ブリューゲル
「イメージの森のなかへ」シリーズの『ブリューゲルの宴』(和倉隆著、二玄社)は、
作品の細部にフォーカスし、ブリューゲルの世界を解明していく画集です。
1500年代に活躍したブリューゲルは、「死の舞踏」など不思議な絵も残しています。
「子どもの遊戯」という絵では、80種類以上の遊びが描かれていて、
ぼくが子ども時代にしていた「馬乗り」などの遊びを思わせる遊びも出てきます。
よく見ると、子どもなのか、大人なのかわからない、もしかした子どもの遊びをしている大人が描かれている可能性もあります。
細部を一つひとつ分解してみていくと、発見があります。
「怠け者の天国」という作品は、なんとも言えないおもしろい世界。
職業も、階層もまるで違う人間がだらしなく生きています。
半熟卵が逃げていく絵があったり、鶏の丸焼きが寝そべっていたり、
ナイフが刺さったままの焼豚が逃げていったり、美食と怠け者が溢れていて、とても楽しいです。
有名な「バベルの塔」は圧巻です。
「反逆天使の転落」は、転落していく高慢な天使たちが魔物に変身していきます。
これは1562年の作品ですが、まるで現代アートのよう。
この「イメージの森のなかへ」というシリーズには、レンブラントやモネ、ゴッホ、ゴヤなどがあり、とても楽しいです。
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