大江健三郎さんを悼む
大江健三郎の作品で、特に好きな作品は『万延元年のフットボール』。
1860年、その100年後の1960年を行ったり来たりしながら、四国のある村でとんでもないことが起きていく、作家の構想力のすごさが際立った作品です。
寓話的でもあり、神話的でもあり、人間の心が見事に現わされていて、人間という生き物は困ったものだと思いつつ、人間はおもしろいなと思わせてくれます。
ぼくが好きな若い作家中村文則が「名作とはこういうものだ」とこの本を一押ししていました。
同感です。
ぼくは日本の「ほっとけない作家」として、大江健三郎を5位に選びました。
ぼくにとってのほっとけない作家とは、若いころ熱心に読み、今もときどき読み返したり、気になってしまう作家のこと。
大江健三郎さんのご冥福をお祈りいたします。
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