鎌田實の一日一冊(407)
『緩和ケア医 がんと生きる40の言葉』(大橋洋平著、双葉社)
著者は緩和ケア医。
2018年に希少がんの「消化管間質腫瘍」(ジスト)という厄介ながんが発見されて手術。
肝臓の転移も分かった。
それでも、非常勤で緩和ケアの相談外来を継続していた。
しかし、コロナ禍で、臨時でコロナ病棟をつくるために病棟の再編が行われ、
緩和ケア病棟の患者さんがゆっくりと療養できる空間が狭まっていく。
大橋先生の仕事も激減し、やりがいや生きがいも減っていく。
そんな苦しい日々のなかで、自分自身を鼓舞する言葉を編み出した。
「いい人なんてやめちゃおう」
「うまくいったら自分のおかげ、いかなかったらただのくじ引き」
こういうの大好き。
過酷な病気と闘っている大橋先生ならではの素敵な言葉だ」
「息するだけで上々出来」
「報われない努力にも意味がある」
とても素敵な本です。
今がんと闘っている人にも読んでもらいたいですが、病気がまったくない人にもおすすめです。
生きるヒントがいっぱいあります。
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