鎌田劇場へようこそ!(486)
「燃ゆる女の肖像」
美しい映画だ。
見応えたっぷり。
18世紀フランス、望まぬ結婚を控える貴族の娘と、彼女の肖像画を描く女性画家のラブストーリー。
死ぬ前に大切なものはと聞かれたら、思い出、好きな人、友だち、一冊の本、そう答えている。
大切な友だちでもあり恋人でもあり、生涯の思い出になり、ギリシャ神話のオルフェウス。
オルフェウスは毒蛇に噛まれた妻を冥土に奪還に行くが、振り向いてはならないと言われたにも関わらず、地上に上がる瞬間、妻がついてきてるかどうかを確認しようと後ろを振り返ってしまう。
妻を冥土から救い出すことができなかった。
思い出は大事なのだが、振り返らないことの大事さ。
熱烈な愛と美しい記憶。
主演はセザール賞を2度受賞している女優のアデル・エネル。
とにかく美しい。
この映画の監督シアマは、元パートナーだからこそわかる、微妙な唇の動きや目の動きや髪の毛のほつれをとらえている。
海の前に立った彼女の強烈な美しさ。
これぞ映画。
12月4日ロードショー。
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