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2020年8月

2020年8月31日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(472)

「マーティン・エデン」

イタリア映画。
20世紀アメリカ文学の傑作と言われているジャック・ロンドンの自伝的小説を、イタリアに舞台を変えて描いている。
一人の男の愛と戦いが見事だ。
主役を掴んだがルカ・マルネッリはベネチア国際映画祭男優賞を受賞した。

労働者地区出身で貧乏な若者が、偶然、上流社会の美しい女性と出会い、恋が芽生える。
そこから、その女性に釣り合う人になろうと、勉強し、本を読み出す。
そして、有名な詩人になっていく。
イタリアのすばらしい風景に合わせるようにして、マーティン・エデンの詩が語られていく。
とてもしゃれた映画。
映画好きの方、久々の大作です。

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9/18からシネスイッチ銀座などでロードショー。
映画館は声を出さないので、マスクをして、退出後にアルコール消毒すれば、
リスクはとても低いと考えています。

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2020年8月30日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(471)

「ぶあいそうな手紙」


視力を失いつつある78歳の独居老人エルネストと、
行き場をなくした23歳の女性ビアの心の交流が描かれる。

ウルグアイの昔の恋人から手紙が届き、偶然知り合ったビアに、手紙を読んでくれるように頼む。
それがきっかけで、仲違いして来なくなった息子の部屋に、ビアがやってくるように。
78歳のエルネストが人生の決断をする。
最後にビアに代筆を頼んだ手紙が感動的。

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昨年見た「ナポリの隣人」や2017年の「はじまりの街」と感じが似ている。
新しい人生を予感させてくれる映画だ。
価値観が変わっていくコロナ禍の中で、生き方を変えるチャンス。
誰もが、新しい人生を始められる。

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2020年8月29日 (土)

介護崩壊を防ぐために

風に立つライオン基金では、札幌の生活困窮者の支援をしている福祉系の団体や、
突然仕事を失いホームレス状態になった人のシェルターを運営しているNPOなどに、医師と看護師を派遣して、感染症予防のレクチャーを行いました。
ガウンや手袋、サージカルマスクがなくて困っていると聞き、アルコール消毒液も含めて支援することになりました。

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これまでも介護崩壊を防ぐためにレクチャー活動を行ってきましたが、
実際の訪問が40施設近く、オンラインでのレクチャーは250施設を突破しました。
たくさんの介護系や福祉系の施設と連携が取れるようになってきました。
日テレの24時間テレビでさだまさしさんが出演し、風に立つライオン基金の活動に触れたこともあり、
また少しずつ支援の輪が広がりだしています。
ありがたいことです。

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2020年8月28日 (金)

感染症外来

諏訪中央病院に感染症外来ができました。
駐車場にプレハブ3棟が出来上がり、新型コロナの疑いのある患者さんが増えた場合は、一般の患者さんと動線を分けて、ここで診察をします。
PCR検査などでの検体の採取もここで行われます。

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手袋が急に手に入りにくくなったということと、 N 95マスクがないと言われたので
風に立つライオン基金から N 95マスクと手袋3000セット送ってもらいました。

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2020年8月27日 (木)

コロナと認知症

ぼく自身が認知症予防のために実践していることを一冊にまとめた
『認知症にならない29の習慣』(朝日出版)の4刷が決定しました。

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いくつもの週刊誌や月刊誌、新聞紙などで紹介されています。
3密を避け、ソーシャルディスタンスをとっていると触れ合う機会が少なくなり、
認知機能の低下が心配されます。
認知症にならないでも、認知機能の低下により、頭のひらめきが悪くなったり、ワーキングメモリという短期記憶が低下しやすくなります。

この本には、それを防ぐヒントが書いてあります。
コロナ時代の健康法としても、ぜひ、お読みください。

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2020年8月26日 (水)

8か月ぶりの難民キャンプ

JIM-NETのスタッフの牧野アンドレイ君が8か月ぶりにイラクに入りました。
事前にPCR検査をして陰性であることを確認。
さらに安全を期して、2週間、自分のアパートで自粛生活を行っています。

現地スタッフと再会し、支援にも気合いが入ってきたようです。
アルビルのダラシャクラン難民キャンプで行っている妊産婦ワークショップのモニタリングをしたそうです。
また、難民キャンプの空地で、難民たちが自主的にブロッコリー栽培を始めたとの報告がありました。

JIM-NETは、難民キャンプ近くの農場と提携してモロヘイヤ作りをしていましたが、
これがきっかけとなり、難民たちが自主的に始めたようです。
とてもうれしいことです。
コロナ前は毎年、僕自身もこのダラシャクラン難民キャンプに行って、健康を守るには野菜を食べよう、運動をしようと呼び掛けてきました。

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僕の講演会に参加した人には、お土産に野菜を持ってかえってもらいました。
難民キャンプという過酷な状況でもあきらめないで、
野菜を食べて、運動をして健康になるという意識が広がってきたのだと思います。

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2020年8月25日 (火)

お知らせ

9月1日号の「女性自身」で、鎌田實が紹介されています。
「巣ごもり老化に勝つ」というテーマで、7ページ。
心や脳や身体を解きほぐす方法を提案しています。

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読んでみてください。

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2020年8月24日 (月)

コロナと情報

新型コロナウイルス感染をのりこえための説明書が、
地元の長野日報に一面を使って掲載されました。
感染のリスクを「低い」「中等度」「高い」の3段階に分け、具体例を挙げています。
とてもわかりやすいので、ぜひ、拡大してご覧ください。

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さらに、「今回は仕事の用事で東京に行かなきければなりません。
何に気をつけたらいいでしょうか?」という質問に
諏訪中央病院の二人の医師がわかりやすく答えています。
こちらも、出張中や帰宅後、自宅で気を付けることなどがまとめられています。

この「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」は、諏訪中央病院のホームページにも掲載され、
だれでもアクセスできます。

http://www.suwachuo.jp/info/2020/04/post-117.php


ぼくの知る限りでは、茅野市での感染者はまだ出ていません。
今後、感染者がでる可能性はありますが、少なくとも今のところ感染者が出ていないのは、
みんなでリテラシーを高めようとしていることがいい影響を与えているのではないかと思います。
今後、感染者が出たとしても、感染者を非難したりするのではなく、みんなの力で上手にのこえていく心の準備もできているのではないかと思います。
手ごわい新型コロナですが、きちんとした情報を得て、丁寧に行動することが、自分自身や地域を守ることになるということです。

 

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2020年8月23日 (日)

コロナとまちづくり

茅野市では、観光客らを安心・安全に受け入れるための独自の感染症対策基準「茅野あんしん認証」を設けています。
ホテルや旅館、飲食店、ゴルフ場、美術館、土産店など90施設が取得。
諏訪中央病院の医師らが講師となって研修会をし、さらに高い水準の対策を目指す施設も増えています。
国のGoToキャンペーンや、東京都の「感染防止徹底宣言ステッカー」のように、基準が甘く、その後の研修会などクオリティを上げる努力をしていないのと違い、茅野市では、どうしたら安心して観光客を迎えられるようになるか、みんなできちっと勉強会をしています。

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長野日報では、諏訪中央病院副院長の高木先生が3回にわたって、
「ビヨンド・コロナ」の考察をして、住民に啓発しています。
多くの市民が、新型コロナ感染症にどう注意したらいいのかということと、
リテラシーを高めること、そして、感染者を誹謗中傷するようなことがない町にしようということを呼びかけています。
一般の住民だけでなく、まちづくりをしている人たちには、これからのまちづくりに役立つ内容として、これをコピーして配っています。

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2020年8月22日 (土)

イラクにマスクを

JCFとJIM-NETでは #イラクにマスクをと呼び掛けて、クラウドファンディングに挑戦しました。
皆さんに応援していただき、240万円以上が集まりました。
そのお陰で、JCFが難民キャンプに作った5つのプライマリーヘルスケア診療所の一つに、マスクやガウンを届けることができました。
白衣を着ているバッサーム先生は、JCFの現地スタッフドクターです。

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「イスラム国」によって破壊されたモスルのシイブン・アルアシール病院にも、まだ落ち着かない首都バクダットにも、小児がんセンターにも、感染対策の物資を届けることができました。
どこもたいへん喜んでくれています。
応援してくださった方々に、心から感謝をいたします。

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2020年8月21日 (金)

気になること

一つは、飛行機の座席で、前後に座っただけで、会話をしたわけでもないのに感染者が出ました。
前に座っていた人が陽性であることがわかり、濃厚接触者として検査をしたところ、
後ろの席に座っていた人がPCR陽性に。
症状はなかったといいます。
2人は面識もなく、おしゃべりもしていない。
なのにどういうことなのでしょうか。
接触感染があったのでしょうか。
今まで飛行機はマスクをしていれば大丈夫と考えていましたが、もう少し分析がすすむのを待ちたいと思います。

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もう一つは、秋田県の20代の女性が7月9日に感染、その後8月15日に帰郷して、発熱があったために検査をしたところ、PCR陽性になりました。
再燃なのか、再感染なのか。
とても気になります。
いずれにせよ新型コロナウイルスはかなり厄介な、手強い相手と考えざるを得ません。

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2020年8月20日 (木)

陣中見舞い

猿田彦珈琲は、国内14店舗、台湾2店舗を展開するスペシャルティコーヒー専門店。
その猿田彦珈琲から諏訪中央病院に陣中見舞いをいただきました。

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諏訪中央病院では、現在、駐車場に発熱外来を設け、病院の自力でPCR検査を実施できるように準備をしているとこで、
職員にとって、とてもおいしく、うれしい差し入れになりました。

 

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2020年8月19日 (水)

コロナと介護施設クラスター

連日、テレビで放送されていますが、医療施設ではベッドが切迫しはじめています。
介護施設でも、クラスターが起こり、介護崩壊が心配されます。

福岡県にある特養花畑ホームで、入所者と職員計9人の感染が確認されています。
横浜市の介護施設では、介護施設で感染した人が入院した済生会横浜市南部病院で
看護師7人、患者1人が感染してしまいました。
介護施設と病院の間でピンポン型の感染をすることも、これから気をつけていかなければいけません。
それ以外にも、愛知県一宮市の介護施設では15人、さいたま市の小規模多機能で5人、兵庫県西宮市の介護施設で5人・・・の感染者が発生しています。

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欧米の死亡者の多くは介護施設で発生しています。
介護崩壊をさせないことが大事ということで、風に立つライオン基金は医師や看護師を介護現場に送って、感染予防の講習会を開いています。
介護施設の人たちに、感染予防の徹底を図ることはとても大事です。

介護施設でのクラスターを抑え込まないと、第一波のとき富山の介護施設で59人の職員と入所者が感染し、15人が死亡した大きなクラスターになってしまいかねません。
この富山の事例に関しては、風に立つライオン基金では富山大学の山城教授にリモートでレクチャーをしてもらっています。
その後も、風に立つライオン基金のアドバイザーになってもらった感染症の専門家、中島一敏教授にレクチャーをお願いし、勉強会を兼ねながら介護崩壊を防ごうと思っています。

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2020年8月18日 (火)

高瀬舟

森鴎外の「高瀬舟」を読み直してみました。
「安楽死」を扱った作品といわれています。
遠島送りなった罪人を、京都から大阪へと護送する「高瀬舟」。
奉行所同心の庄兵衛は、罪人・喜助を高瀬舟で護送しながら、その超然としたたたずまいを不思議に思い、「喜助、お前何を思っているのか」と声をかけます。
喜助は、わずかな支度金をもらい、もう生活に追われなくてもいいと喜んでいました。

物語は、喜助が罪人となった理由に及びます。
弟が刃物で自死しようとするも、死にきれず苦しみ、殺してくれと弟に懇願されます。
喜助は、深く挿し差し込むわけにもいかない、抜いたところで出血多量になり、弟は死亡します。

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森鴎外は医者で、ドイツへ留学しています。
ドイツの安楽死についての論文を翻訳もし、積極的安楽死をこの時否定しています。
医療の役割は安らかな環境を作ることと、今の緩和ケアの考え方に近いことを述べています。

この小説の中では、何が正しかったのかは述べてはいません。
積極的安楽死を鴎外は否定しながら、何が正解かは読者に委ねたような気がしています。
そして、100年たった今も、同じ状態が続いています。

今回のALS患者の嘱託殺人を契機に、安楽死問題を議論するのは軽率です。
今は、死の質をもっと高め、残酷な死や悲しい死を少しでも減らすなかで、
命の自己決定について議論が始まるといいと思います。

 

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2020年8月17日 (月)

許せぬ嘱託殺人

51歳のALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性に薬を投与して死亡させた医師2人が、嘱託殺人の罪で起訴されました。
安楽死の議論が進んでいないことが問題という人もいますが、今回の事件は安楽死とは全く違います。
日本では積極的安楽死は認められていません。
横浜地裁が出した安楽死の4要件は、①耐え難い肉体的苦痛がある、②死が避けられず死期が迫っている、③肉体的苦痛を取り除く方法がない、
④命の短縮を承諾する患者の意思表示がある、とされていますが、今回の事件で合致するのは④のみ。

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これまでも医師が殺人の罪に問われる事件は何度かありましたが、
主治医が長い付き合いのなかで、患者に懇願され、やむに已まれず行なった例がほとんどです。
このALSの女性には、主治医を中心にケアマネジャーなど約30人の他職種チームが24時間体制でケアをしていました。
逮捕された医師は、忍び込むようにしてマンションを訪ね、たった10分間で薬を投与して、その場を立ち去ったとされています。
人の心は変わることが多いもの。
安楽死が認められているオランダでも、時間をかけて、何度も意思を確認しています。

今回の事件は、嘱託殺人として厳しく罰する必要があると思います。
この事件を受けて、安楽死を議論すべき、とはなりませんが、
いずれ、もっと落ち着いた状況のなかで、安楽死について時間をかけて議論をするときが来るでしょう。
今は、重い障害を負った人、難病の人の「生きる権利」に光を当てたほうがいいと思います。

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2020年8月16日 (日)

コロナと認知症と死

コロナ時代は、ソーシャルディスタンスをとりすぎて、人とのかかわりが減ることで、認知症リスクが高まります。
コロナが収束した後、認知症の人が増えるのではないかと心配しています。
臨終や看取りの在り方も変わりました。
お葬式も様変わりしています。
そのなかで、どのような死を迎えたいのか。
そして、その日までどんな生き方をしたいのか、さまざまなことを突きつけられています。

近著2冊はまったくテイストが違いますが、どちらもコロナ時代に大切な本だと思っています。

「認知症にならない29の習慣」(朝日出版)は、認知症予防のための食事、運動、生活習慣などを紹介しています。
ご好評いただき、3刷になりました。
「コロナ時代を生きるヒント」(潮出版)は、「あの世」や「幽霊」に救われる話など、丸ごと一冊、死について書いています。

コロナ時代の今、読んでいただきたいと思います。

Img_5382 8/15の信濃毎日新聞で、「コロナ時代を生きるヒント」が紹介されました

 

【お知らせ】
17、18日の2日間、NHK総合の「おはよう日本」で、朝7時30分から鎌田實のスクワットとかかと落としが放送されます。
ぜひ、ご覧ください。

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2020年8月15日 (土)

コロナと会食

新型コロナウイルスの感染拡大はなかなか治りそうもありません。
感染リスクが高いのは、ライブやカラオケ、接待を伴う飲食店、換気の悪いところでの長時間の会話など。
しゃべるだけで、食べなければかなりリスクは減るのではないかと思います。
東京で時々会食に誘われますが、全てお断りをしています。
会食するときには、換気のよい野外レストランで。

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九州から来た方が一緒に食事をしたいということで、茅野市の隣にある原村のカナディアンファームに行きました。
自然豊かな場所で、とても気に入っていただけたようです。
カナディアンファームのハセヤンは、被災地での炊き出しの時のボランティア仲間。
居候がいろんなところから集まってきますが、移ってきてからの2週間は仕事をしないようにしているそう。
とても原則的です。
みんながこうやって最大限の注意をして、経済活動を続けることが大事なのだと思います。

 

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2020年8月14日 (金)

美しい映画

「ポルトガル、夏の終わり」

イザベル・ユペール演じる大女優フランキーが、
ポルトガルのリゾート地に、家族や友だち、別れた夫などを呼び寄せます。
美しい世界遺産の町シントラを舞台にした、家族劇。
とても美しい映画です。

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ぼくはこんなコメントを書きました。

「人生、愛、生、死、友情がおしゃれに言葉少なく静かに語られる。
こんな美しい映画は久しぶりに観た。感動!」

本日公開です。

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2020年8月13日 (木)

風に立つライオン放送局

風に立つライオン放送局が開設されました。
第1回の放送は、さだまさしさんと鎌田實の対談。
風に立つライオン基金を立ち上げた理由や、「わらしべ長者事件」などについて、
笑わせながら、今までの活動を展開をしていきます。
この後、介護崩壊を防ぐために、モノ、人、心を届けようという活動につながっていきます。

https://lion.or.jp/lionchannellaunch/

ぜひ、見て下さい。
おもしろかったら、チャンネル登録をお願いします。

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2020年8月12日 (水)

コロナとアパシー

アパシーとは、無気力になり、無関心になる脳の状態です。
朝、起きて、身支度する、着替えるといったことにも無関心になり、無気力になり、一日中、ゴロゴロしています。
認知症の症状のひとつといわれています。
うつの意欲低下と似ていますが、アパシーでは気持ちの落ち込みはありません。

コロナ自粛と猛暑のなかで、一日中、家のなかで過ごす高齢者が多いと思います。
テレビの前に座って、朝昼晩とワイドショー、時々、水戸黄門の再放送をずっと見ているという人はいませんか。
コロナの恐ろしい話とニューノーマルの話題ばかりで、元気な人でも洗脳されそうな感じがします。

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アパシーを防ぐには、体を動かすこと。
手を動かすことも大事です。
絵を描いてもいいですし、手芸をしてもいいです。
大工仕事をしてもいいですね。
受け身の状態にしないことが大切です。

 

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2020年8月11日 (火)

コロナと巣ごもり老化

気分が落ち込みやすくなってませんか。
人の名前がなかなか出てこない、なんてことはありませんか。
イライラして怒りやすくなっていませんか。
無感動で無反応になっていませんか。
これらは、巣ごもり老化の目安と考えています。
これを防ぐためには、とにかく体を動かすことです。

緊急事態宣言のときには、人との接触を8割減らそうと言われました。
この考え方は意味がなかったのではないかという人もいますが、
きちんとした議論がされていないので、意味があったのかどうかはよくわかりません。
ぼくは今も、人との接触を8割控えています。
8割控えるということは、2割はいいということです。
その2割の時に、会食はしない、どうしてもせざるを得ない時にはオープンな、換気のいいところでする。
ご飯を食べる時だけマスクを外す。
それ以外はマスクをつける。
こういう注意をしています。

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できるだけ朝、涼しいうちから仕事をして、午後は本読んで過ごし、夕方になると1回外出して、原っぱをぐるぐるとインターバル速歩をするようにしています。
巣ごもり生活で、焼きそばやチャーハン、炊き込みご飯、お好み焼きが以前と比べて何倍も増えたというデータがあります。
炭水化物の摂り過ぎは肥満の原因にもなり、老化の原因になります。
巣ごもり老化を防ぐためには、野菜をしっかりとって、タンパク質を摂ることです。
お肉や魚や納豆です。
野菜、タンパク質、運動を心掛けましょう。

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2020年8月10日 (月)

コロナ後の世界

アフターコロナはどう変わるのか。
朝日新聞社が連載を緊急に書籍化しました。

『コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線』(朝日新聞出版)

養老孟司、ユヴァル・ノア・ハラリ、ジャレド・ダイアモンド、福岡伸一・・・・
22人の論客が、アフターコロナへの提言をしています。

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ぼくは、社会の分断を回避をするためにどうしたらいいかを考えています。
読んでみてください。

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2020年8月 9日 (日)

コロナとイラク支援

最近のJIM-NETハウスの写真が送られてきました。
移動が禁止されているために、遠方からアルビルに来る人は少なくなっていますが、
JIM-NETハウスは閉鎖せず、
病院で抗がん剤治療している子どもや家族に開放しています。

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イラクでは8月4日の時点で、一日の新規感染者は2836人、死亡者は5094人になりました。
イラク戦争やISによる破壊で、医療のキャパシティが小さいため、感染者が多くなり重症者が増えるとたちまち医療崩壊を起こします。
JIM-NETのスタッフがダラシャクランの難民キャンプに子どもたちのミルクを届けに行きました。
難民キャンプには入ることができできません。
新型コロナで厳しい状態が続いています。

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2020年8月 8日 (土)

イラク製油所の復興支援

日揮ホールディングスばイラク最大級の製油所の設備の復興支援を4000億円で受注しました。
資金は、国際協力機構(JICA)が円借款で提供します。
日本によるイラク戦争後の支援としては最大級だといいます。

JIM-NETでは15年間、イラクの白血病の子どもや難民キャンプの子どもたちの命を救う活動を続けてきました。
今回、JCFともに、イラクの3つの病院、難民キャンプの診療所などに新型コロナウイルスを防御するための消毒薬や手袋、サージカルマスク、ガウンなど送ることを呼びかけ、クラウドファンディングで寄付を募ってきました。
目標額140万円に対して、約240万円集まり、さらに、支援してきたバスラの小児白血病センターに感染防護の資材を送るよう、支援枠を広げました。

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長年の活動のなかで、イラクの石油が日本のエネルギーの生命線になるんではないかという思いもありました。
アメリカとイランの問題で、イランの石油が入らなくなり、石油埋蔵量では世界で5本の指の入るイラクの石油に、長期的に頼らなければならない可能性が強まっています。

たくさんの支援をいただいて、ぼくたちはイラクの子どもたちを救う活動をしていますが、これまでの支援や交流が、こうした流れの下支えになっているのではないかと思っています。

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2020年8月 7日 (金)

発達障害と落語

「日曜はがんばらない」(文化放送、朝6時20分~)
8/2のゲストは、落語家の柳家花緑さんでした。
人気落語家だけあって、ずっと笑わされ続けました。

まくらだけ集めた「柳家花緑特選まくら集 多弁症のおかげです!」(竹書房文庫)は、とにかくおもしろいのですが、運を身につけていく家族の人生哲学が展開されています。
花緑さんは子どものころ教科書が読めず、授業中もじっとしていられずしゃべってばかりの“落ちこぼれ”。
その理由を40代になってから知りました。
「僕が手にいれた発達障害という止まり木」(幻冬舎)には、そんな体験が書かれています。

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彼には10人の弟子がいます。
なかには、おしゃべりが苦手な発達障害の人もいるとか。
よく考えると、落語の中には発達障害ぎみの人たちがけっこう活躍しています。
花緑さんの祖父は、日本の落語界を背負って立っていた柳家小さんですが、やっぱり発達障害ぎみだったようです。
すっかり花緑ファンになりました。

「日曜はがんばらない」は、こちらから過去の放送を聞くことができます。

http://www.joqr.co.jp/kamata/

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2020年8月 6日 (木)

コロナとPCR検査

自宅でPCR検査をするサービスが始まっています。
夜間や休日などに訪問診療を行っているナイトドクターは、感染しているか心配、保健所に連絡してもなかなか対応してくれない、微熱がある、息苦しいなどの症状があるという人の自宅などを訪問し、PCR検査をするといいます。
ファストドクターでも、訪問PCR検査をスタート。
とてもいいことです。
最近は、診療所でもPCR検査を実施しているところが、わずかですが出てきています。
これらを、自治体や国のデータとうまくコンピュータで繋がるような形にすると、検査のデータが増え、陽性率も他の国並みになっていくでしょう。

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オリンピックをやりたいならば(今の状況では来年開催はかなり無理だと思いますが)、政府と東京都はPCR検査に本腰を入れて、一日5万~10万件にする必要があります。
外国からの選手やお客さんを迎える上では、検査態勢の拡充は必須であり、その拡充は間違いなく国民の命や経済を守っていくことになるはずです。
GoToキャンペーンでお金をジャブジャブ使うよりも、検査を拡充することで、コンサートや旅行に行っても大丈夫か一つの目安になり、経済も回りやすくなるでしょう。
検査をしても、翌日また感染してしまうので陰性証明にはならないという議論もありますが、感染の疑いがある時には再度検査をすることが自由にできるようにすることで、安心して経済活動ができると思います。
経済を守り、命も心も守っていく上では、検査の機会が増えることは大切なことだと思います。

 

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2020年8月 5日 (水)

コロナと介護崩壊

新型コロナの陽性者が増え続け、病院のベッドが逼迫しはじめました。
介護施設では静かにクラスターも発生し始めています。
荒川区での介護施設では入所者が25人、職員が7人、合計32人の感染者が出ています。
葛飾区の介護施設や江戸川区の介護施設でも、クラスターが発生しています。
このまま感染者が増加していくと、まず保健所がパンクし、次に病院のベッド不足が顕著になり、
介護施設で陽性者が出ても病院で受け入れることができなくなっていきます。
そして、介護施設で大規模感染が起きていくのです。
こうやって欧米では、第一波でたくさんの死亡者を介護施設で出してしまいました。

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風に立つライオン基金では、介護崩壊を防ぐために、もの、人、心を送るという支援を続けてきました。
ガウンやマスク、アルコール消毒液などの医療物資を送り、医師や看護師が感染予防のノウハウをレクチャーし、
さだまさしさんやぼくがリモートで介護スタッフにエールを送っています。
そんな活動について、毎日新聞が2回にわたって記事にしてくれました。

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2020年8月 4日 (火)

コロナと世田谷区

世田谷区では、PCR検査を一日150件から300件に増やしました。
さらに一日1000件やるといいます。
よい意気込みです。

PCR検査は、本当は陽性なのに陰性と出てしまうようなことがあります。
だから、検査をしても仕方ないという意見があります。
この議論は日本以外のところでは全くされていません。
国民全部に行っても意味がないという議論もありますが、国民全部にやろうなんて誰も考えていません。

PCR検査を受けようにも、いまだに保健所に相談する過程で待たされてしまうたり、
拒否される患者さんがいるということが問題なのです。
医師が必要と判断したものに関してはかなりスムーズに受け入れられるようになりましたが、
まだまだ少ないというのが現状です。

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今のような状況になれば、もうオリンピックの来年開催は難しいでしょう。
それでも、政府や都知事はやると言っています。
オリンピックをやる以上は、選手はもちろん、外国からのお客さんのPCR検査、
屋内競技の場合は観客にもPCR検査をするということも、検討されるかもしれません。
そのための準備も兼ねながら、2波3波のために、3万件で留めずにPCR検査の態勢を整える必要があると思います。
特に、医療関係者や介護関係者が容易にPCR検査を受けられるようにすることが、
医療崩壊や介護崩壊を招くクラスターの発生リスクを減らすことができます。
世田谷区にふるさと納税などをして応援したいものです。

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2020年8月 3日 (月)

コロナと少子化

新型コロナの陽性者が増え続けています。
その7割は若者といわれています。
若者は軽症ですむと高をくくってると、後でとんでもないことが起こります。
イギリスの論文によると、軽症の人でも3割に息苦しさなどの後遺症が残るといわれています。
嗅覚や味覚の障害は1割の人で、そのまま残り続けているといいます。
慢性疲労性症候群のような症状が残って、気力が出ない、働く気になれないという人たちもいます。
サイトカインストームで血管炎が起こり、静脈血栓から肺梗塞になったり、動脈に血栓が出来て、若くして脳梗塞になったりもしています。
そういうははっきりしたエピソードがなくても、10年後、20年後に脳梗塞が起きたり、解離性大動脈瘤が起きたりする可能性もあり得るのではないかといわれています。
軽症でも、いくつもの臓器に障害を残す可能性があることを忘れないようにしましょう。

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若い世代での感染拡大でいちばん心配なのは、少子化への影響です。
中国の論文によると、ACE2受容体があるため精巣にも炎症が起きていることがわかりました。
38人の若者の精液検査を行ったところ、精子が少なくなっていました。
新型コロナに感染した子どもに精巣の炎症が起きた場合、男性ホルモンのアンドロゲンの分泌が低下し、二次性徴が起きにくくなる可能性もあるのです。

思春期以降に流行性耳下腺炎にかかると、男性の不妊症になる場合がありますが、このやっかいな新型コロナウイルスでもその心配があることが少しずつわかってきました。
ソーシャルディスタンスで人とつきあいにくいという社会的な要因もあわせて考えると、新型コロナは少子化に拍車をかけるのではないかと心配をしています。

もちろん、若者が感染すれば、高齢者も感染者が増え、致死率を上げてしまうことも考えられます。
若者は軽症ですむから感染しても大丈夫と思わないことが大事です。

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2020年8月 2日 (日)

ショック療法

新型コロナ感染症の一日の新規感染者数が毎日のように「過去最多」を更新しています。
8/1、東京都では472人を数えました。

新型コロナウイルス感染症対策分科会は、31日の分科会で感染状況を4段階に分け、段階に応じた対策を国や都道府県に促すことで合意しました。
けれども、感染状況を4段階に分けて説明なんて、国民は望んでいないように思います。
それよりも国民はもっと具体的な方針を出して欲しいと思っているのに、政治家も専門家も腰が引けているように感じます。

今、緊急事態宣言を出すとか、再び全国的に自粛要請をするということを望んでいるわけではありません。
それでは経済へのダメージが大きすぎます。
GO TOトラベルキャンペーンは東京だけ除外されていますが、愛知、大阪、福岡も除外したほうが引き締めになると思います。

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3密を防ぎ、大声を出さない。
換気をし、常に手洗いを心掛ける。
こんなことは、もうみんなわかっています。
ただし、わかっていることと、きちんとやることは違います。
もう1回、やるべきことをやれるようにするには、ショック療法が必要です。
政府がGO TOキャンペーンの方向転換をすることはメンツに関わるのでしょうが、経済的なダメージができるだけ少ない形で、国民をその気にさせるには、何かショック療法になるものを打ち出す必要があるでしょう。
さらに、首相の感動的な演説で、国民をその気にさせることも大切だと思います。
感染状況4段階を作ったことで、お茶を濁さないでほしいと思います。

 

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2020年8月 1日 (土)

中高生のための文化講演会

昨日に続き、書斎の断捨離で、2004年1月1日の新聞の一面広告を見つけました。
集英社がもっている財団法人が、2003年、高校生のための文化講演会を主催してくれました。
このとき、兵庫と京都の四つの高校を、二日間で講演しました。
これを機会に、毎年、中高校生を対象に、10か所、講演に行こうと決めました。

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毎年続けていましたが、残念なことに今年はその連続が途切れました。
コロナのせいです。
中断されたことはとても残念ですが、この後、再開していくことが大事なことだろうと思っています。

             ◇
本日8月1日、「大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版」(TBSラジオ)に急きょ、出演します。
ぼくの出番は16時30分ごろから。

ぜひ、お聞きください。

 

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