鎌田劇場へようこそ!(518)
「コレクティブ 国家の嘘」
10月2日全国ロードショー。
絶望と希望がない交ぜになっているような映画だ。
2015年、ルーマニア、ライブハウス「コレクティブ」で火災が起きた。
27人が亡くなり、180人が負傷し入院するが、そのうち37人が病院で亡くなっていく。
政治家への賄賂を作り出すために、病院関係者が消毒薬を希釈して使っているという最悪の事実が分かってくる。
事実を暴こうとするジャーナリスト。
保健省大臣に任命された若い政治家が一緒に汚職の種を断ち切ろうとする。
インタビューという手法を使わずに、必死に自分の国を良くしようとする人たちの横に、
同伴者のようにカメラがついて事実を記録していく。
新しいドキュメンタリースタイルだ。
絶対に見たほうがいい。素晴らしい映画。
改革派の保健省大臣が再び2020年のコロナ下で大臣を務めている。
告発したスポーツ新聞の記者もまだ元気に「国家の嘘」を暴こうとしている。
この映画を作った監督も、今もちゃんとルーマニアで生活している。
政治腐敗への改革はなかなか進まない。
しかし、事実を暴き、正そうとする人たちがいることは、希望につながる。
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