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2020年9月16日 (水)

コロナと原発

新型コロナウイルスによって価値観が変わっていくと、
新刊『それでも、幸せになれる』(清流出版)に書きました。
物やお金から心や文化へと、価値がシフトしていきます。
同時に、ソーシャルディスタンスをとることで、リモートで済むことはリモートでするようになるでしょう。
新幹線に乗ることも減少するので、徐々に本数も減り、
社会の全体の電気の消費量も減っていくことでしょう。

持続可能な世界の実現のために、今後はますます自然エネルギーに注目が集まります。
原発は止めろとは言わないまでも、せめてもう作らないと思ったほうがいいと、新刊に書きました。
日立がイギリスでの原発事業から完全に撤退することになりました。
もともとは2兆円の計画だったものが、安全対策のレベルが上がったために1兆円余分になったのです。
原発輸出は、安倍政権の大きな目玉。
日立と東芝と三菱重工は前のめりになりましたが、全て失敗しています。
東芝は特にアメリカの原発関連企業を高額で買収したものの、実際にはほとんど新しい原発作りができず、
注ぎ込んだお金だけが膨大になっています。
世界の状況が変わっていくなかで、東芝は資本をほとんど原発に吸い取られてしまいました。
日立はそれほどではないと思いますが、水力、風力発電なども手がけながら多方面のチャレンジをしていることで、
イギリスでの失敗の痛手をなんとか小さく収めようとしています。
三菱重工も、建設コストのかかりすぎで、トルコでの原発事業から降りることになりました。
安倍さんは、トルコの大統領のところまで原発の売り込みにいきましたが、結局、失敗に終わりました。

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時代を見る目というのが大事だと思います。
自然エネルギーへの期待が少し低下したので、やっぱり原発と思ったのかもしれませんが、
結局は核のゴミを処理することができない以上、原発には限界があるように思います。
せめて原発の新進建設はしないという方向のなかで、エネルギー問題を考えたほうがいいように思います。
コロナで価値観の大転換が起きていることを忘れないようにしておきたいと思います。

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