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2020年8月 3日 (月)

コロナと少子化

新型コロナの陽性者が増え続けています。
その7割は若者といわれています。
若者は軽症ですむと高をくくってると、後でとんでもないことが起こります。
イギリスの論文によると、軽症の人でも3割に息苦しさなどの後遺症が残るといわれています。
嗅覚や味覚の障害は1割の人で、そのまま残り続けているといいます。
慢性疲労性症候群のような症状が残って、気力が出ない、働く気になれないという人たちもいます。
サイトカインストームで血管炎が起こり、静脈血栓から肺梗塞になったり、動脈に血栓が出来て、若くして脳梗塞になったりもしています。
そういうははっきりしたエピソードがなくても、10年後、20年後に脳梗塞が起きたり、解離性大動脈瘤が起きたりする可能性もあり得るのではないかといわれています。
軽症でも、いくつもの臓器に障害を残す可能性があることを忘れないようにしましょう。

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若い世代での感染拡大でいちばん心配なのは、少子化への影響です。
中国の論文によると、ACE2受容体があるため精巣にも炎症が起きていることがわかりました。
38人の若者の精液検査を行ったところ、精子が少なくなっていました。
新型コロナに感染した子どもに精巣の炎症が起きた場合、男性ホルモンのアンドロゲンの分泌が低下し、二次性徴が起きにくくなる可能性もあるのです。

思春期以降に流行性耳下腺炎にかかると、男性の不妊症になる場合がありますが、このやっかいな新型コロナウイルスでもその心配があることが少しずつわかってきました。
ソーシャルディスタンスで人とつきあいにくいという社会的な要因もあわせて考えると、新型コロナは少子化に拍車をかけるのではないかと心配をしています。

もちろん、若者が感染すれば、高齢者も感染者が増え、致死率を上げてしまうことも考えられます。
若者は軽症ですむから感染しても大丈夫と思わないことが大事です。

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