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2020年6月 8日 (月)

ゼロリスクを目指さない

日本で、新型コロナで亡くなった人は約920人。
PCR検査の実施数が少ないので、世界はこの数字をあまり信じていないようです。
もちろん、ぼくも信じていません。
その代わり、重症者数は嘘はないと思います。
日本の医療レベルから、重症患者を見逃すことは考えられません。
現在、人工呼吸器やエクモにつながっている患者さんは120人。
ピークの3分の1程度に下がりました。
非常に少ない数字です。
重症者数がこれくらいに抑えられているということは、死亡者数も大きくは間違っていないと思われます。

2018年の統計では、インフルエンザで亡くなった人は3325人。
同年、肺炎で亡くなった人は9万5000人でした。
この事実のなかで、新型コロナの重症肺炎で亡くなった人は920人というのは、
今後、ぼくたちの国が命と心、経済の3つをどうハンドリングしていったらいいのか考えていくうえでの基本だと思います。
だから、新型コロナに対して楽観的でいいのだと言っているわけではありません。
このウイルスは、とんでもなく厄介です。

一歩間違えれば、イギリスのように4万人の死者を出していたでしょう。
ぼくは次の3点について、イギリスを他山の石としたいと思います。
第一は、ロックダウンが遅かった。
イギリスは3月23日にロックダウンが行われましたが、3月12日に実施されていれば、
1万3000人の命が助かった可能性があるといいます。
第二は、PCR検査が少なったこと。
現在は、1日20万人超に拡充されていますが、日本はいまだに恥ずかしい状態です。
第三は、介護施設での失敗。
これは、ぼくがいちばん言いたいところです。
イギリスの死亡者の半数は、福祉施設で出ているといわれています。
一つの施設で5人以上の感染者が出たら、すでに感染が広がっているとして、検査をしませんでした。
これはとんでもない失敗であったと思います。
日本では、陽性者と陰性者のゾーンを明確に分けなかったため、千歳市の老健では70人以上の感染者を出し、10人以上が死亡しました。
感染を広げないためには、明確にゾーンを分けて、接点をつくらないようにすることが大事なのです。
医療崩壊を防ぐことに注視し、防護服やマスクなどPPEを病院に配布して、
介護施設にはあまり行きわたりませんでした。
そのため、ガウンやマスクのない介護士から感染し、介護士を介して入所者に広げるという悪いパターンが出来上がってしまいました。

風に立つライオン基金では、介護施設にガウンやマスクを送り、感染対策に医師を派遣したりしています。
寄付金も1000万円近く集まり、非常に評価されるようになってきました。


毎日、新たな感染者数が発表されますが、一喜一憂しないことです。
重症者数の増減をチェックしながら、大きな流れをみていくことが大切です。
そして、感染者をゼロにするのではなく、感染を爆発させないようにすること。
医療崩壊を起こさない範囲で、生活を楽しむことや経済活動を再開していかなければ、
長期戦で命と心、経済を守っていくことはできません。

長期戦で大切なのは、このウイルスの特性を理解して、感染予防のキモをとらえること。
とにかくマスクとソーシャル・ディスタンスで予防し、かぜのような症状が出たら、すぐにPCR検査ができるようにすることが大切です。
陽性になった場合も、今までのように2週間と長期的な自主隔離ではなく、感染力の高い期間だけ自主隔離を徹底するようします。
昨日も書きましたが、新型コロナウイルスは発症前2日と発症後2日が、いちばん感染力が高いことがわかってきました。
自主隔離の期間を、安全域を考えて発症後5日間とすれば、隔離の負担も軽くなります。
今までは、1か月入院という人も多くいました。
こんなに長期入院したら、医療崩壊するのは当然です。

 

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