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2021年8月

2021年8月31日 (火)

自然のなかでオンライン

原村の林と小川をバックに録画を撮りました。
せせらぎの音を聞きながらの収録は、とても心地が良いものです。

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こんな形で録画をして、地元のケーブルテレビで流したりしています。
学会での記念講演なども、事務所からライブで配信しました。

感染拡大が収まらないため、この秋もお客さんを入れた講演会が延期に。
しばらく、こうしたオンライン生活が続きそうです。

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2021年8月30日 (月)

鎌田實の一日一冊(405)

「哲さんの声が聞こえる 中村哲医師が見たアフガンの光」(加藤登紀子著、合同出版)

中村哲先生とは、菅原文太さんの肝いりで、参議院議員会館で対談をしたことがある。
中村哲先生が作った用水路や緑の大地。
タリバンはこれからどうするのだろうか。
哲先生が作った診療所はどうなるのだろうか。
とても心配。

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この本を読むと、中村哲先生が何をしようとしていたのかがよくわかる。
そして、アフガニスタンが背負っている国家としての苦渋もよくわかる。
とてもよい本です。

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2021年8月29日 (日)

鎌田劇場へようこそ!(516)

「総理の夫」

日本映画。
妻が、女性初の総理大臣になり、激動の渦に巻き込まれていく鳥類学者の夫。
中谷美紀と田中圭が演じている。

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現実社会の日本の総理を見ていると、リーダーシップのなさに茫然自失する。
自民党の総裁選に出ようとうごめいている女性もいるようだが、ぼくには、あまり魅力が感じられない。
男の総理がこのところ残念賞が続いているので、
女性がリーダーシップをとってくれいいなあと思いながら、
なるほど、なるほどと納得したり、大笑いしながら楽しく見た。

9月23日ロードショー。

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2021年8月28日 (土)

アップルウォッチ

心房細動の発作はだいぶ少なくなりました。
ワイドスクワットや腹筋運動をした後も、心拍は70以下に抑えられ、以前のようにアップアップした感じはなくなりました。
心電図アプリを利用するためアップルウォッチを使い始めました。

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根をつめて原稿を書いたりしていると、アップルウォッチが「1分間の深呼吸をしてください」とか、「Stand Up!」などと、いいタイミングで指示が入ります。
そのタイミングで、ぼくも気分転換に、外へ出て3分ほど筋力運動をしたりします。

Photo_20210828113801心電図アプリで、体調チェック

 

おおよその心臓の状態をみながら、
運動習慣を続けていくうえで、アップルウォッチはいい相棒になりそうです。

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2021年8月27日 (金)

鎌田實の一日一冊(404)

「9つの事例でわかる 精神障害・発達障害のある人が活躍する職場のつくりかた」
(八木亜希子編著、ボーン・クロイド、又村あおい著、中央法規)

精神障害・発達障害があっても結構働ける。
しかも、生き生きと。

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ダウン症の若者が働いている職場が明るくなったり、生産性をあげたりすることがたくさん報告されているが、精神障害・発達障害のある人が職場で活躍することによって、どんなふうに変わるのか、9つの事例でよく分かってくる。

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2021年8月26日 (木)

新しい老い方

週刊ポストで「ジタバタしない」という連載を10年以上続けています。
最近は、「老い」をテーマに書くことが多くなりました。
8/20号の286回では「新しい老い方を探る」と題して、73歳になったぼくが感じていることを書きました。

24時間心電図で「6秒間の心停止」があったことがわかりました。
そのままオサラバということはまずありませんが、可能性はゼロではありません。
昔から、死の覚悟は出来ています。
けれど、死の覚悟より難しいのは、老いの覚悟です。

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老いのなかで起きてくる病気は、完治ということが少ないです。
だからこそ、微調整しながら、上手に老いとつきあっていくことが重要になります。
微調整しながら、いかにやりたいことをやり続けることができるか。
ここが「新しい老い方」になるかと思っています。
老いを生きるとは、より鎌田らしくなっていくこと。
「新しい老い方」をもう少し深めて、一冊の本にする予定です。
完成は、来年春くらいかな。

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2021年8月25日 (水)

高橋三千綱さんを悼む

芥川賞作家・高橋三千綱さんと、雑誌で対談したことがあります。
同い歳。
とにかくおもしろい人でした。
青春時代はアメリカに渡り、アルバイトをしながら生き延びます。
『九月の空』は青春小説としてすばらしかった。
Photo_20210825113701 作家の高橋三千綱さん(中央)

食道がんと肝硬変、重度の糖尿病がありましたが、
病気にも負けていませんでした。

お互い気に入って、それぞれが本を出すと、ときどき送り合っていました。
ぼくがやっているラジオ番組「日曜はがんばらない」(文化放送)にも、ゲスト出演していただきました。

芥川賞作家らしくない芥川賞作家。
ご冥福をお祈りしたします。

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2021年8月24日 (火)

最高の散歩コース

最近は少しずつ運動負荷を重くし、スクワットやランジなどの筋トレも行っています。
アブレーションを受けたばかりのころは不安定でしたが、
近ごろは心房細動が出る回数が減ってきました。

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大事をとりすぎて、サルコペニアになってしまっては元も子もありません。
雨の合い間を縫って、彫刻の森や蓼科湖の周りを歩いています。
彫刻の森では、林のなかにハンモッグがつってあり、自由に利用できます。
最高の散歩コースです。

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2021年8月23日 (月)

美味しいコーヒーでいっぷくを

JIM-NETでは、カルディコーヒーファームのご協力により、
ドリップコーヒー「coffee for peace!」を販売しています。
イラクやシリアの小児がんの子どもたちの絵が、パッケージになっています。

先週、「大竹まことゴールデンラジオ!」(文化放送)にリモート出演しました。
大竹まことさんと室井佑月さんには、チョコ募金の時にも心強い応援をいただいていますが、今回も番組で「coffee for peace!」を紹介していただいたおかげで、JIM-NETの事務所の電話が鳴りっぱなしになりました。
ありがたいことです。

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絵柄は4種。
2個1セットで550円です。

美味しいコーヒーで、コロナ禍のストレスを吹っ飛ばすいっぷくにしていただければうれしいです。

ご購入はJIM-NETオンラインショップから
(カルディでのお取り扱いはありません)

https://www.jim-net.org/2021/08/10/7102/

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2021年8月22日 (日)

中道小ミュージアム

福祉施設が、小学校の跡地にできました。
その小学校の思い出を、神戸市立中道小ミュージアムとして伝えています。
中道小で行ってきた夏祭りや敬老会なども、継続しているというのも、とてもすばらしいです。

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少子化に伴って、小学校、中学校が統廃合され、廃校になったところを売ったり、貸したりする例は全国的にみられますが、
このように地域の小学校の思い出をミュージアムとして残しているというのは、あたたかくて、ユニークです。
利用する高齢者も、この小学校の思い出をもっていると思うので、なつかしく、うれしい気持ちになるのではないかと思いました。

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2021年8月21日 (土)

時限立法で都市封鎖を

新型コロナに感染した妊娠した女性が入院できず、
生まれてきた子どもの命を助けてあげられない状況が発生しています。
30代の働き盛りの人が感染して入院できないまま亡くなったり、
家族で感染し、40代の母親が亡くなるという、悲惨な状況が続いています。

長野県も1日の新規感染者が158人を数えるなど、未だかつてない状況になっています。
そのうちの18人は県外から来た人。
8月7、8、9日の連休やお盆休みなどは、東京からたくさんの車が入ってきていました。
長野県の医療体制は、東京や神奈川、大阪などの都市圏ほど厚くはありません。
感染者が増えれば、すぐに医療はひっ迫してしまいます。

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人の行動の自由を守ることは大事ですが、
この状況を一刻も早く解消するには、時限立法でロックダウンを考えたほうがいいと思います。
国会を開き、議論して1年間の時限立法で法律を作り、法的にロックダウンができるようにする。
そして、国民には、ロックダウンの前に、もう一度、国民の力で人流を減らす努力を呼びかけ、
それでも効果がない時には、時限立法でできた法律を使って、人流を減らすようにしないと、
この感染の急拡大は止まらないように思います。
政治の力が弱すぎます。

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2021年8月20日 (金)

にもかかわらず

『鎌田式「にもかかわらず」という生き方』(宝島社)が増刷になりました。

人生100年時代の幸福論。
生老病死の悩みがあっても人生を楽しく過ごせるヒント集です。

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病気にもかかわらず、人は死ぬにもかかわらず、という鎌田式「にもかかわらず」という生き方が、縦横無尽に展開されています。
累計2万1000部。
たくさんの人に読んでもらえたら嬉しいです。

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2021年8月19日 (木)

客船を初期治療の場に

政府は、急に「酸素ステーション」と言いだしているけれど、やはり大事なのは、初期治療です。
酸素だけではなく、抗体カクテル療法を中心にした初期治療をして、重症化させないというのが大事だと思います。
ドームや体育館を野戦病院化できないかという議論も出ていますが、
ぼくは、第一波の時からずっと客船の利用を提案しています。
世界一周できるような客船ならば、1000人規模の患者さんを受け入れられます。
東京都では、いろんな病院に頭を下げて、たとえば5床ずつ広げていますが、
そういう広げ方では、ドラスティックな状況改善は難しいように思います。

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客船ならば、一気に1000床規模でベッドを確保できます。
ベッドを広げ、それをどう利用するかを明確にすることによって、菅首相が言っている医療体制の再構築ができるのではないかと思います。
客船で受け入れるのは、中等症Ⅰくらいまでの人。
軽症の人を三日間ぐらい経過観察しながら、抗体カクテル療法などの初期治療をするようにします。
できるだけ中等症Ⅱや重症者は入れません。
初期治療後は、在宅か、あるいはホテルで経過観察するということができるようになったらいいと思います。
医療従事者は、自衛隊病院の医師や看護師、それにDMATに協力を仰ぐということをしたら、後手後手に回っているコロナの医療システムを挽回できるのではないでしょうか。
東京都で成功すれば、大阪、福岡などでも、客船を半年ほど借りて使うことができます。
客船の利用で、全国規模で問題解決ができるように思います。

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2021年8月18日 (水)

半年ぶり

8月20日午後2時20分から、「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(文化放送)に出演します。
半年ぶりの出演です。

コロナに負けないための健康づくりや、新刊『ミッドライフ・クライシス』(青春新書)についてお話します。
『ミッドライフ・クライシス』のリスナープレゼントもあります。

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ぜひ、お聞きください。

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2021年8月17日 (火)

鎌田實の一日一冊(403)

「古代文明と星空の謎」(渡部潤一著、ちくまプリマー新書)

ストーンヘンジは夏至の日の出を示し、ピラミッドは正確に真北を向いて建造されている。
古代人を星空から精密な方角や暦を導き出している。

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すごいなと思ったのは、キトラ古墳の天井に描かれた星宿図。
真ん中には北極星があり、世界最古の精密な星座といわれている。
メラネシアやミクロネシアの人々が、どうやって星を見て海を渡ったのか。
とても面白い本だ。

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2021年8月16日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(515)

「護られなかった者たちへ」

出演は、佐藤健、阿部寛。
監督は、大ヒット映画「64-ロクヨン」の瀬々敬久。

見応えのあるサスペンス映画。
サスペンスでありながらヒューマン。
被災地宮城県を舞台に連続餓死殺人事件が起きる。
被害者は、いずれも“善人”といわれる人たち。

生活保護を受けてあたりまえの境遇の人が、生活保護を受けずに餓死していく。
何が善で、何が悪なのかがわからなくなっていく。
境界線が見えなくなっていく中での殺人事件。

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衝撃のどんでん返しが待っている。
感動のヒューマンミステリーだ。
10月1日ロードショー。

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2021年8月15日 (日)

睡眠の改善

週刊ポストの連載「ジタバタしない」で、睡眠時に6秒間、心停止したという話を書きました。
それかが、ポストセブンニュースというネットニュースで配信されたため、
何人かの方からご心配のメールをいただきました。

心房細動はかなり改善傾向にあります。
いまも時々、心房細動になりますが、正常な脈の時間が多くなってきました。
6月にカテーテル・アブレーション(電気的焼灼術)をしましたが、
術後3ヶ月間は、火傷による炎症が残り、不安定になりやすいと主治医から説明されています。

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現在は、200万人いるといわれている睡眠時無呼吸症候群の対応をしています。
枕を変えて、熟睡アプリで自分のいびきの時間を測定しています。
このところの3日間は、いびきは全くなくなりました。
睡眠時の無呼吸がゼロになったかどうかは、精密な検査をしないと分からないのですが、
いびきがなくなってるということは、おそらく無呼吸もなくなっている可能性が強いと思います。
口腔外科で作ってもらったマウスピースも効いているかもしれません。

よく眠れるようになって、日中の元気度も変わってきました。
スクワットやかかと落とし、ランジ、腕立て伏せなどをして、運動で負荷をかけ始めました。

 

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2021年8月14日 (土)

Coffee for Peace!

ドリップコーヒー × イラク・シリアの子どもたちの絵

= 子どもたちの命をつなぐ

 ×  

JIM-NETが支援しているイラクとシリアの小児がんの子どもたちの描いた絵が、こんどはコーヒーになりました。

こだわりのコーヒー豆や輸入食品などを販売するカルディコーヒーファームのご協力により、こどもたちの絵がパッケージにデザインされたドリップコーヒー「Coffee for Peace!」ができました。JIM-NETオンラインショップにて絶賛発売中です。

ご購入はこちら

経費を除いた収益は、JIM-NETの活動に充てられます。
ぜひご協力ください。 

初回限定数2万セット、無くなり次第に終了です。
お早目にご注文ください!

JIM-NETオンラインショップ限定発売
(カルディコーヒーファームでのお取り扱いはありません)



ご購入はこちら

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2021年8月13日 (金)

神様VS.神様

ギターの神様ブライアン・メイが、同じくギターの神様エリック・クラプトンを「変人」と批判したようです。
新型コロナのワクチンで副反応が出たため、ワクチン反対を言いだし、
さらに、ワクチン接種証明書の提示がないとコンサートなどに入れないという英国ジョンソン首相が言い出したルールに反対を示したクラプトン。
観客が差別されるようなステージでは今後一切パフォーマンスはしない、と言明しました。

それに対して、メイはこう批判しました。
「どんな薬にも副作用はつきもの、でも、ワクチンを「人を殺すためのもの」みたいなことを言う人は、私にはどうかしているとしか思えない」

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日本では、政府の脇の甘さで、ワクチンを十分確保できず、先進国の中では接種率が上がっていません。
それどころか、政府がのんびりしている間に反ワクチン主義の少数の意見が、ネット上に拡散し、それに引っ張られる人たちが多くなっています。
20代から50代にかけては、半分近くがワクチンを打つことを躊躇しているといいます。

ぼくは自己決定が大事だと思っているので、3割ぐらいはワクチンを打ちたくないという人がいても仕方ないと思っています。
しかし、それを超える数の人たちが出てきているとすれば、発症、重症化する人の数は抑えられません。
飲食店では、これからもお酒を提供できない期間が長引いてしまうでしょう。

ぼくたちの地域では比較的、スムーズにワクチン接種が進んでいるように思います。
ぼくの患者さんのほとんどがワクチン接種を希望していますが、
70歳代の方で2人、ワクチンを打つかどうか迷っている人がいました。
ネット情報を見た子どもから、打たないほうがいいよと言われたそうです。

ワクチンの接種率が伸び悩めば、コンサートに行ったり、飲み会をやったりすることはまだまだ難しそうに思います。
ワクチン接種のメリットと、デメリットを冷静に判断する必要があります。
そして、飲食店で働く人たちなど、多くの人たちの生活を守るためにも、
強制ではなく、もう少しワクチンを打ってもいいという人たちが広がることを望みます。

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2021年8月12日 (木)

鎌田實の一日一冊(402)

『老後はひとり暮らしが幸せ』(辻川覚志著、水曜社)

著者は、大阪で耳鼻咽喉科のクリニックを開業している。
月刊「潮」の「希望・日本」という連載で、辻川先生と対談をした。

医師会の調査が半分。
あとの半分は、医師会の広報委員として電話で聞き取り調査を行ったもの。
老後、家族と同居するほうが幸せなのか、一人暮らしが幸せなのか調査したところ、
「一人暮らしは寂しい」という人が30%、「家族がいても寂しい」という人が15%。
家族といても、一人でも、不安はそう変わりはないことがわかった。
満足度について聞くと、驚きの結果になった。
一人暮らしのほうが満足度が高い、という結果になったのだ。
特に、心の整理をして、覚悟をしている人は、満足度が高い。
「初めから一人だから寂しくなんかない」という答えもあった。

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ぼくは、40数年、訪問診療をしてきて実感するのは、一人暮らしのほうが強いということだ。
一人暮らしで病気があると、不安で寂しくて辛いので、満足度も低いのではないか思いがちだが、
一人暮らしの人のほうが、自己決定をして生きていて、今に満足している。
「最期、ぼくの往診が間に合わなくてもかまわない。朝、来てくれて、死亡を確認してくれればいい」なんて、
平然と言う人たちが多かった。

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2021年8月11日 (水)

ブリューゲル

「イメージの森のなかへ」シリーズの『ブリューゲルの宴』(和倉隆著、二玄社)は、
作品の細部にフォーカスし、ブリューゲルの世界を解明していく画集です。
1500年代に活躍したブリューゲルは、「死の舞踏」など不思議な絵も残しています。
「子どもの遊戯」という絵では、80種類以上の遊びが描かれていて、
ぼくが子ども時代にしていた「馬乗り」などの遊びを思わせる遊びも出てきます。
よく見ると、子どもなのか、大人なのかわからない、もしかした子どもの遊びをしている大人が描かれている可能性もあります。
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細部を一つひとつ分解してみていくと、発見があります。
「怠け者の天国」という作品は、なんとも言えないおもしろい世界。
職業も、階層もまるで違う人間がだらしなく生きています。
半熟卵が逃げていく絵があったり、鶏の丸焼きが寝そべっていたり、
ナイフが刺さったままの焼豚が逃げていったり、美食と怠け者が溢れていて、とても楽しいです。

Img_6609 部屋に飾っているブリューゲルのポスター

有名な「バベルの塔」は圧巻です。
「反逆天使の転落」は、転落していく高慢な天使たちが魔物に変身していきます。
これは1562年の作品ですが、まるで現代アートのよう。
この「イメージの森のなかへ」というシリーズには、レンブラントやモネ、ゴッホ、ゴヤなどがあり、とても楽しいです。

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2021年8月10日 (火)

65歳までにやっておけばよかったこと

「女性セブン」8月12日号に、鎌田實のインタビューが掲載されています。
「65歳までにやっておけばよかったこと」というテーマに対して、ぼくは「食生活の改善」と答えています。
さらに、鎌田流の中年期の乗り越え方として、このほど出版された『ミッドライフ・クライシス』(青春新書)が紹介されています。

Img_6610「女性セブン」8/12号

落合恵子さんやアグネス・チャン、渡辺えりさんも、高齢者と呼ばれる年齢に足を踏み入れたからこそ気づいたことについて語っています。
ぜひ、お読みください。

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2021年8月 9日 (月)

鎌田文庫8月のおすすめ(2)

佐賀にある「まちなかライブラリー鎌田文庫」8月のイチオシは

『コーネリアス たってあるいた わにの はなし』
    (レオ=レオニ著、谷川俊太郎翻訳、好学社)

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ワニのコーネリアスは、立つと遠くまでものが見えると、仲間に言うと、
「それがどうしたっていうのさ」
変わったことをすることに興味を持たない仲間にうんざりして、
コーネリアスは仲間から離れていきます。

サルと出会って、いろんな技を教わります。
サルに体を支えてもらって、木にぶら下がる訓練をしました。
今度こそ、仲間は驚くだろうと思って、仲間の前でその技を見せると、
「へえ、それで?」
がっかりしたコーネリアス。
でも、ちょっと気になって、後ろを振り返ると、
必死に気にぶら下がろうとする仲間たちがいました。

「新しい生き方」というのは、こうやって馬鹿らしいところから始まっているのかもしれません。

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2021年8月 8日 (日)

里帰り

『雪とパイナップル』(集英社)は2004年に出版した、実話を元にしたベラルーシの少年の物語です。
この本が、ロシア語とベラルーシ語に翻訳され、それぞれの国で出版されることになりました。
契約問題などで5ヶ月ほどかかりましたが、ついに実現します。

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『雪とパイナップル』の舞台は、ベラルーシのゴメリというまち。
ロシアやベラルーシに“里帰り”し、読んでもらえるのはとても嬉しいことです。

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2021年8月 7日 (土)

honto ブックツリー

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ハイブリッド型複合書店「honto」のブックツリーで、
ブックキュレーターとして、カマタお勧めの5冊ご紹介しています。

テーマは、
「新しい時代に、新しい歩みを始めるための本」

もしも、あなたがいま、
“暗闇”のなかで立ちすくんでいるのなら、
無理にがんばらなくても大丈夫。

そんな時は、本から力をもらおう。
本を読むことで、自分に向き合えるかもしれない。
一歩踏み出せるかもしれない。
おもしろく生きられるかもしれない。
なにより、笑顔になれるかもしれない。

ぼくにとって、読書は人生の“羅針盤”。
コロナ禍で、社会は変わるかもしれないが、
ぼくはいまでも<本のチカラ>を信じている。

【オススメの5冊はこちらから ↓ 】
https://honto.jp/booktree/detail_00014192.html

Honto

丸善・ジュンク堂などの大型書店でも、
8月26日~9月29日まで、
【いまだからこそ読んでおきたい50冊】というフェアが開催される予定です。
実店舗でもこの5冊が並ぶ予定ですので、ぜひ手にとってご覧ください。

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2021年8月 6日 (金)

平均寿命と健康寿命

厚生労働省が平均寿命を発表しました。

男性は81.64歳、女性は87.74歳で、いずれも過去最高となりました。
女性は世界一、男性はスイスに次いで二位です。
アメリカではコロナ禍で1歳ほど短くなったようですが、
日本ではほとんど影響がなかったといいます。

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平均寿命が延びる一方で、元気で過ごせる期間を示す「健康寿命」が重要です。
健康寿命の算定方法には3種類ありますが、
要介護かどうかを基準にした健康寿命では、長野県は4年連続で男女ともに日本一。
要介護2までの期間を、「自分で自分のことができる状態」として推計しています。
健康寿命の3種類の中では最も客観的なデータだと思います。

長野県の健康寿命日本一を支えているものは、高齢者の就業率が高いことや、ボランティア活動率が高いこと、
保健師の活動の活発さなどだといわれています。
長野県の健康寿命、男性は81.1歳、女性は84.9歳。
平均寿命との差、つまり介護が必要な期間は男性は半年ほど、女性は3歳ほど。
長野県は平均寿命も長く、要介護度でみる健康寿命も長いという、とても良いパターンになっています。

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2021年8月 5日 (木)

本の寺子屋

塩尻市立図書館では、挑戦的な取り組みをしています。

図書館もすてきなのですが、「本の寺子屋」という生涯学習の取り組みがあり、
上野千鶴子さんや佐高信さんなど、さまざまなゲストが講演会や講座を開催しています。

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その「本の寺子屋」が本になりました。

『「本の寺子屋」新時代へ 塩尻市図書館の挑戦2』
   「信州しおじり本の寺子屋」研究会編、東洋出版

鎌田實は「読書は僕の人生の羅針盤」というエッセイを書いています。

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2021年8月 4日 (水)

ボルタンスキー氏を悼む

フランスの現代芸術家、クリスチャン・ボルタンスキー氏が7月14日、76歳で亡くなった。
人の生と死を表現をしていた。

2012年新潟県十日町市で行われた大地の芸術祭で、「ノーマンズランド」という作品を見た。
16トンの古着で山を築いた。
ユダヤ人の彼は、家族をホロコーストで亡くしている。
静かに、死を思わせる作品を提示したのだ。

Img_1640ボルタンスキー作「ノーマンズランド」

最近は、他者の死より自分の死が問題になってきたと語っていたようだ。
ボルタンスキー氏の死を悼みます。

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2021年8月 3日 (火)

定年後を豊かに

『人生100年時代を楽しむ生き方』(労務行政「月刊シルバー人材センター」編集室:編)

どうしたら定年後を豊かに生きられるか。
三浦雄一郎さんや毒蝮三太夫さん、樋口恵子さん・・・・28人がインタビューにこたえています。
鎌田實は、「コロナ時代に重要な人とのつながり、社会貢献がシニアの健康を支える」というテーマで話しています。

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よろしかったら、読んでみてください。

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2021年8月 2日 (月)

鎌田文庫8月のおすすめ

佐賀にある「まちなかライブラリー鎌田文庫」8月のおすすめは

「やっぱりおおかみ」(ささきまき 作・絵、福音館書店)

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今、鎌田流の孤独の本を書いていますが、
この絵本は、ひしひしと孤独が感じられる傑作です。
一匹おおかみが、仲間を探します。
うさぎにはうさぎの世界があり、やぎにはやぎの、ぶたにはぶたの世界がありました。
仲間になれたら、楽しく遊べるのにとうさぎややぎをうらやみます。
おれに似た子はいないな、と孤独感が迫ってきます。
そして、孤独の中で「やっぱりおれはおおかみだもんな、おおかみとして生きるしかないよ」と
おおかみはソロ立ちを決意します。
そう決意すると、なんだか不思議に愉快な気持ちになってきました。

いい絵本です。
九州に行ったら、佐賀にある鎌田文庫にぜひ足を運んでみてください。
誰でも利用することができます。
特に絵本は充実しています。

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2021年8月 1日 (日)

伊藤京子さんを悼む

伊藤京子さんが94歳でお亡くなりになりました。
日本のプリマドンナといわれた、ソプラノ歌手でした。

毎年、諏訪中央病院ではホスピタルコンサートを開いていましたが、
伊藤さんは、東京の大きなホールで歌わなくなってからも、ホスピタルコンサートには常連のように、毎回参加してくださいました。

Img_3639_20210801103301ホスピタルコンサートで美しいソプラノを披露した伊藤京子さん(左)

写真のいちばん左にいるのが、伊藤京子さんです。
いちばん右の男性は、ぼくの白衣を着て、聴診器を肩にかけながら名司会をしてくれた畠中亮介先生。
中央の奥にいるのは、チェロの大家・青木十良先生です。

ホスピタルコンサートでの、伊藤京子さんの美しいソプラノが思い出されます。
ご冥福をお祈りいたします。

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