自然のなかでオンライン
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週刊ポストで「ジタバタしない」という連載を10年以上続けています。
最近は、「老い」をテーマに書くことが多くなりました。
8/20号の286回では「新しい老い方を探る」と題して、73歳になったぼくが感じていることを書きました。
24時間心電図で「6秒間の心停止」があったことがわかりました。
そのままオサラバということはまずありませんが、可能性はゼロではありません。
昔から、死の覚悟は出来ています。
けれど、死の覚悟より難しいのは、老いの覚悟です。
老いのなかで起きてくる病気は、完治ということが少ないです。
だからこそ、微調整しながら、上手に老いとつきあっていくことが重要になります。
微調整しながら、いかにやりたいことをやり続けることができるか。
ここが「新しい老い方」になるかと思っています。
老いを生きるとは、より鎌田らしくなっていくこと。
「新しい老い方」をもう少し深めて、一冊の本にする予定です。
完成は、来年春くらいかな。
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JIM-NETでは、カルディコーヒーファームのご協力により、
ドリップコーヒー「coffee for peace!」を販売しています。
イラクやシリアの小児がんの子どもたちの絵が、パッケージになっています。
先週、「大竹まことゴールデンラジオ!」(文化放送)にリモート出演しました。
大竹まことさんと室井佑月さんには、チョコ募金の時にも心強い応援をいただいていますが、今回も番組で「coffee for peace!」を紹介していただいたおかげで、JIM-NETの事務所の電話が鳴りっぱなしになりました。
ありがたいことです。
絵柄は4種。
2個1セットで550円です。
美味しいコーヒーで、コロナ禍のストレスを吹っ飛ばすいっぷくにしていただければうれしいです。
ご購入はJIM-NETオンラインショップから
(カルディでのお取り扱いはありません)
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新型コロナに感染した妊娠した女性が入院できず、
生まれてきた子どもの命を助けてあげられない状況が発生しています。
30代の働き盛りの人が感染して入院できないまま亡くなったり、
家族で感染し、40代の母親が亡くなるという、悲惨な状況が続いています。
長野県も1日の新規感染者が158人を数えるなど、未だかつてない状況になっています。
そのうちの18人は県外から来た人。
8月7、8、9日の連休やお盆休みなどは、東京からたくさんの車が入ってきていました。
長野県の医療体制は、東京や神奈川、大阪などの都市圏ほど厚くはありません。
感染者が増えれば、すぐに医療はひっ迫してしまいます。
人の行動の自由を守ることは大事ですが、
この状況を一刻も早く解消するには、時限立法でロックダウンを考えたほうがいいと思います。
国会を開き、議論して1年間の時限立法で法律を作り、法的にロックダウンができるようにする。
そして、国民には、ロックダウンの前に、もう一度、国民の力で人流を減らす努力を呼びかけ、
それでも効果がない時には、時限立法でできた法律を使って、人流を減らすようにしないと、
この感染の急拡大は止まらないように思います。
政治の力が弱すぎます。
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政府は、急に「酸素ステーション」と言いだしているけれど、やはり大事なのは、初期治療です。
酸素だけではなく、抗体カクテル療法を中心にした初期治療をして、重症化させないというのが大事だと思います。
ドームや体育館を野戦病院化できないかという議論も出ていますが、
ぼくは、第一波の時からずっと客船の利用を提案しています。
世界一周できるような客船ならば、1000人規模の患者さんを受け入れられます。
東京都では、いろんな病院に頭を下げて、たとえば5床ずつ広げていますが、
そういう広げ方では、ドラスティックな状況改善は難しいように思います。
客船ならば、一気に1000床規模でベッドを確保できます。
ベッドを広げ、それをどう利用するかを明確にすることによって、菅首相が言っている医療体制の再構築ができるのではないかと思います。
客船で受け入れるのは、中等症Ⅰくらいまでの人。
軽症の人を三日間ぐらい経過観察しながら、抗体カクテル療法などの初期治療をするようにします。
できるだけ中等症Ⅱや重症者は入れません。
初期治療後は、在宅か、あるいはホテルで経過観察するということができるようになったらいいと思います。
医療従事者は、自衛隊病院の医師や看護師、それにDMATに協力を仰ぐということをしたら、後手後手に回っているコロナの医療システムを挽回できるのではないでしょうか。
東京都で成功すれば、大阪、福岡などでも、客船を半年ほど借りて使うことができます。
客船の利用で、全国規模で問題解決ができるように思います。
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週刊ポストの連載「ジタバタしない」で、睡眠時に6秒間、心停止したという話を書きました。
それかが、ポストセブンニュースというネットニュースで配信されたため、
何人かの方からご心配のメールをいただきました。
心房細動はかなり改善傾向にあります。
いまも時々、心房細動になりますが、正常な脈の時間が多くなってきました。
6月にカテーテル・アブレーション(電気的焼灼術)をしましたが、
術後3ヶ月間は、火傷による炎症が残り、不安定になりやすいと主治医から説明されています。
現在は、200万人いるといわれている睡眠時無呼吸症候群の対応をしています。
枕を変えて、熟睡アプリで自分のいびきの時間を測定しています。
このところの3日間は、いびきは全くなくなりました。
睡眠時の無呼吸がゼロになったかどうかは、精密な検査をしないと分からないのですが、
いびきがなくなってるということは、おそらく無呼吸もなくなっている可能性が強いと思います。
口腔外科で作ってもらったマウスピースも効いているかもしれません。
よく眠れるようになって、日中の元気度も変わってきました。
スクワットやかかと落とし、ランジ、腕立て伏せなどをして、運動で負荷をかけ始めました。
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ドリップコーヒー × イラク・シリアの子どもたちの絵
= 子どもたちの命をつなぐ
×
JIM-NETが支援しているイラクとシリアの小児がんの子どもたちの描いた絵が、こんどはコーヒーになりました。
こだわりのコーヒー豆や輸入食品などを販売するカルディコーヒーファームのご協力により、こどもたちの絵がパッケージにデザインされたドリップコーヒー「Coffee for Peace!」ができました。JIM-NETオンラインショップにて絶賛発売中です。
経費を除いた収益は、JIM-NETの活動に充てられます。
ぜひご協力ください。
初回限定数2万セット、無くなり次第に終了です。
お早目にご注文ください!
JIM-NETオンラインショップ限定発売
(カルディコーヒーファームでのお取り扱いはありません)
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ギターの神様ブライアン・メイが、同じくギターの神様エリック・クラプトンを「変人」と批判したようです。
新型コロナのワクチンで副反応が出たため、ワクチン反対を言いだし、
さらに、ワクチン接種証明書の提示がないとコンサートなどに入れないという英国ジョンソン首相が言い出したルールに反対を示したクラプトン。
観客が差別されるようなステージでは今後一切パフォーマンスはしない、と言明しました。
それに対して、メイはこう批判しました。
「どんな薬にも副作用はつきもの、でも、ワクチンを「人を殺すためのもの」みたいなことを言う人は、私にはどうかしているとしか思えない」
日本では、政府の脇の甘さで、ワクチンを十分確保できず、先進国の中では接種率が上がっていません。
それどころか、政府がのんびりしている間に反ワクチン主義の少数の意見が、ネット上に拡散し、それに引っ張られる人たちが多くなっています。
20代から50代にかけては、半分近くがワクチンを打つことを躊躇しているといいます。
ぼくは自己決定が大事だと思っているので、3割ぐらいはワクチンを打ちたくないという人がいても仕方ないと思っています。
しかし、それを超える数の人たちが出てきているとすれば、発症、重症化する人の数は抑えられません。
飲食店では、これからもお酒を提供できない期間が長引いてしまうでしょう。
ぼくたちの地域では比較的、スムーズにワクチン接種が進んでいるように思います。
ぼくの患者さんのほとんどがワクチン接種を希望していますが、
70歳代の方で2人、ワクチンを打つかどうか迷っている人がいました。
ネット情報を見た子どもから、打たないほうがいいよと言われたそうです。
ワクチンの接種率が伸び悩めば、コンサートに行ったり、飲み会をやったりすることはまだまだ難しそうに思います。
ワクチン接種のメリットと、デメリットを冷静に判断する必要があります。
そして、飲食店で働く人たちなど、多くの人たちの生活を守るためにも、
強制ではなく、もう少しワクチンを打ってもいいという人たちが広がることを望みます。
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『老後はひとり暮らしが幸せ』(辻川覚志著、水曜社)
著者は、大阪で耳鼻咽喉科のクリニックを開業している。
月刊「潮」の「希望・日本」という連載で、辻川先生と対談をした。
医師会の調査が半分。
あとの半分は、医師会の広報委員として電話で聞き取り調査を行ったもの。
老後、家族と同居するほうが幸せなのか、一人暮らしが幸せなのか調査したところ、
「一人暮らしは寂しい」という人が30%、「家族がいても寂しい」という人が15%。
家族といても、一人でも、不安はそう変わりはないことがわかった。
満足度について聞くと、驚きの結果になった。
一人暮らしのほうが満足度が高い、という結果になったのだ。
特に、心の整理をして、覚悟をしている人は、満足度が高い。
「初めから一人だから寂しくなんかない」という答えもあった。
ぼくは、40数年、訪問診療をしてきて実感するのは、一人暮らしのほうが強いということだ。
一人暮らしで病気があると、不安で寂しくて辛いので、満足度も低いのではないか思いがちだが、
一人暮らしの人のほうが、自己決定をして生きていて、今に満足している。
「最期、ぼくの往診が間に合わなくてもかまわない。朝、来てくれて、死亡を確認してくれればいい」なんて、
平然と言う人たちが多かった。
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「イメージの森のなかへ」シリーズの『ブリューゲルの宴』(和倉隆著、二玄社)は、
作品の細部にフォーカスし、ブリューゲルの世界を解明していく画集です。
1500年代に活躍したブリューゲルは、「死の舞踏」など不思議な絵も残しています。
「子どもの遊戯」という絵では、80種類以上の遊びが描かれていて、
ぼくが子ども時代にしていた「馬乗り」などの遊びを思わせる遊びも出てきます。
よく見ると、子どもなのか、大人なのかわからない、もしかした子どもの遊びをしている大人が描かれている可能性もあります。
細部を一つひとつ分解してみていくと、発見があります。
「怠け者の天国」という作品は、なんとも言えないおもしろい世界。
職業も、階層もまるで違う人間がだらしなく生きています。
半熟卵が逃げていく絵があったり、鶏の丸焼きが寝そべっていたり、
ナイフが刺さったままの焼豚が逃げていったり、美食と怠け者が溢れていて、とても楽しいです。
有名な「バベルの塔」は圧巻です。
「反逆天使の転落」は、転落していく高慢な天使たちが魔物に変身していきます。
これは1562年の作品ですが、まるで現代アートのよう。
この「イメージの森のなかへ」というシリーズには、レンブラントやモネ、ゴッホ、ゴヤなどがあり、とても楽しいです。
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佐賀にある「まちなかライブラリー鎌田文庫」8月のイチオシは
『コーネリアス たってあるいた わにの はなし』
(レオ=レオニ著、谷川俊太郎翻訳、好学社)
ワニのコーネリアスは、立つと遠くまでものが見えると、仲間に言うと、
「それがどうしたっていうのさ」
変わったことをすることに興味を持たない仲間にうんざりして、
コーネリアスは仲間から離れていきます。
サルと出会って、いろんな技を教わります。
サルに体を支えてもらって、木にぶら下がる訓練をしました。
今度こそ、仲間は驚くだろうと思って、仲間の前でその技を見せると、
「へえ、それで?」
がっかりしたコーネリアス。
でも、ちょっと気になって、後ろを振り返ると、
必死に気にぶら下がろうとする仲間たちがいました。
「新しい生き方」というのは、こうやって馬鹿らしいところから始まっているのかもしれません。
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ハイブリッド型複合書店「honto」のブックツリーで、
ブックキュレーターとして、カマタお勧めの5冊ご紹介しています。
テーマは、
「新しい時代に、新しい歩みを始めるための本」
もしも、あなたがいま、
“暗闇”のなかで立ちすくんでいるのなら、
無理にがんばらなくても大丈夫。
そんな時は、本から力をもらおう。
本を読むことで、自分に向き合えるかもしれない。
一歩踏み出せるかもしれない。
おもしろく生きられるかもしれない。
なにより、笑顔になれるかもしれない。
ぼくにとって、読書は人生の“羅針盤”。
コロナ禍で、社会は変わるかもしれないが、
ぼくはいまでも<本のチカラ>を信じている。
【オススメの5冊はこちらから ↓ 】
https://honto.jp/booktree/detail_00014192.html
丸善・ジュンク堂などの大型書店でも、
8月26日~9月29日まで、
【いまだからこそ読んでおきたい50冊】というフェアが開催される予定です。
実店舗でもこの5冊が並ぶ予定ですので、ぜひ手にとってご覧ください。
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厚生労働省が平均寿命を発表しました。
男性は81.64歳、女性は87.74歳で、いずれも過去最高となりました。
女性は世界一、男性はスイスに次いで二位です。
アメリカではコロナ禍で1歳ほど短くなったようですが、
日本ではほとんど影響がなかったといいます。
平均寿命が延びる一方で、元気で過ごせる期間を示す「健康寿命」が重要です。
健康寿命の算定方法には3種類ありますが、
要介護かどうかを基準にした健康寿命では、長野県は4年連続で男女ともに日本一。
要介護2までの期間を、「自分で自分のことができる状態」として推計しています。
健康寿命の3種類の中では最も客観的なデータだと思います。
長野県の健康寿命日本一を支えているものは、高齢者の就業率が高いことや、ボランティア活動率が高いこと、
保健師の活動の活発さなどだといわれています。
長野県の健康寿命、男性は81.1歳、女性は84.9歳。
平均寿命との差、つまり介護が必要な期間は男性は半年ほど、女性は3歳ほど。
長野県は平均寿命も長く、要介護度でみる健康寿命も長いという、とても良いパターンになっています。
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佐賀にある「まちなかライブラリー鎌田文庫」8月のおすすめは
「やっぱりおおかみ」(ささきまき 作・絵、福音館書店)
今、鎌田流の孤独の本を書いていますが、
この絵本は、ひしひしと孤独が感じられる傑作です。
一匹おおかみが、仲間を探します。
うさぎにはうさぎの世界があり、やぎにはやぎの、ぶたにはぶたの世界がありました。
仲間になれたら、楽しく遊べるのにとうさぎややぎをうらやみます。
おれに似た子はいないな、と孤独感が迫ってきます。
そして、孤独の中で「やっぱりおれはおおかみだもんな、おおかみとして生きるしかないよ」と
おおかみはソロ立ちを決意します。
そう決意すると、なんだか不思議に愉快な気持ちになってきました。
いい絵本です。
九州に行ったら、佐賀にある鎌田文庫にぜひ足を運んでみてください。
誰でも利用することができます。
特に絵本は充実しています。
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伊藤京子さんが94歳でお亡くなりになりました。
日本のプリマドンナといわれた、ソプラノ歌手でした。
毎年、諏訪中央病院ではホスピタルコンサートを開いていましたが、
伊藤さんは、東京の大きなホールで歌わなくなってからも、ホスピタルコンサートには常連のように、毎回参加してくださいました。
ホスピタルコンサートで美しいソプラノを披露した伊藤京子さん(左)
写真のいちばん左にいるのが、伊藤京子さんです。
いちばん右の男性は、ぼくの白衣を着て、聴診器を肩にかけながら名司会をしてくれた畠中亮介先生。
中央の奥にいるのは、チェロの大家・青木十良先生です。
ホスピタルコンサートでの、伊藤京子さんの美しいソプラノが思い出されます。
ご冥福をお祈りいたします。
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