPEを病院に配布して、
介護施設にはあまり行きわたりませんでした。
そのため、ガウンやマスクのない介護士から感染し、介護士を介して入所者に広げるという悪いパターンが出来上がってしまいました。

風に立つライオン基金では、介護施設にガウンやマスクを送り、感染対策に医師を派遣したりしています。
寄付金も1000万円近く集まり、非常に評価されるようになってきました。


毎日、新たな感染者数が発表されますが、一喜一憂しないことです。
重症者数の増減をチェックしながら、大きな流れをみていくことが大切です。
そして、感染者をゼロにするのではなく、感染を爆発させないようにすること。
医療崩壊を起こさない範囲で、生活を楽しむことや経済活動を再開していかなければ、
長期戦で命と心、経済を守っていくことはできません。

長期戦で大切なのは、このウイルスの特性を理解して、感染予防のキモをとらえること。
とにかくマスクとソーシャル・ディスタンスで予防し、かぜのような症状が出たら、すぐにPCR検査ができるようにすることが大切です。
陽性になった場合も、今までのように2週間と長期的な自主隔離ではなく、感染力の高い期間だけ自主隔離を徹底するようします。
昨日も書きましたが、新型コロナウイルスは発症前2日と発症後2日が、いちばん感染力が高いことがわかってきました。
自主隔離の期間を、安全域を考えて発症後5日間とすれば、隔離の負担も軽くなります。
今までは、1か月入院という人も多くいました。
こんなに長期入院したら、医療崩壊するのは当然です。

 

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2020年6月 7日 (日)

新しい人間

政府や専門家会議は、新しい習慣、New normalと言い出しました。
生き方まであれこれ言われるのはいやだなと思いつつ、チェ・ゲバラの「新しい人間」という言葉を思い出しました。
ゲバラはキューバで大臣をしているとき、休日は農場へ行って重労働のボランティアをしました。
自分たちの国をよくするため、みんなが新しい人間になろうというメッセージを、自らの行動で発信したのです。

新型コロナウイルスは、感染しても無症状の人が多く、しかも発症前がいちばん感染力が高いというやっかいな性質をもっています。
そして、発症後2日間を過ぎると、感染する力はぐんと弱くなっていきます。
発症後6日以降は、濃厚接触者にも感染させていないといいます。
もちろん、ゼロではありません。
ゼロを目標にすると、影響が大きくなりすぎるので、要所をつかんだ対策をとることが大事です。
「新しい習慣」を考えるときには、こうしたウイルスの性質をおさえておかなければなりません。
ここを間違うと、過度に日常を不自由にしたり、感染を広げることになったりします。

長期戦のなかで「コロナ太り」や「コロナ疲れ」が広がりだしていますが、「コロナ太り」に対しては、それぞれができる運動をするしかありません。
運動の習慣を身につけることです。
ぼくはこのところ、テレビやラジオ、雑誌などでスクワットやかか落とし、机立て伏せ、ランジ、コグニサイズなど、具体的な方法を示してきました。
運動をすると、気分転換になり、心の疲れも軽くなっていきます。

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そして、きょうの本題である「新しい人間」になる提案もしています。
コロナ後の世界を意識して、生き方をモデルチェンジしてはどうか、ということです。
これから経済もどん底になり、生きづらい時代になっていくことが予想されています。
しかし、どん底に落ちれば、必ず上がっていきます。
そのときに、おもしろがれるかどうかが大事だと思っています。

破天荒な生き方をしていた人が、これからしっかり根を張った生き方を目指したり、自分第一主義で生きてきた人が、これからは人や社会の役に立つ人間になろうとしたり、チャレンジングな生き方を目指したり。
選択は、それぞれ自由です。
新しい日常や新しい生き方は、政府やマスコミにおしつけられるものではありません。

さて、ぼくはどんな生き方にシフトチェンジしようか。
この時期、じっくりと考えてみたいと思っています。

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2020年6月 6日 (土)

介護者への感謝も忘れないで

5月29日、新型コロナウイルスの対応に当たる医療従事者に感謝を示そうと、ブルーインパルスが東京上空を飛行しました。
命がけで働いている医師や看護師たちはちょっとほっとしたと思います。

共同通信の配信記事によると、防衛省が決定過程を説明していないので、ブルーインパルスのアクロバット飛行がなぜ、医療従者への感謝になるのかと疑問を示す人もいるとか。

でも、ぼくはいいことだと思います。
むしろ、もう一度、関西でも披露したらいいなと思います。
そのときには、医療従事者だけでなく、介護や福祉の現場で働く人たちにも感謝と敬意を示してほしい。

高齢者の介護施設や障害者の施設では、多くのクラスターが発生しています。
感染の恐怖と疲労のなかで、施設を辞めようか続けようかハムレットのように迷いながら、自分が辞めてしまうと、24時間体制が組めなくなることをわかっているから辞められない。
そんな介護士や看護師が多くいます。
施設内感染が起こり、スタッフが濃厚接触者として自宅待機になり、ピンチに陥った施設に、自ら手を挙げて、助けに入る人もいるのです。

ヨーロッパでは新型コロナの死者の半数は福祉施設の入所者だといいます。
日本ではそこまでには至らず、介護崩壊をせずにすんでいるのは、土俵際を守っているプロフェッショナルがいるためだということを
忘れないようにしたいと思います。

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風に立つライオン基金では、介護施設を回っています。
今週は、映画「インデペンデントリビング」になった自立生活夢宙センターにも行かせてもらいました。
重い障害を抱えながら、自己決定をして、社会の中で生活を続けています。
スタッフは、その人たちのアパートを訪ねて、食事や入浴の介助をしています。
3密を避けられない介護という仕事を、少しでもリスクを減らすためにはどうしたらいいのか。
介護の世界を見れば見るほど、厳しい状況のなかでよく頑張っている人がいます。
風に立つライオン基金は、そうした介護に携わる人たちを応援していきたいと思います。

介護の人たちに感謝と敬意を!

              ◇
明日6月7日は「日曜はがんばらない」(文化放送、朝6時20分~)。
新型コロナの話に触れながらも、明るい話をしようと心掛けています。
朝の早い時間ですが、むしろ聴取率は上がりました。
一日のリズムを整えるために、早起きして、ラジオを聞いてくれたらうれしいです。

関東圏以外の方や聞き逃した方は、ラジコや番組ホームページから聞くことができます。

http://www.joqr.co.jp/kamata/

 

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2020年6月 5日 (金)

相互監視と私的制裁

罰則規定がない自粛要請だけで、何とか第1波を乗り越えつつあります。
「日本だからできた」ということもできますし、「やっぱり日本はすごい」とついつい自慢もしたくなります。

しかし、なぜ、自粛要請というあいまいな強制力が成立するのか。
そして、なぜ、「自粛警察」が暴走するのか。
それにはいくつかの問題があるように思います。

自粛というのは、あいまいな概念です。
テレビはそれを生活に落とし込み、具体的な行動を示してきました。
それがまるで生活の規範のように広がっています。
それを実践する人は、実践していない人を見ると非難したくなります。
自分ばかり実践するのはおかしい、不公平だ、従わない人がいると感染が広がってしまう・・・。
その結果、「正義」を錦の御旗にした「自粛警察」が出来上がっていきます。
しかし、その根底には、フラストレーションがあり、「正義」の名を借りているけれど、自分の不満のはけ口にしているのに過ぎないことを気が付いていないのではないでしょうか。

自粛が、自発的な協力ではなく、「相互監視」と「私的制裁」でコントロールされるようなところにまで行ってしまうと、社会は住みにくくなっていきます。
「差別」や「排除」も起こります。
かつて、小児麻痺がはやったときに、「患者の家」という張り紙をされる、とんでもないことがありました。
ハンセン病でもそう。
結核になった人は、地方では村八分にされたといいます。

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「正義」や「権力」という大きなものの皮をかぶると、人間は何でもできてしまう。
それは、アイヒマン実験で証明されています。
アイヒマンは、数百万人のユダヤ人を収容所に送る責任者。
家族を大事にし、職務に励む、平凡で小心な一介の公務員だったアイヒマンのような人間に、なぜ、残虐な行為ができたのかを実証しようとする実験です。

「自粛警察」の暴走を防ぐためには、やはりリテラシーを上げることが大事です。
新型コロナ感染は、私的制裁で防げることではないということを知ること。
そして、感染を広げないために、一人一人がすべきことを理解することが大切です。

最近、女子プロの女性が自殺した事例をみても、「私的制裁」が厳しくなっているように思います。
コロナ後の日本社会が息苦しいものになってしまわないように、もっと穏やかな方法をとってもらいたいものです。

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2020年6月 4日 (木)

都市封鎖とスウェーデン方式の間

スウェーデンは、都市封鎖をせず、ソーシャル・ディスタンスをとること以外には、比較的自由にしています。
医療崩壊は起こっておらず、経済活動も止めていません。
しかし、人口100万人当たりの死亡率は高く、現在の感染者数は約38000人、死亡者数は約4500人。
最近の抗体保有者率のデータをみると、スウェーデンくらい自由にしている国でも7.3%。
集団免疫60%には到底及びません。
隣国のデンマークやノルウェーは危機感を持ち、スウェーデンとの国境は封鎖したままにするようです。

それに対して、日本は感染者約17000人、死亡者約900人と、スウェーデンに比べれば圧倒的に優秀ですが、この状態が続けば経済や暮らしは疲弊していきます。
これから日本が経済活動を再開していくにあたり、スウェーデンのように感染を広げず、しかし、スウェーデンのように経済活動を止めないで“自由”を実現していくには、どうしたらいいのでしょうか。
欧米のいくつかの国が行った都市封鎖と、比較的自由なスウェーデン方式の間に、そのヒントがありそうです。

最近、一度抑え込んだかにみえた感染の波が、再び増える傾向があります。
韓国では、クラブでクラスターが発生。
教会で45人が感染しました。
日本では“夜の街”でクラスターが発生。
20~30人のパーティで7人が感染しています。

以前も書きましたが、口腔内の唾液が問題で、おしゃべりによる飛沫が感染源になるのではないかとぼくは思っています。
満員電車は3密ですが、電車内でしゃべらないようにすることで、リスクは下げられるのではないか。
パチンコ屋で大きなクラスターが出ていないのも、黙々と台に向き合っているからなのではないか、と推測しています。
クラブやライブ、カラオケを再開していくときには、おしゃべりや歌などで口腔内の飛沫を飛ばさないように工夫することが大事です。
ここを徹底すれば、社会経済活動を止めないでもいけるのではないか。
3密に加えて、おしゃべりをしないこと。
「3密」+「黙」を徹底することが重要だと思います。

介護施設でクラスターが発生しているのも、唾液が関係しているかもしれません。
要介護者には、まひや口腔フレイルがあるために、唾液が口からもれやすい人がいます。
感染者の唾液がテーブルなどにつき、介護士やほかの入所者が触って感染を広げるという可能性があります。

口腔内の唾液に注意して、感染を広げないようにすること。
そして、重症者の数と実効再生産数に注目していくことが大切です。
その日の感染者の増減にあまり一喜一憂しないほうがいいでしょう。
人工呼吸器を装着している重症者数は、全国でピーク324人から現在は120人に減っています。
実効再生産数は、東京は1.13人に跳ね上がっています。
アラートを出したのは、的確だと思います。
北九州市では一時1.8人でしたが、1.08人に下がってきています。
北九州市ではPCR検査を拡大しました。
112人の感染者のうちの61人は無症候性陽性者。
濃厚接触者を拡大解釈してPCR検査を徹底、無症状の感染者を割り出して自主隔離をしてもらうことで、感染を抑えることができると思います。
初期のころ、和歌山県がPCR検査を徹底して、火を消すことができました。
やはり第2波に備えて、PCR検査をさらに拡充することがカギとなります。

            ◇
本日、NHK総合「NEWSおはよう日本」(午前5時~)の7時37分ごろからのコーナーで、鎌田式スクワットとかかと落としが紹介されました。
明日5日も同コーナーで紹介されますので、ぜひ、ご覧ください。

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5日、「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)に生出演します。
鎌田の出演は14時25分ごろから。
お楽しみに!

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2020年6月 3日 (水)

鎌田式で乗り切るウィズ・コロナ

新型コロナの感染は、1~2年続く可能性があります。
コロナに感染しないことが何よりですが、もし感染したとしても「抗体ができる」と考えて、びくびくしないことです。
むしろ、大局的に考えると、コロナを恐れすぎることで起こる弊害のほうが大きい。
極端に活動が低下することで、フレイルや認知症、うつ病などが増えていく可能性があります。
コロナにはかからなかったけれど、認知症になってしまった、というような人が続出するのではないかと心配しています。

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アフター・コロナは経済も社会も、ある意味で戦後の闇市のような混沌とした状況になる可能性があります。
今までのルールや仕組みが通用しなくなるのです。
しかし、それは悪いことばかりではありません。
混沌とした活気から、何を生み出していくか、そして、それにどう対応していくか。
一人ひとりが試されています。

フレイル、認知症、うつ病、依存症・・・といった体と心の健康も、
この1~2年のウィズ・コロナをどう過ごすかにかかっています。

6月4、5日はNHK総合「NEWSおはよう日本」(午前5時~)で鎌田式スクワットとかかと落としが紹介されます。
一緒に体を動かして、健康を守りましょう。

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2020年6月 2日 (火)

今こそ、心をあたたかく!

『アハメドくんのいのちのリレー』(集英社)の増刷が決まりました。
瀬戸内寂聴さんがこんな帯を書いてくれました。
「人間はとてつもなくやさしい。
無限に許す。人間の愛は憎しみより強い。
そんな人間に生まれた誇りと喜びを与えてくれる世にも美しい、そして、悲しい絵本」

安藤俊彦さんの絵、ピーター・バラカンさんが英訳してくれた贅沢な本。
人間の心のなかに潜んでいる「獣」を暴れさせないようにするにはどうしたらいいのか、そんな思いで書きました。
教科書にも使われています。
今、コロナ危機のなかで、人間の行いの尊さを忘れないようにしたいものです。

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以前、ぼくは小さな書店を応援していた時期があります。
そのとき、知り合った尼崎市の小林書店の店主からはがきが届きました。
コロナ自粛で孤立せず「離れて、つながる」ための知恵を紹介した、NHKの番組を見てくれたようです。

「先日、NHKを拝見して、知り合い100人にはがきを書こうと思い立ちました。
電話でもなく、メールでもなく、ズームでもない、一枚一枚書いています。
みんなで必ずくる新しい日常のため、元気で乗り切りましょう。
いつも勇気をありがとうございます」

小林書店は、ぼくの記憶では、10坪もない小さな書店。
傘を売って生活を支えながら、それでも町の本屋さんとして灯をともし続けようとしています。


「2週間後の未来を変えられるように、今日もご協力をお願いします。
命より大切な食事会やパーティーはありません」
「ささくれだった言葉で自分自身を汚さないように。
心でコロナウイルスに負けてはいけません」

これは、日本テレビのアナウンサー藤井貴彦さんのコメントです。
心にささる、と話題になっています。
ぼくは、藤井さんがキャスターを務める「ニュース・エブリィ」で7年間、コメンテーターをしてきました。
スタッフからフジイさん、フジイさん、と尊敬されていましたが、ぼくと陣内さんは、タカヒコと親しみを込めて呼んでいました。

当時から、藤井さんのコメントのすごさは実感していました。
ドキドキするのです。
信頼が厚く、番組最後の1分間のコメントは、藤井さんに完全に任されていました。
被災地に行ったときには、被災した人に寄り添うコメントをしていました。
その藤井さんのコロナ語録が、評判を呼んでいます。

不安や苛立ちに支配されそうになる今だからこそ、
心をあたたかくする行為や言葉に大切にしたいと思います。

               ◇ 

本日2日の「ニュース・エブリィ」(日本テレビ、15.50~16.50)で、
風に立つライオン基金が他のNPOと協力して、
介護施設や福祉施設に医師を派遣し、感染対策のレクチャーをする活動が紹介されます。
ぜひ、ご覧ください。

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2020年6月 1日 (月)

売り切れ続出

 『図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣』
おかげさまで、「在庫切れ」が続いております。
Amazonなどネット書店の在庫がなくなり、配送状況が追いついておりません。

朝日出版社のHPより直接購入していただければ、最速で発送可能です。
1,000円(税込)以上なので、送料無料です

↓こちらのリンク先から、購入可能です】
【朝日出版社HP】
『図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣』
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011776/

ぜひお読みください!29_20200521115401

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「脳」と「体」を同時に動かす

認知機能の低下の予防や認知症予防には、脳を使いながら、運動するのがよいといわれています。
コグニサイズといいます。

家でもできます。
もちろん、人の少ない公園などでやってもいいです。

マルチステップ・コグニサイズ
①右足を前に出して、元に戻す
②左足を前に出して、元に戻す
③右足を右に出して、元に戻す
④左足を左に出して、元に戻す

このステップを踏みながら、1、2、3、4、5・・・と数を数えます。
慣れたら、3の倍数のときだけ声を出さずに手をたたきます。
(動画のなかで、「5の倍数」と言っていますが、「3の倍数」の誤りです)

間違わないように集中することで、脳を刺激します。
体もぽかぽかしてきます。
体を温めると、リンパの流れがよくなり、自然免疫の機能を高めます。
1、2、3、4・・・とリズミカルな運動をすると、幸せホルモンのセロトニンも分泌されます。

3分ほどの動画です。ぜひ、やってみてください。

このようなコグニサイズをはじめ、認知症予防になる運動や食事、生活習慣について、
『認知症にならない29の習慣』(朝日出版社)に紹介しています。
発売一週間で、増刷が決まりました。
とても好評です。

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自粛生活中に認知機能を低下させないためにも、ぜひ、実践してみてください。

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