鎌田劇場へようこそ!(502)
「ファーザー」
「羊たちの沈黙」でアカデミー賞に輝いた名優アンソニー・ホプキンスの“ 役者人生の最高傑作”と呼び声が高い。
自分の住んでいる場所が変わっていたり、出会った人が出会っていなかったり、なされた会話が実を全くなされてなかったり。
主人公の頭の中で、混乱が生じる。
記憶と時間の混乱という「迷宮」をスリリングに映し出していく。
やがて、彼が認知症になっているのが分かってくる。
認知症の1つ、レビー小体型認知症ではいないはずの人がありありと見えたりする。前頭側頭型認知症では作話や、これまでの人格が変わったようなことをすることもある。
アルツハイマー病の初期には物盗られ妄想というのがある。
主人公は、何度も時計が盗られたと思い込む。
主人公から見た映像と娘が見ている映像とが交錯し、映画をみる者も 正常な世界と幻覚の世界の隙間に押し込まれるような不思議な感覚になる。
アカデミー賞有力候補と言われているが、テーマが重いだけに、アカデミー賞を取れるかどうかは分からない。
ただ、アンソニー・ホプキンスの演技は素晴らしい。
5月14日公開。
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