鎌田劇場へようこそ!(531)
「ドライブ・マイ・カー」
原作『女のいない男たち』(村上春樹著、文春文庫)は、発売された直後に読んだ。
それほど深く心を揺さぶられることはなかったが、
孤独のなかで生き、どうやって再生していくのかが描かれていると思い、
佐賀県にある「まちなかライブラリー鎌田文庫」の3月のイチ押しに挙げた。
http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2022/03/post-c2ce05.html
その後、映画「ドライブ・マイ・カー」を観た。
濱口竜介監督は翼を大きく広げて、話を展開し、3時間の長い映画に仕上げた。
何に傷つき、何に悩んでいるか、自分自身ですら半分ぐらいしかわからない。
まして、他者のことはもっとわからない。
わからないだらけの中で、一緒にご飯を食べたり、一緒に車で移動したりしながら、
それぞれの孤独の魂が、新しい調和を生み出していく。
魂の再生の物語になっている。
新型コロナウイルスに見舞われ、人間の関係がギクシャクしたり、疎遠になったりしている。
ウクライナのニュースを見るたびに、多くの人たちが心を痛めている。
そんななかでこの映画は、コロナ後や戦争後の人間の再生を信じさせてくれる。
できたらアカデミー賞の作品賞に輝いて、世界中の人がこの映画をみてくれたらいいなと思う。
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