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「おれたちの歌をうたえ」(呉勝浩著、文藝春秋)
ダイナミックなミステリー小説。昭和、平成、令和と時間の流れの中で友情の切なさ儚さが描かれていく。いくつもの殺人事件が起きる。永井荷風や太宰治、ヴェルレーヌなど作品が、謎を複雑にしていく。最後が素晴らしい。コロナストレスを振り払ってくれる上質のミステリー。分厚いけど読み応えがある。
小説の中に音楽が流れている。このところ続けて読んだ「風の歌を聴け」(村上春樹)や「僕らは風に吹かれて」(河邉徹)もそうだが、小説とその時代の音楽がうまく混じり合っている。ミステリー好きな人、ぜひおすすめです。
鎌田實 2021年4月19日 (月) 12時25分 | 固定リンク Tweet