鎌田劇場へようこそ!(529)
「国境の夜想曲」
ドキュメンタリー映画の巨匠ジャンフランコ・ロージ監督の最新作。
戦争に翻弄された世界、しかしそこには夜の暗闇から一条の光を待つ人々のささやかな営みがあった。
ぼくがイラクやシリアへ行ったときに見た光景がたくさん映し出されていた。
「イスラム国」に拉致された、ヤジディ教徒の子どもや女性たち。
解放された後も、心の治療をしている場面などはとても痛々しい 。
国家を持たないクルドの人たちにとってみると、国境がどこなのかよくわからない。
自分の生活の場に、勝手に決められた「国境」がある。
ペシュメルガというクルドの軍隊や、クルド女性防衛部隊などが出てきて、
この光景、見たことあるなと思った。
恋人が夜デートをしている場面などは、以前のイラクやシリアの夜の街はこんな街だったなと思い出した。
このドキュメンタリー映画はとにかく美しい。
こんなコメントをした。
「無言のポエム」のような映画だ。
戦いに翻弄される人々を撮っているのに・・・・。
暗闇に、いつでもどこでも僅かな光がさしている。
悲嘆の地の一条の光は、コロナ禍の疲れたぼくらの心を癒してくれる。
美しい映画だ。
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